林悠介・トウソウキュウ・加藤正人・中村良介:ディープラーニングによる針葉樹の単木樹冠検出と樹種分類,森林計画誌55:3~22,2021 近年,単木レベルの樹種把握に機械学習(ML)や深層学習(DL)が活用されている。しかし,従来手法は解析者の経験と労力を要する上に,新規データへのモデル適用が難しかった。本研究では,UAVとALSで取得したデータ(RGB,樹冠高モデル(H),傾斜モデル(S))にDL手法Mask R−CNNを適用し,自動で単木樹冠・樹種推定が可能なモデルの構築を試みた。信州大学農学部構内演習林の多時期データから3種類のデータセット(RGB,RGB+H,RGB+S)を作成し,優占する針葉樹(アカマツ,カラマツ,ヒノキ)を検出・分類するモデルの構築を行った。これらを用いて,新規の4サイトで単木樹冠・樹種推定を行った結果,RGB+Sモデルでは検出率0.905,分類精度0.955と3モデル中最も汎化性能があり,新規サイトへの適用可能性が高いことが明らかとなった。今後はより環境条件に依存しないモデル構築が求められ,DL手法の最適化や学習効率向上,データ蓄積等が課題である。
小林裕之・高岸且・森川英治・細野賢一・江口輝・小島光平:RTK機能搭載UAVとGNSS移動基地局の組み合わせによる写真測量の精度検証,森林計画誌55:23~29,2021 GCPの測量コスト削減を目指し,RTK機能搭載UAVによる直下視撮影と斜め撮影を行い,位置精度を検証した。GCP数が0,1,5個の場合の検証点での3次元RMSEは,直下視撮影でそれぞれ7.5~14.0,4.2~6.7,2.4~3.6cm,斜め撮影でそれぞれ6.1~9.5,2.0~3.3,2.7~5.5cmとなった。斜め撮影の0GCPでは水平,垂直RMSEとも10cm未満となり,GCPなしでも森林計測には十分な精度が期待でき,さらに高精度を目指す場合はGCPを1個設置するのがよいと考えられた。
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