植物研究雑誌
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72 巻, 2 号
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  • 原稿種別: 表紙
    1997 年72 巻2 号 論文ID: 72_2_9139
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2022/10/21
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  • 近芳明 , 岩科司 , 柏谷博之 , J. H. ワードロー , J. A. エリックス
    原稿種別: 原著
    1997 年72 巻2 号 p. 67-71
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2022/10/21
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    ハナサルオガセ(Usnea orientalis)は試験管内での地衣体の再分化が容易な種である.地衣体由来の菌に対する培地に含まれる糖アルコールは,成長だけでなく,菌組織表面における突起上の構造物の形成を促進するものと認められている.菌の二次代謝産物の産生における糖アルコールの効果を調べたところ,天然には検出されない2種のジベンゾフランが検出された.その一つは 3,7-dihydroxy-1, 9-dimethyldibenzofuran-2-carboxylic acid と認められ,ヤマヒコノリ(Evernia esorediosa)の培養菌から報告されているhypostrepsilic acid と同一のものであった.しかし,他の成分は新規物質で 3, 7-dihydroxy-9-hydroxymethyl-1-methyldibenzofuran-2-carboxylic acid (isostrepsilic acid)と構造決定された.

  • 邢公侠 , 岩槻邦男
    原稿種別: 原著
    1997 年72 巻2 号 p. 72-88
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2022/10/21
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    前報(本誌 72: 19-35)に引き続き,残りの42種の一覧である.この報告で新たに記載した3種のうち,2種はこの第2部で記載し,図示した.

  • 柏谷博之 , G. トール
    原稿種別: 原著
    1997 年72 巻2 号 p. 89-92
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2022/10/21
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    1995年に実施された皇居の地衣類予備調査においてChrysothrix flavovirens Tφnsberg(コガネワタゴケ,新称)が発見された.本種はこれまでに欧州のみに分布することが知られていたが,本邦にも産することが明らかになった.本種はC. candelaris (L.) Laundon に酷似するが,地衣体が淡黄緑色でリゾカルプ酸を含むので区別できる.日本産の標本は形態的には欧州産のものに一致するが,“chrysophthalma unknown”(Tφnsberg 1992)を含まない化学的変異株と考えられる.皇居内ではやや日当たりの良いモチノキの樹皮上で見つかったが,この他にも,広島県宮島,山口県岩国市の標本4点も本種と同定された.

  • 劉玉萍 , 伊藤親 , 小松かつ子 , 谿忠人 , 施大文 , 難波恒雄
    原稿種別: 原著
    1997 年72 巻2 号 p. 93-109
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2022/10/21
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    「椒目」は利水薬として用いられている漢薬で,原植物は「花椒」と同じくミカン科のサンショウ(Zanthoxylum) 属の種子に由来するとされている.Zanthoxylum 属植物の種子は外形が類似しているため同定が難しく,また内部形態においても種皮が堅いため切片の作製が困難である.そこで本報では,「椒目」の原植物を明らかにする方法の開発を目的に中国,日本及びネパール産の16種3変種1品種の種子について走査型電子顕微鏡及び画像解析装置を用いて組織学的研究を行った.その結果,各種は外種皮においては表皮細胞の層数及び放射方向径と接線方向径の比率,表皮と厚壁組織の境界が描く閉曲線の形とその周辺凹凸度,厚壁組織の外層と内層の平均の厚さの比率,外種皮中で表皮の占める割合,種子の半径に対する外種皮の厚さの割合などに種間差が認められ,それぞれ同定可能となった.また,上海と山西省大同市場品はZ. bungeanum の種子,内蒙古フフホト市場品はZ. schinifolium の種子と果皮の混合品であることが明らかになった.

