植物研究雑誌
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83 巻, 1 号
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  • 原稿種別: 表紙
    2008 年83 巻1 号 論文ID: 83_1_10018
    発行日: 2008/02/20
    公開日: 2022/10/20
    ジャーナル フリー
  • A. P. シン , V. ナート
    原稿種別: 原著
    2008 年83 巻1 号 p. 001-006
    発行日: 2008/02/20
    公開日: 2022/10/20
    ジャーナル フリー

    ヒマラヤ東部に位置するインドのメーガーラヤ州の採集品から苔類ゴヘイゴケ亜科の新種 Trocholejeunea meghalayensis Singh & Nath を記載, 図解した. 本種はヒマラヤに産する T. infuscata (Mitt.) Verd. と T. sandvicensis (Gott.) Mizut.とは, 葉と葉の小裂片が大きく, 小裂片の縁に一細胞からなる鋸歯が 5-8 あること, 円形-腎臓形の腹葉は長さと幅がほぼ同長である点などで異なる.

  • 田中伸幸
    原稿種別: 原著
    2008 年83 巻1 号 p. 007-010
    発行日: 2008/02/20
    公開日: 2022/10/20
    ジャーナル フリー

    中米のホンジュラスにおいて植物調査を実施した際, 草丈が 4 m に達するカンナ属の植物を採集した. カンナ属の分類は, 乾燥標本から判断することは困難な点が多いため, 液浸標本の他, 根茎で栽培して開花した個体についても調査を行った. その結果, 本植物はカンナ属の未記載種と判断されたので, 発見地 (Tulian) の地名を取って Canna tulianensis Nb. Tanaka として記載した. カンナ属の中では草丈が 4 m に達する種は Canna iridiflora, C. liliiflora, C. tuerckheimii の 3種が現在までに知られている. 本種は, 大型で花序が顕著に分枝し, 小型のさく果を多数着けること, 花に長い柄があることなどから形態的には C. tuerckheimii に近縁と考えられるが, 次の形質が異なる. 1) C. tuerckheimii は, 各花がやや横向き, 時にやや下向きにつく傾向にあるが, 本種では花は直立し, まとまってつく, 2) C. tuerckheimii の花は筒状にややねじれて上部約 1/3 ほどで急に仮雄蘂が開出する特徴的な花を有するが, 本種は 3枚の仮雄蘂が基部から広く開出する. 3) C. tuerckheimii の唇弁は, 他の仮雄蘂と同程度に開出するだけで前部に顕著に反り返らないが, 本種の唇弁は, 他の仮雄蘂と異なり, 前部に反り返る. 本種はホンジュラス東部の海岸林の林縁のやや日陰に自生する.

  • 鈴木雅大 , 吉﨑誠
    原稿種別: 原著
    2008 年83 巻1 号 p. 011-019
    発行日: 2008/02/20
    公開日: 2022/10/20
    ジャーナル フリー

    青森県佐井村で採集したイトタオヤギソウについて, 体構造, 生殖器官の詳細な形態観察を行った. 本種の雄性配偶体と果胞子体形成過程の観察は, 初めての報告である. 体は多軸型構造で中空,  1層の皮層と 2,  3層の内層が内腔を囲む. 皮層細胞は周りに小細胞を生じる. 内層細胞は皮層細胞を縦方向に裏打ちし, 球形の腺細胞を単独に生じる. プロカルプは,  3細胞からなる造果枝と,  2細胞からなる 1本の助細胞枝で構成される. 受精後, 造果枝を構成する細胞は融合し, 造果枝融合細胞は助細胞と直接接触する. 助細胞はゴニモブラストを生じ, ほとんどのゴニモブラストが果胞子となる. 果胞子体は果皮に覆われる. 成熟した嚢果は壺形で, 果孔を持つ. 精子嚢は, 皮層細胞の上に形成された母細胞から切り出される. 四分胞子嚢は, 皮層細胞に頂生し, 三角錐状に分裂し, 体表面に作られたくぼみの中に集まって形成される.

