日本地すべり学会誌

人為的バレーバルジング

野崎保, 田川義弘

2004 年 40 巻 6 号 p. 463-471
発行日: 2004/03/25
公開日: 2010/06/28

DOIhttps://doi.org/10.3313/jls.40.6_463

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我が国においては最近までバレーバルジングに関する報告は見られなかったが, 筆者の一人である野崎によって初めての事例とその発生機構に関する研究報告がなされている。英国では主に氷河期における周氷河作用の一現象であるとする説が有力である。しかし, 英国以外では応力解放に伴う河床部のリバウンド現象あるいはそれに続く斜面クリープによる河床部の座屈現象であるとする説が有力であり, 野崎も基本的に後者の説にしたがっている。また, これまでこのような現象は地質学的な時間単位で進行するものであり, 人為的な掘削などでは感知し得る程の変位は生じないものと考えられてきた。しかし, 今回上信越自動車道の工事において, 尾根地形を横断する大規模な開削工事が実施された際に, 切土の進行と共に開削部に向かうバルジング現象が発生した。筆者らは事前にこうした現象の発生を予測し, 詳細な地質調査および諸計測を行った結果, 人為的なバレーバルジング現象が発生したことを明らかにした。

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結晶片岩地域の崩積土層で発生した斜面崩壊に関与する流動地下水脈

古谷元, 末峯章, 日浦啓全, 福岡浩, 佐々恭二, 丸井英明

2004 年 40 巻 6 号 p. 472-483
発行日: 2004/03/25
公開日: 2010/06/28

DOIhttps://doi.org/10.3313/jls.40.6_472

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徳島県西祖谷山村善徳地すべり地大師堂周辺で1999年6月29日の豪雨によって4箇所の斜面崩壊が発生した。これらの斜面崩壊が発生した後に実施した大師堂周辺の現地調査の結果と三次元せん断変位計の記録より, 1) 豪雨のわりに崩壊発生箇所が限定されること, 2) そのうちのひとつで崩壊のクリープ的な前兆変位が生じていたことが指摘されていた。本論文ではこれらの理由を解明するために, 1m深地温探査, 湧水および孔内水温の測定と間隙水圧の逆算を行った。そして, これらの結果をもとに斜面崩壊と流動地下水脈との位置関係, およびこの地下水脈と崩壊の前兆変位との関係について検討した・得られた結論は以下の通りである。1) 斜面崩壊は地下水脈上や隣接部に位置する。これは斜面崩壊の発生箇所が流動地下水の影響を受けていることを意味する。2) これらの地下水脈は浅層部の高い水温のタイプとボーリングの孔底部相当 (深度49～70m) を起源とする低い水温のタイプがある。3) 斜面崩壊のクリープ的な前兆変位は地下水脈が関連すると考えている。

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地すべりによる造波の有限要素法解析

張馳, 岩堀康希, 吉松弘行, 阿部真郎

2004 年 40 巻 6 号 p. 484-494
発行日: 2004/03/25
公開日: 2010/06/28

DOIhttps://doi.org/10.3313/jls.40.6_484

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地すべり土塊の貯水池への突入によって波が発生し, きわめて大きな災害をもたらすことが報告されている。これら災害を予測するための数値解析手法では地すべり突入速度と貯水池の流体との衝撃・摩擦抗力が考慮されていない。そこで, 本稿ではこれら地すべりの突入による形状衝撃, 界面摩擦による造波現象及び斜面遡上現象を予測するため有限要素法の数値解析を行い, その解析手法の有効性を検討した。解析に用いる要素は水深を解とした適合分割法を用いて分割を行い計算精度の向上を確認した。また本手法を用いて, ダム貯水池周辺の地すべりが発生した場合に起こる造波をシミュレーションし, ダムと貯水池周辺の造波による影響を検討した。その結果, 複雑な地形を有する貯水池においてもより現実的な造波解析が可能となった。

