日本地すべり学会誌
Online ISSN : 1882-0034
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ISSN-L : 1348-3986
60 巻, 6 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
技術報告
  • 永田 秀尚, 山崎 新太郎
    2023 年 60 巻 6 号 p. 259-264
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/01/16
    ジャーナル 認証あり
  • ―高知県大豊町トウジ山の地すべりを事例として―
    荒井 紀之, 山崎 新太郎, 土井 一生
    2023 年 60 巻 6 号 p. 265-273
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/01/16
    ジャーナル 認証あり

     四国の三波川帯南部に位置するトウジ山では地震や降雨に伴い崩壊が繰返し発生してきた。この場所で崩壊が繰返し発生する原因を明らかにするために崩壊周辺の地質踏査, 地震計による地震動観測を行った。その結果, 地質学的素因として崩壊崖が位置する尾根沿いには硬質な珪質片岩, 塩基性片岩が分布し, 尾根以外は泥質片岩からなること, 局所的に東西方向で鉛直に近に軸面を持つ褶曲が発達し軸面に平行な開口割れ目が発達していることがわかった。また, 地震動の増幅特性として, 地形効果により尾根に直交する方向に2~3HzのS波が3倍程度, 斜面被覆層の重複反射により14Hz付近のS波が6倍以上に増幅されることがわかった。

  • 山崎 新太郎, 渡邊 達也
    2023 年 60 巻 6 号 p. 274-280
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/01/16
    ジャーナル 認証あり

     筆者らは平成30年7月豪雨に伴って2018年7月7日愛媛県宇和島市吉田町畦屋で発生した崩壊の地質学的素因を分析した。同崩壊は遠距離まで到達し家屋を破壊して死傷者を発生させたものであり, 流動性という点で同豪雨による他の崩壊に比べて危険性の高いものであった。筆者らは, この崩壊が地形図では判読困難な潜在的な断層破砕帯とそれが起源の堆積物の崩壊によって発生したことを明らかにした。断層破砕帯は砂岩に形成されたものであり, その構成物質は破砕によって中小角礫化し, さらに風化によって強度が低下していた。豪雨時には高間隙率の断層破砕帯を通過した水が, 崩壊源の背部で水圧を発生させ崩壊を誘起したと考えられる。さらに本報告では同様の危険性の高い断層破砕帯は表層地質調査に加えて二次元比抵抗探査を組み合わせることによって, その場所と範囲を予測できる可能性があることを示す。

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