  • 大橋広好 , 加藤英寿 , 小林史郎 , 邑田仁
    原稿種別: 原著
    2008 年83 巻1 号 p. 020-035
    発行日: 2008/02/20
    公開日: 2022/10/20
    ジャーナル フリー

    日本のホンゴウソウ科を再検討し, 日本にイシガキソウ (新称) Sciaphila multiflora Giesen, ホンゴウソウ S. nana Blume (= S. japonica Makino), ウエマツソウ S. secundiflora Thwaites ex Benth. (= S. tosaensis Makino, S. boninensis Tuyama), タカクマソウ S. tenella Blume (= S. takakumensis Ohwi) およびスズフリホンゴウソウ S. ramosa Fukuy. & T. Suzuki (= S. okabeana Tuyama) の 5種を認めた.

     イシガキソウは日本新産である. 雌雄異花で花序の途中に雄花がつき, その上下に雌花がつくという日本産他種に見られない特徴をもつ.

     ホンゴウソウは日本特産種として宮城県松島から沖縄までに分布するとされていたが, ヴェトナム, タイ, マレーシア, スマトラ, ジャワ, フィリピンに知られている S. nana Blume と同種と考えられる. 学名 S. japonica Makino のホロタイプは TI の標本で, MAK の標本はアイソタイプと選定した.

     スズフリホンゴウソウは台湾固有とされるササキソウ S. ramosa Fukuy. & T. Sasaki と同種であると考える. ササキソウは本誌12巻 6号 (1936年 6月) に発表され, スズフリホンゴウソウ S. okabeana Tuyama は植物学雑誌50巻通巻596号 (1936年 8月) に発表されたので, S. ramosa に優先権がある. 和名はスズフリホンゴウソウを採りたい. なお, ササキソウは台湾のフロラ解明に大きな貢献をした佐々木舜一氏を記念して献名されたものである.

     スズフリホンゴウソウは小笠原諸島父島でウエマツソウ (当時はムニンホンゴウソウ) に混じって発見された. 平凡社版 「寺崎日本植物図譜」 (初版1977, 第 2版1979とも同じ) 図3305ムニンホンゴウソウにもスズフリホンゴウソウが一緒に描かれている. 同図には 3個体が描かれているが, 向かって右側の 2個体と右上部の花序はスズフリホンゴウソウであり, 同図向かって左側の 1個体と図中央の雄花および雌花はウエマツソウ (=ムニンホンゴウソウ) である. この図に描かれた材料は1937年 6月に小笠原諸島で採集されたもので, 恐らく一つの集団に両種が混生していたものと思われる. また, 同図譜図3306スズフリホンゴウソウには 3個体が描かれているが, これらは全てウエマツソウである. なお, 著者の一人加藤の観察では父島と兄島の集団でもスズフリホンゴウソウとウエマツソウとは同所的に生育していた.  ウエマツソウとムニンホンゴウソウとは日本特産種とされていた. 最近の調査ではムニンホンゴウソウは小笠原父島と兄島には非常に多く生育する. この 2種は全くの同種であり, さらにスマトラ, マレーシア, ボルネオ, ニューギニア, タイ, 香港などに広く分布する S. secundiflora Thwaites ex Benth.と同種であることが明らかにされている (Ohashi 2000). 本種の花柱は彰かな棍棒状であり, 表面には乳頭突起が密生する.

     Makino (1905) は S. tosaensis Makino の和名を"Uyematsu-só, Tokihisa-só (nov.)" と発表した. これは 2つの名前であり, 植松栄次郎と時久芳馬をそれぞれ記念したものである. その後ウエマツソウが通用している. この植物の最初の発見者は時久氏であったが, 牧野博士は標本 2点を植松氏から受け取った (牧野富太郎 1905. 本郷草科の一新品. 植物学雑誌 19: 224. 1905). 植松氏はホンゴウソウ発見者の一人でもある.