  • 田中教之
    原稿種別: 原著
    1997 年72 巻2 号 p. 110-116
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2022/10/21
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    Helonias 属は北米東部に分布する単型属であり,Ypsilandra 属はヒマラヤから中国東南部にかけて分布する小属で,両属共にユリ科に分類される(Krause 1930, Hutchinson 1934).両属は地理的には新旧両大陸に隔離分布しているが,互いに近縁な属である.両属はこれまで主として花柱や葯の形態によって区別されてきた.今回,生品と標本に基づいて両属を比較観察したのでその結果について報告する.

     (1) これまでの多くの記載によると,Helonias は3花柱を持つとされてきたが,しばしばそれらの花柱の基部はごく短いが合成した一つの柱状部を持つことが確認された.このことは,3花柱が合生し,常に柱状の花柱部分を持つYpsilandra と質的に異なるものではないことを示している.(2) Helonias の葯は2個の半葯からなり,半葯間での連合はないとこれまで記載されてきたが,筆者の観察では,葯の頂部は半葯間で連合し,実質的に一室化していることが確認された.葯の頂部が半葯間で完全に連合一室化するという性質はYpsilandra の観察したすべての種(Y. yunnanensis, Y. alpina, Y. cavaleriei, Y. thibetica)においても存在するので,両属はこの点でも共通する性質を持つことが判明した.(3) Helonias の内花糸は子房の基部と組織的に合生しているが,外花糸は子房とは離生している.これらの性質はYpsilandra の4種でも花時に存在することが今回確認された.(4) Helonias の花には蜜腺がないとこれまで記載されてきたが,筆者は花被片の内面基部において,蜜が実際に分泌されているのを確認した.また,Y. thibetica でも花被片の同じ部分から蜜が分泌されているのを確認した.花被片下部の形態から判断するとYpsilandra の他の3種でもこの性質は存在するものと思われる.(1) ~ (4) の性質に関して本研究で確認された事実は,両属の種がこれまで考えられていたほどには隔たっているものではなく,両属の種をこれまでのように属ランクで分類することに少なからず疑問を投げかけるものである.

     ここで扱った両属と日本などに分布するショウジョウバカマ属(Heloniopsis)とは互いに密接な関係にある.この属も含めて,今後はさらに多くの性質について比較研究する必要がある.

  • 井上健 , 長谷川雅美 , 小林史郎
    原稿種別: 原著
    1997 年72 巻2 号 p. 117-124
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2022/10/21
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    伊豆諸島にクサギ属植物として二種が生育することが判明した.一つはクサギで,もう一つは葉の表面が無毛の点は南日本のアマクサギと共通だが,雄しべの花冠から突き出る長さが短い点,花の筒部がほとんど白色である点,萼片が幅が狭く,緑色である点,花冠がやや反り返る点などで区別できる.両者は利島や新島などでは同所的に存在するが,中間的な個体は見られない.従って,伊豆諸島のアマクサギ類似の植物はアマクサギとも異なる新種と考えられるので,Clerodendrum izuinsulare(シマクサギ)として発表した.シマクサギは1) 雄しべは花筒より5-15mm突き出る,2) 葉や花序はほぼ無毛,3) 花筒部は白色から淡紅色,4) 萼裂片は披針形から狭卵形で幅2.5-4.5mm,5) 萼片はほとんど赤くならず緑色,5) 花冠裂片はやや後ろに反り返る,6) 花の直径が15-20mmとやや小さい,7) 開花時期がやや遅く,8月から10月まで開花するという特徴がある.性質について比較研究する必要がある.

  • 大場秀章
    原稿種別: 短報
    1997 年72 巻2 号 p. 125
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2022/10/21
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  • 大橋広好
    原稿種別: 追悼
    1997 年72 巻2 号 p. 126-127
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2022/10/21
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  • 山崎敬
    原稿種別: 新刊
    1997 年72 巻2 号 p. 128-129
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2022/10/21
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  • 金井弘夫
    原稿種別: 新刊
    1997 年72 巻2 号 p. 129
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2022/10/21
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