実験社会心理学研究
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41 巻 , 2 号
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  • 加藤 謙介, 渥美 公秀
    41 巻 (2001 - 2002) 2 号 p. 67-83
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 動物介在療法 (Animal Assisted Therapy: AAT) の効果を, 集合体の全体的性質 (集合性) の変容という観点から検討し, 廣松 (1989) の表情論を援用して考察を試みた。近年, 医療・看護・介護などの治療場面に動物を介入させるAATが導入され, これまでに, 生理的・心理的・社会的効果が見出されている。本研究では, AATに関する諸研究を概観し, その中で見出されたAATの諸効果を批判的に検討した。その上で, 老人性痴呆疾患治療病棟A病院において実施された, AATの一種であるドッグ・セラピーを参与観察した。A病院でのドッグ・セラピーは, 約10ヶ月間継続されたが, 対象者はもちろんのこと, 病院職員やドッグ・セラピーを実施するボランティアなど, ドッグ・セラピーに携わる人々に様々な変化が見られた。筆者らは, ドッグ・セラピーが実施された集合体において観察された, 対象者自身, 病院職員, ボランティアの3者の変化を, 表情性感得を契機とする集合性変容過程であるとし, その含意を考察した。
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  • 北村 英哉
    41 巻 (2001 - 2002) 2 号 p. 84-97
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    ポジティブ・ムードが自動的処理を促進し, ネガティブ・ムードが分析的処理を促進するであろうとの仮説を検証するために2つの実験を行なった。実験1では, ポジティブもしくはネガティブ感情を導出した後, 被験者はポジティブ, ネガティブあるいはニュートラル・ムードを誘導する効果があると教示された音楽テープ (実際の効果はない) を聞くという状況で, 商品の魅力を評定した。結果は予測通りに, 割増効果はネガティブ・ムード群においてより顕著であった。
    実験2では, 被験者はまず, 無名な企業名のリストを1回ないし4回呈示された。1-2日後, 被験者は以前呈示された企業名と新たな企業名をランダムに呈示されて, 有名か無名かの判断をさせられた。一度目にしたものは親近感が高まり, 有名と誤判断してしまうことが増える。結果は予測通りに, ポジティブ・ムード群の方が有名とする誤判断が多く, 親近感を正確に統制しなかった。これらの結果から, ポジティブ・ムード時において人は自動的処理方略に従事しやすいことが示された。
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  • 礒部 智加衣, 浦 光博
    41 巻 (2001 - 2002) 2 号 p. 98-110
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 社会的比較において情報を好ましい意味へと再構築するスキルが劣っているのかもしれないといわれている低自尊心者でも (Taylor, Wayment, & Carrillo, 1996), 優れた内集団成員との比較による脅威から回避することが可能となるのはどのような状況かについて検討した。我々は, 集団間上方比較状況 (内集団が外集団より劣っている状況) では, 低自尊心者でさえ, 優れた内集団成員との比較による状態自尊心の低下が低減されるという仮説をたてた。95名の女性被験者に対し, IQテストを実施した後, 集団間上方比較が有るもしくは無い状況において, 内集団成員の優れたもしくは同等な個人間比較を想像によりおこなわせた。結果は仮説を支持し, 低自尊心者は集団間上方比較状況の無い時において, IQテストで優れた得点を得た内集団成員との比較後は同等比較後よりも状態自尊心が低下していたが, 集団間上方比較条件が有る条件ではこのような差が認められなかった。高自尊心者は, 集団間上方比較状況の有無に関わらず, 内集団成員との上方比較後に状態自尊心の低下はみられなかった。
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  • 松本 芳之, 木島 恒一
    41 巻 (2001 - 2002) 2 号 p. 111-123
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 大学の卒業予定者男子314名, 女子95名の就職活動に関する報告記述を内容分析することで, 自己呈示の戦略目標を同定することにある。予備分析で得た9個のカテゴリー (意欲, 自尊心, 自発的活動, 事前準備, 自己統制, 率直さ, 自己説明, 積極的応答, 運) を用いた内容分析の得点を対応分析で要約した後, 個々の記述をクラスタ分析した。その結果, 3つの異なる自己呈示の戦略目標が存在することが示唆された。すなわち, 応募者は, 採用側の要求に見合うだけの有能さを印象づけるか, 面接場面を巧みに処理できる積極さを印象づけるか, 自らの現状を率直に述べることのできる誠実さを印象づけるかという, 異なる目標に従って自己呈示するのである。応募者は, 面接者にこれらの望ましいイメージを与えるために, 一連の行動を選択し, 実行すると考えられるのである。最後に, それぞれの戦略の意味と今後の検討課題を考察した。
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  • 三浦 麻子, 飛田 操
    41 巻 (2001 - 2002) 2 号 p. 124-136
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 集団創造性に影響を与える要因として成員アイディアの多様性を取り上げ, その効果を実証的に検討した。多様性の高い集団による相互作用過程においては, 集団が創造性パフォーマンスを発揮する可能性が高まり, 集団の創発性が生まれることが期待される。しかしその一方で, コミュニケーションにおいては葛藤を生じやすくさせる方向で機能することが考えられる。実験1では, 集団成員の個人レベルのアイディア創出結果にもとづいてアイディアの多様性を分類し, 集団の創発性と成員の心理的変数に対する効果を検討した。しかし, 予測したような多様性の効果は見られず, 成員アイディアの多様性が十分な効果を持つためには, より円滑なコミュニケーションを促進するような, 類似性や共通性を有することが必要となることが示唆された。そこで, 実験2では, 成員のアイディアの多様性に加えて類似性についても検討し, この2つの基準にもとづいて集団を分類した検討をおこなった。その結果, 多様性と類似性の相乗効果によって, 集団の創発性が高められる可能性が示された。以上の研究結果から, 集団が創造的となるためには, 成員相互の多様性と類似性がともに必要となることが示唆された。
