日本エネルギー学会誌
Online ISSN : 1882-6121
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98 巻, 12 号
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目次
論文
  • Tetsuo UMEGAKI, Chinatsu HOSHI, Haruka OGAWA, Shinobu OHKI, Masataka T ...
    原稿種別: Original Paper
    2019 年 98 巻 12 号 p. 312-317
    発行日: 2019/12/20
    公開日: 2019/12/27
    ジャーナル フリー

    本研究は酸促進アンモニアボラン加水分解からの水素発生に有効な球状中空シリカ-アルミナの配位構造と活性の関係について検討した。球状中空シリカ-アルミナはポリスチレンをテンプレートとする方法で調製し,配位構造の解析には27Al MAS NMRを使用した。その結果,調製温度が増大するに伴って,活性な4配位のアルミニウム種と不活性な6配位のアルミニウム種の割合が増大することが確認された。またこれらのアルミニウム種の割合は調製時間を調製することでも制御でき,4配位のアルミニウム種の割合が高くかつ6配位のアルミニウム種の割合が低い試料でアンモニアボラン加水分解からの水素発生に対して高い活性を示すことが確認された。また,高活性を示す試料には5配位のアルミニウム種が含まれていることが確認され,この5配位のアルミニウム種もアンモニアボラン加水分解からの水素発生に活性点として働く可能性も示唆された。

  • 森泉 由恵, 本藤 祐樹, 中野 諭
    原稿種別: 論文
    2019 年 98 巻 12 号 p. 318-332
    発行日: 2019/12/20
    公開日: 2019/12/27
    ジャーナル フリー

    民生部門における給湯・空調需要は,最終エネルギー消費量の大きな割合を占める。よって,民生部門の熱需要をどのように賄うかは重要な課題である。再生可能エネルギー熱技術に対しては,様々なベネフィットが期待されている。しかしながら,再生可能熱エネルギー技術の導入が社会経済全体へ与える影響の評価を行った研究は少ない。本研究の目的は,再生可能エネルギー熱技術の導入にともなう環境・社会経済影響を評価するための産業連関表を開発することである。太陽熱,地中熱,木質チップ・ペレットシステムを対象とするとともに,比較評価を可能にするため,既存の熱技術についても対象とした。これらの技術に関して新たな37 部門を作成し,既存の産業連関表に組み込んだ。開発した産業連関表は,熱の需給を物量で表現しており,金額・物量ハイブリッド表となっている。また,熱需給の計算では,熱負荷計算ソフトを用いている。開発した産業連関表を用いて雇用影響評価を行っている。分析結果より,再生可能エネルギー熱技術の導入よって,化石燃料生産に関連する部門から再生可能エネルギー関連部門への雇用シフトが起こることが示されている。

技術論文
  • Takehiko TAKAHASHI
    原稿種別: Technical Paper
    2019 年 98 巻 12 号 p. 333-339
    発行日: 2019/12/20
    公開日: 2019/12/27
    ジャーナル フリー

    本研究では,リグノセルロースの微粉砕前処理に用いるリング媒体利用粉砕機のスケールアップと連続粉砕に取り組んでいる。その連続粉砕ではリング媒体の内側を未粉砕物が通過する問題が生じている。そのためリング媒体の穴を通過する粉体流を抑制し,粉砕力を高めるために,リングとロッドの組み合わせによる効果を検討した。まず,リングとロッドの組み合わせによるバッチ式粉砕でその粉砕効果を検討した。その結果,大量のスギ粉末の粉砕において,リング媒体の穴にロッド媒体を充填することにより,微粉化効率が向上し,粉砕初期における酵素糖化率が向上した。その結果に基づき,連続粉砕を検討した。粉体流動が抑制され未粉砕物が通過することなく連続粉砕できることを確認した。また,連続粉砕による粉体特性は,ロッドの充填率が40%から50%になることでメジアン径および酵素糖化効率が向上することも確認された。したがって,リングとロッドの組み合わせは,タンデムリングミルによる連続粉砕に有効であった。

  • 角間崎 純一, 川畑 秀駿, 太田 慧, 井田 民男
    原稿種別: 技術論文
    2019 年 98 巻 12 号 p. 340-346
    発行日: 2019/12/20
    公開日: 2019/12/27
    ジャーナル フリー

    バイオコークスは,カーボンニュートラルな新燃料であり,石炭コークスを活用する各産業より,CO2排出量削減対策として期待されている。ガス化溶融炉方式一般廃棄物処理施設は,高い環境性と灰の減容化を達成できる技術として,また,水冷式熱風キュポラは,上下水道用ダクタイル鋳鉄管及びガス管等を製造する鋳物産業で広く用いられており,それぞれ国内に普及している。本研究では,(1)秋田県横手市周辺地域で発生する籾殻,廃菌床及びバーク等の未利用バイオマスを用い,それらを複数混合した安価な多原料バイオコークス製造技術の開発 (2)製造した多原料バイオコークスを上記設備に供給し,定常的に使用される石炭コークス,もしくは鋳物用コークスを多原料バイオコークスで一部代替し,CO2排出量の削減を実現する技術の実証を目的としている。 高温ガス化直接溶融炉において,多原料バイオコークスの使用により,石炭コークスを最大で約51%削減することができた。水冷式熱風キュポラにおいて,多原料バイオコークスの使用により,鋳物用コークスを約5%削減された。しかしながら,キュポラでの利用にあたって,多原料バイオコークス使用による排ガス組成の変化,バイオコークスの保管条件及び機械的強度等,バイオコークスのいくつかの課題が判明した。

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