降雨による土石流災害の低減を目指して, 広島市とその周辺の花崗岩斜面おいて, 降雨パターンの異なる3災害 (1999年・2014年・2018年発生) を対象に, 土石流到達閾値といくつかの雨量指標との関係を検討し, さらに土石流到達率と流域地形量・雨量指標との関係について調査した。その結果, 流域面積と起伏比の関数で表される土石流到達閾値と土石流到達率の地形的閾値は, 6時間積算雨量・半減期8時間実効雨量・R'値の3種類の雨量指標のいずれかの関数として, 3災害をまとめてある程度表現できることが明らかになった。なお, 今回の解析では, 実効雨量の過大評価を最小化するために新たな計算方法を用いた。