日本エネルギー学会誌
Online ISSN : 1882-6121
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101 巻, 8 号
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目次
JCRENⅡ(論文)
  • Ryoya SHIRAISHI, Hiromichi TOYOTA, Xia ZHU, Kengo MATSUMOTO, Shinfuku ...
    原稿種別: Original Paper
    2022 年 101 巻 8 号 p. 147-151
    発行日: 2022/08/20
    公開日: 2022/08/31
    ジャーナル フリー

    ダイヤモンドコーティングされた鋼は,特に工具にとって優れた材料である。しかし,化学蒸着法による鋼表面へのダイヤモンド直接蒸着は困難であるとされている。本研究では,化学蒸着法による直接蒸着を可能にするため,ステンレス鋼の表面に機械加工処理を施した。ステンレス鋼の表面を,サンドペーパーで研磨した場合,金属やすりで研磨した場合,フラットドリルで切削した場合では,稀にダイヤモンド膜が生成されたがほとんどの場合はアモルファスカーボンだった。これに対し,ステンレス鋼表面にドリルで規則的な窪みのパターンを作った場合,高頻度で高品質のダイヤモンドが得られた。この場合,ダイヤモンドは窪みの縁の部分,または窪みと窪みの間の平らな部分(加工されていない部分)に堆積した。本研究で得られたダイヤモンド膜の品質は,これまでに報告された「化学蒸着法による鋼表面へのダイヤモンド直接蒸着」の中で最高である。中間層なし,シーディングなしの条件で,「シンプルな機械加工のみで鋼表面へ高品質のダイヤモンドを直接蒸着可能である」ということは重要な発見である。

  • Junnosuke SHIMOGAWA, Daisuke HARA, Shan MIAO, Noboru KATAYAMA, Kiyoshi ...
    原稿種別: Original Paper
    2022 年 101 巻 8 号 p. 152-161
    発行日: 2022/08/20
    公開日: 2022/08/31
    ジャーナル フリー

    水素は代替燃料として燃料電池アプリケーションでの利用が検討されている。水素の貯蔵システムとしてはエネルギー体積密度の高さや安全性により水素吸蔵合金が注目されている。燃料電池と水素吸蔵合金を利用したエネルギー供給システムを電動アシスト自転車へ応用するために,過去の研究では負荷重量と電力需要について評価されている。本研究ではこのようなシステムを前提として,水素吸蔵合金カートリッジを設計し,吸熱によって水素を放出する水素吸蔵合金に燃料電池の排熱を供給したときの温度変化を測定することを目的とする。まず,燃料電池の排熱供給が燃料電池の発電特性へ与える影響について調査し,その影響を低減にするような排熱収集方法について検討した。次に重量および容量と燃料電池からの排気量をもとに水素吸蔵合金カートリッジの構造設計を行い,水素吸蔵合金タンクへの外部からの熱的効果を最大限利用するために少量のタンクを複数重ねる構造を提案した。最後に,設計をもとにしたダミーカートリッジを試作し実際に燃料電池からの排熱を供給し,発電時間に応じた温度変化を評価した。

  • Glen Khew Mun LOONG, Naoto MORISHIGE, Keito YAMAJI, Ken-ichiro TANOUE
    原稿種別: Original Paper
    2022 年 101 巻 8 号 p. 162-170
    発行日: 2022/08/20
    公開日: 2022/08/31
    ジャーナル フリー

    既往研究によって,プラスチックポリマーの熱分解を表現するために,KAS法,FWO法,Coats-Redfern法などの加熱速度を必要とする反応モデルが提案されてきた。本研究では,3種類のプラスチック試料(ポリスチレン:PS,ポリエチレン:PE,ポリプロピレン:PP)を等温加熱の条件において,1次反応モデルと2段階逐次反応モデルの2種類の反応モデルを用いて,収率の経時変化について検討した。その結果,PS:593 K ≤ TS < 623 K,PE:643 K ≤ TS < 693 K,PP:623 K ≤ TS < 653 Kの温度範囲では, 一次反応モデルによって収率曲線の再現は可能であった。一方で,PS:TS ≥ 623 K,PE:TS ≥ 693 K,PP:TS ≥ 653 Kの温度範囲では,2段階逐次反応モデルでなければ再現できないことを明らかにした。このとき,2段階逐次反応モデルの反応速度定数における活性化エネルギーΔE は,106 kJ/mol < ΔE < 396 kJ/molとなった。

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