林齢を考慮した材積式を考えるにあたって,その基礎となる材積式として従来から良く使われている形数法より一般化された式,BERKHOUT式および山本-SCHUMACHER式を用いて林齢別の推定精度と林齢をこみにした推定精度の比較を林齢ごとに行った。その結果,前者の精度は後者のそれよりもほとんどの林齢において良好なことが分かった。また,3つの材積式を用いた林齢別の推定精度は山本-SCHUMACHER式が一番良く,この式をもとに林齢を考慮した材積式を検討した。山本-SCHUMACHER式のパラメータa,b,cと林齢との関係を検討した結果,各パラメータとも,40年以前は林齢とある程度の関係が見られ,41年以降は一定の値を中心に変動していた。以上の結果をもとに,林齢40年以前はパラメータaをべき乗式で,パラメータb,cを2次式で表し,41年以降は一定値としてパラメータを決定した上で林齢を考慮した材積式を開発した。その結果,本法の推定精度は良好であり,もしパラメータと林齢との関係が他の樹種や地域についてもみられるならば有効な方法と考えられた。
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