日本地すべり学会誌
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53 巻, 6 号
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研究ノート
  • 柴崎 宣之, 石井 靖雄
    2016 年 53 巻 6 号 p. 227-234
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/04/11
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     地すべり斜面における地震動の増幅特性, 固有周期を明らかにするため, 譲原地すべりおよび由比地すべりにおいてすべり面を挟む3深度に設置した地震計の観測データの解析を行った。解析の結果, すべり面直上部付近の最大加速度は基盤岩層の最大加速度の1.0~1.9倍の値を示し, 地表付近は1.1~3.6倍の値を示した。また, 地すべり土塊の固有周期は, 譲原地すべりでは水平方向で0.22~0.25秒, 上下方向で0.10~0.13秒と推定され, 由比地すべりでは水平方向で0.37秒, 上下方向で0.20~0.22秒と推定された。これらの固有周期と加速度フーリエ振幅スペクトルが最大値を示す周期は, 譲原地すべりでは3地震とも異なる値を示した。一方, 由比地すべりでは2009年8月11日の駿河湾沖地震時に, 水平方向で同じ値を示した。由比地すべりで地中変位が発生しなかった原因として, 加速度が地すべりの変位を生じさせるよりも小さかったことが考えられた。

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