近年, 温室効果ガスの排出量の増加に起因した気候変動の影響とみられる大雨の増加などが顕在化しており, 今後も拡大する恐れがあるといわれている。これに伴って, 将来, 土砂崩壊が増加すると考えられる。このような環境変化への対応策を検討するためには, 土砂崩壊発生数の将来変化の定量的な評価が必要となる。そこで, 秋田新幹線区間を対象として, 気候モデルのRCP8.5シナリオに基づく数値実験による21世紀末の降水予測結果を用いて, 将来気候下での土砂崩壊発生数を評価した。その結果, 土砂崩壊発生数は, 平均で現在の約2.2倍となることがわかった。
高速道路では、グラウンドアンカーの緊張力管理としてアンカー荷重計が多く用いられているが、経年劣化や落雷などにより計測不能となるケースが後を絶たない。そこで故障したアンカー荷重計において緊張力を保持したままで再生する技術を開発した。本文では、この技術について紹介し、実際に現場で取得できた緊張力データについて考察するとともに、グラウンドアンカーの継続的な緊張力管理の展望を示す。
新潟県十日町市儀明 (ぎみょう) 地区にあるライナープレート製の集水井は, 完成から50年以上が経過し, ライナープレートの腐食・破損が著しい。そのため, 令和元年から2年にかけて砂防設備等緊急改築事業 (地すべり) による改築工事を行った。改築にあたっては, 近隣における新たな集水井の設置ではなく, 既設のライナープレート製の集水井をコンクリート製のセグメントブロックによる外巻工法で改築することとした。既設の集水ボーリングを活用できる利点がある。