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  • 伊藤 君男
    41 巻 (2001 - 2002) 2 号 p. 137-146
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, ヒューリスティック-システマティック・モデル (Chaiken, 1986) に基づき, 説得的メッセージのヒューリスティック処理とシステマティック処理との加算効果と減弱効果に対する関与の程度の影響を検討するものである。実験は関与 (高・中・低) ・論拠の質 (強・弱) ・説得者の信憑性 (高・低) を操作して行った。実験の結果, 話題への関与が高い場合には, 説得効果は論拠の質のみの影響を受けたのに対して, 話題への関与が中程度の場合には, 論拠の質と説得者の信憑性の影響が共に認められた。また, 話題への関与が低い場合には, 説得効果は説得者の信憑性のみの影響を受けていた。これらの結果より, 高関与はヒューリスティック処理の影響を減弱させる効果を導き, 中関与はヒューリスティック処理とシステマティック処理の加算効果を導くことが示唆された。
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  • 加藤 司
    41 巻 (2001 - 2002) 2 号 p. 147-154
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は社会的相互作用を考慮に入れたコーピングモデルを提唱し, その妥当性を検証することである。本研究によって提唱されたコーピングモデルでは, コーピングが直接的に精神的健康に影響を与える過程と, コーピングが対人関係を媒介として, 個人の精神的健康に影響を与える2つの過程を仮定している。本研究では後者の過程を検証するために2つの研究がなされた。研究1では129名の大学生を対象に, 対人ストレスコーピングが他者に快-不快感を抱かせることを実証した。研究2では299名の大学生を対象に, 対人ストレスコーピング→ソーシャルサポート→孤独感といった因果関係を検証した。2つの研究結果から, 他者に好感を抱かせるコーピングは他者からのソーシャルサポートを増加させ, 孤独感を低減させるが, 一方, 他者に不快感を抱かせるコーピングは他者からのソーシャルサポートを減少させ, 孤独感を増加させることが明らかになった。そして, 本研究で提唱されたモデルの妥当性が実証された。
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  • 木原 香代子
    41 巻 (2001 - 2002) 2 号 p. 155-164
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 2種類の相貌印象判断と2種類の提示方法を用いて顔の再認記憶に及ぼす影響を検討した。実験1では, 2種類の特性語を用いて相貌印象判断を行い, 顔の再認記憶にどのような影響を及ぼすかを検討した。再認課題には記銘時と再認時で提示される表情が異なる異画像再認課題を用いて行った。その結果, 表情独立特性語で相貌印象判断を行った方が表情依存特性語で行うよりも後の再認成績が良くなることが示された。実験2では, 同一人物の異なる3種類の表情が連続提示され, 一括して相貌印象判断を行う一括符号化条件と, 同一人物の異なる3種類の表情がリスト中に分散して提示され, 個々に相貌印象判断を行う分離符号化条件を設定し, それぞれの提示方法が顔の再認記憶に及ぼす影響について検討した。相貌印象判断は実験1同様2種類の特性語を用い, 再認課題は異画像再認課題で行われた。その結果, 一括符号化条件の方が分離符号化条件よりも後の再認成績が良くなることが示された。したがって, 3つの表情の統合を促す符号化が顔の再認記憶を促進することが示唆された。
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  • 小平 英志
    41 巻 (2001 - 2002) 2 号 p. 165-174
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, (1) どの程度の被調査者が理想自己と義務自己の2種類の自己指針を区別しているのかを確認すること, (2) 現実-理想不一致と現実-義務不一致がそれぞれ自己肯定感, 自己否定感と強い関連があるという自己不一致理論 (SDT) の想定を, 優越感・有能感自己嫌悪感を指標に検証すること, (3) 現実-理想不一致, 現実-義務不一致と優越感・有能感, 自己嫌悪感との関連における相対的重要性の影響を検討することであった。女子大学生219名を対象に, 自己不一致測定尺度, 優越感・有能感尺度, 自己嫌悪感尺度, 及び自己指針に関する質問票が実施された。その結果, 理想自己と義務自己を異なる状態であるとした被調査者は4割ほどであり, 同じ状態であるとする被調査者が3割以上確認された。自己不一致と優越感・有能感自己嫌悪感との関連では, 現実-理想不一致は優越感・有能感, 自己嫌悪感の両方と, 現実-義務不一致は自己嫌悪感とのみ関連が有意であった。続いて, 相対的重要性から理想自己重視群, 義務自己重視群, 両自己重視群の3群に分割し, 偏相関係数を算出した。その結果, 理想自己を重視する群では, SDTの想定通り, 現実-理想不一致と優越感・有能感, 現実-義務不一致と自己嫌悪感との問のみに有意な関連が見られた。義務自己を重視するとした被調査者は全体の15%未満であり, いずれの偏相関係数も有意ではなかった。両方の自己を重視している群では, いずれの偏相関係数も有意ではなかった。本研究の結果から, 少なくとも理想自己を重要であるととらえる被調査者においては, 自己不一致と感情との弁別的関連がより明確になる可能性が示唆された。
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