日本エネルギー学会誌

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本研究ではアンモニアボラン（AB）水溶液の基礎物性について調査した。各濃度における溶解熱から評価したAB水溶液の溶解エンタルピー変化∆dissolH°は17.1 ± 0.9 kJ/molであった。AB水溶液の凝固点曲線及び溶解度曲線は各濃度・温度における水溶液の密度と濃度から得られた。AB水溶液の共晶および変態温度は冷却/昇温曲線と昇温過程における示差走査熱量測定（DSC）に基づいた熱分析から決定した。室温における0.1 mol/LのAB水溶液と30°C 及び40°C における8 mol/LのAB水溶液の安定性（貯蔵寿命）もまた評価し，室温で 40°C 未満で1年までは空気非接触で保管する必要があることが明らかになった。凝固点，溶解度曲線，熱分析結果からAB水溶液の状態図を作成し，共晶組成・温度は8.93 wt.%（2.75 mol/L）及び-5°Cと推定した。これらの結果から，AB水溶液は-5〜40°Cで取り扱うべきであることを提案した。

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