     タカクマソウは日本特産種として鹿児島県から記載され, 今日では宮崎県と沖縄県にも知られている. 当初本種の特徴とされた花被裂片と雄蕊がそれぞれ 4個である点は 3-6 個の間で変異する形質であり, 他の形態的特徴と併せるとタカクマソウは S. tenella Blume と同種であると考えられる. 本種はスリランカ, スマトラ, マレーシア, ボルネオ, スラウェシ, ジャワ, フィリピン, ニューギニア, ソロモン諸島などに広く分布する.

  • 五百川裕 , 大橋広好
    原稿種別: 原著
    2008 年83 巻1 号 p. 036-059
    発行日: 2008/02/20
    公開日: 2022/10/20
    ジャーナル フリー

    中国のハナハギ属 Campylotropis について Flora of China の原稿にまとめるために, 主として Iokawa and Ohashi (2002, 2004) を基礎として, 新たに検索表を作り, 種類と学名を再検討し, 新たに Campylotropis argentea, C. capillipes, C. grandifolia, C. harmasii, C. henry, および C. wilsonii のレクトタイプを選定し, 中国における分布を整理した.

     中国西南部はハナハギ属の分布の中心で, 特に雲南省からは多くの種類が記載されている (Fu 1987, Iokawa and Ohashi 2002, Ohashi 2005). 中国のハナハギ属は傳 沛云 Fu Peiyun (1987, 1995) が全体を研究し, 28 ( 1亜種を含む) 種 6変種 6品種に整理した. 一方, Iokawa and Ohashi (2002, 2004) は属全体のモノグラフをまとめ, 37種 6亜種 3変種 3品種に分類した. その中で中国の種類として31 ( 2亜種 1変種 1品種を含む) 種 3亜種 3変種 2品種を認めた. 中国の種類についての両方の分類を一覧として表 1にまとめた. さらに最近, 高 信芬 Gao Xinfen (2006) は雲南省のハナハギ属をまとめ, ミャンマーから記載された C. kingdonii H. Ohashi を新たに雲南省から記録した. しかし, Iokawa and Ohashi (2002) はこの種を C. thomsonii (Baker) Schindl. と同一種と考えている. そこで, 本論文では Iokawa and Ohashi (2002, 2004) による31種類に C. thomsonii を加えて, 中国の種類は32種 3亜種 3変種 2品種とした.

     中国におけるハナハギ属の分布を, 省ごとの種数でまとめ, 図10に示した. 32種のうち20種が中国に固有で, 固有種の分布についてみると, 雲南省 9種, 四川省 3種, 西蔵自治区 1種,  6種は雲南, 四川, 西蔵を含む複数の省に分布し,  1種は西南中国とだけ記録され, 雲南, 四川, 貴州のいずれかである. 雲南省はハナハギ属の分布の中心であり, 12固有分類群を含めて, 全体で27分類群が記録されている. これに次ぐのは四川省で, 14分類群である.

  • 大橋広好 , 大橋一晶
    原稿種別: 短報
    2008 年83 巻1 号 p. 060-061
    発行日: 2008/02/20
    公開日: 2022/10/20
    ジャーナル フリー
  • 大橋広好 , 大橋一晶
    原稿種別: 短報
    2008 年83 巻1 号 p. 061-062
    発行日: 2008/02/20
    公開日: 2022/10/20
    ジャーナル フリー
  • 大橋広好 , 大橋一晶
    原稿種別: 短報
    2008 年83 巻1 号 p. 063-065
    発行日: 2008/02/20
    公開日: 2022/10/20
    ジャーナル フリー
  • 金井弘夫
    原稿種別: 新刊
    2008 年83 巻1 号 p. 066
    発行日: 2008/02/20
    公開日: 2022/10/20
    ジャーナル フリー
  • 金井弘夫
    原稿種別: 新刊
    2008 年83 巻1 号 p. 066
    発行日: 2008/02/20
    公開日: 2022/10/20
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 正誤
    2008 年83 巻1 号 p. 066
    発行日: 2008/02/20
    公開日: 2022/10/20
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 投稿規定
    2008 年83 巻1 号 論文ID: 83_1_10030
    発行日: 2008/02/20
    公開日: 2022/10/20
    ジャーナル フリー
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