森林計画学会誌
Online ISSN : 2189-8308
Print ISSN : 0917-2017
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表紙
論文
  • 寺岡 行雄, 加治佐 剛, 東 大介, 園田 高士, 前田 清水, 畑 邦彦
    原稿種別: 論文
    2024 年 57 巻 2 号 p. 37-44
    発行日: 2024/03/29
    公開日: 2024/04/11
    ジャーナル フリー

    寺岡行雄・加治佐剛・東大介・園田高士・前田清水・畑邦彦:燃料チップ生産のための巻き枯らしによるスギ樹幹の天然乾燥,森林計画誌57:37~44,2024 巻き枯らし処理によりスギ立木の樹幹含水率を低下させ,乾燥チップ用ボイラーに利用できる含水率の燃料チップを生産することが可能か,実験的に明らかにした。鹿児島県垂水市のスギ48年生の10本で巻き枯らし処理を行い,16ヵ月間の乾燥試験を行った。巻き枯らし木の9本は開始後3.5ヵ月から13.5ヵ月で枝葉が褐色化し枯死したが,1本は16ヵ月後も枯死しなかった。試験終了後に,未処理木5本と同時に伐倒後,1本毎にチップ化し,スギチップの含水率(湿量基準)を全乾法により測定した。枯死した個体からのチップ含水率は42%以下であり,乾燥チップ用ボイラーでの燃料として利用可能であると判断された。枯死した巻き枯らし木と未処理木でのチップ含水率の差を分散分析したところ有意な差が認められた。以上より,間伐等実施の1年以上前に巻き枯らし処理を行い伐倒時点で枯死が確認できていれば,乾燥チップ用ボイラーで利用可能な含水率の燃料チップを安価に製造できると考えられた。

短報
  • 井上 修吾, 太田 徹志, 溝上 展也
    原稿種別: 短報
    2024 年 57 巻 2 号 p. 45-51
    発行日: 2024/03/29
    公開日: 2024/04/11
    ジャーナル フリー

    井上修吾・太田徹志・溝上展也:衛星コンステレーションを用いた竹林分布把握における最適撮影時期の探索,森林計画誌57:45~51,2024 衛星リモートセンシングデータから竹林を抽出する際の最適撮影時期を検証した。対象地は福岡県旧立花村周辺とし,2022年1月から12月までの合計11枚のPlanetScopeデータを入手した。11枚のデータに機械学習モデルを適用して竹林と竹林以外の2クラスに分類し,その精度を比較した。その結果,全体精度は6月で最も高い91.2%,4月で最も低い74.6%だった。全体精度の1年間の推移としては,1月ごろに全体精度が低く,徐々上昇した後5〜6月をピークとなる山型となった。6月時点のデータを用いた竹林の分類においては,可視赤色光の重要度が最も高く,可視赤色光や可視緑色光や近赤外光を用いた植生指数の重要度も高かった。以上のことから,竹林の抽出には可視赤色光や可視緑色光や近赤外光を含む衛星により5〜6月に取得したデータを用いるべきと結論づけた。

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