水素ガス(H
2)の安定同位体比が、微生物代謝によるH
2の消費の際に特異な変化をすることが、近年のいくつかの迫{実験と海底熱水域の観測によって指摘されている。現在これらの結果は「H
2代謝酵素がH
2- H
2O同位体平衡反応を触媒している」と解釈されている。熱水周辺環境で見られる300‰を超える大きな同位体変動がすべて微生物活動によるならば、その変動様式を把握することにより、同位体比を熱水生態系におけるH
2利用代謝の定量的指標として有効に用いることが出来る。しかしながら、H
2代謝による同位体分別が、非生物的に進行するH
2- H
2O同位体平衡反応とまさに同一視できるかどうかはいまだ不確かである。本研究では、H
2代謝時のdel-Dの変動について体系的な理解を得ることを目的とし微生物の迫{を行った。
抄録全体を表示