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急崖斜面における大岩塊の落下機構の調査と数値解析

松本司, 山口薫, 倉岡千郎, 藤原一啓, 小野慎吾

2004 年 40 巻 6 号 p. 495-504
発行日: 2004/03/25
公開日: 2010/06/28

DOIhttps://doi.org/10.3313/jls.40.6_495

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本稿では, 高さ50m急崖の上部に形成された大きな不安定岩魂の対策検討を目的として落石挙動の調査と予測解析を行った結果について述べる。過去の落石記録によれば, 落石及び斜面の形状が落石の経路, 跳躍量, 速度などに対する影響が支配的であると考えられ, 形状効果を反映させることのできる個別要素法 (DEM) を用いて数値解析を行った。その結果, 落石形状や大きさに応じた停止位置や速度を推定でき, 合理的な対策検討の参考となることが示された。

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すべり面粘土の帯磁率異方性と微細組織

川村喜一郎, 大八木規夫, 北原哲郎

2004 年 40 巻 6 号 p. 505-508
発行日: 2004/03/25
公開日: 2010/06/28

DOIhttps://doi.org/10.3313/jls.40.6_505

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すべり面粘土は, すべり面方向に粒子が配列していると考えられ, その配列方向が迅速にわかれば, すべり面を推定するための有用な情報となる。本論では, 帯磁率異方性測定と微細組織観察を行い, 帯磁率異方性がすべり面粘土の粒子配列の迅速な測定方法であることを報告する.

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GPSによる大所地すべりの観測

針生眞也, 三石晋, 三浦路子, 白石秀一, 五十嵐正信, 小林健一

2004 年 40 巻 6 号 p. 509-512
発行日: 2004/03/25
公開日: 2010/06/28

DOIhttps://doi.org/10.3313/jls.40.6_509

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大規模地すべりの地下水流動特性その2

山形県最上郡平根地すべりでの解析例

相楽渉, 佐藤修, 丸井英明, 佐藤一幸

2004 年 40 巻 6 号 p. 513-518
発行日: 2004/03/25
公開日: 2010/06/28

DOIhttps://doi.org/10.3313/jls.40.6_513

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2002年4月に発生した白神山地・向白神岳北西面の岩盤斜面崩壊とその前兆としてのサギング地形

八木浩司, 檜垣大助, 牧田肇, 神林友弘, 大友幸子, 井口隆

2004 年 40 巻 6 号 p. 519-523
発行日: 2004/03/25
公開日: 2010/06/28

DOIhttps://doi.org/10.3313/jls.40.6_519

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2004年一般国道336号えりも町斜面崩壊

伊東佳彦, 日外勝仁

2004 年 40 巻 6 号 p. 524
発行日: 2004/03/25
公開日: 2010/06/28

DOIhttps://doi.org/10.3313/jls.40.6_524

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日本・タイ国共同プロジェクト: タイ国における地すべり災害の研究と地図化に関する共同プロジェクトの概要とその意義

宮城豊彦, Aniruth Potichan, Anukul Suchinai

2004 年 40 巻 6 号 p. 525-527
発行日: 2004/03/25
公開日: 2010/06/28

DOIhttps://doi.org/10.3313/jls.40.6_525

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地すべり解析における有限要素法の利用第7回

2.FEMによる地すべり解析の基礎理論

若井明彦

2004 年 40 巻 6 号 p. 528-530
発行日: 2004/03/25
公開日: 2010/06/28

DOIhttps://doi.org/10.3313/jls.40.6_528

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目で見るすべり面シリーズ-12-

風化黒色泥岩に形成したすべり面 (新潟県東野名地すべりの例)

福本安正, 五十嵐裕介

2004 年 40 巻 6 号 p. 531-533
発行日: 2004/03/25
公開日: 2010/06/28

DOIhttps://doi.org/10.3313/jls.40.6_531

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ニュース

2004 年 40 巻 6 号 p. plate1-plate2
発行日: 2004/03/25
公開日: 2010/06/28

DOIhttps://doi.org/10.3313/jls.40.6_plate1

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