近年,わが国において急性血液浄化法は急速に普及してきた。しかし,全国調査がないため,現状は不明であった。日本急性血液浄化学会サーベイ委員会は2005年の全国調査を実施した。対象施設において2005年1年間に9,795例11,623の血液浄化法が実施されていた。CRRT(CHDF/CHF/HD)が65.9%を占めていた。また,適応疾患は,急性腎不全,敗血症および多臓器不全が多い事がわかった。第2回の調査では,さらに,信頼性の向上を目指し,200床以上かつICUを有する病院に限り調査を実施した。2009年で2,010例2,561の血液浄化法であった。CRRTは53.0%であった。適応疾患は,敗血症,急性腎不全,多臓器不全の順であった。生存率が最も悪いのは多臓器不全で,敗血症,急性電解質異常,重症急性膵炎,急性肝不全の順であった。今回の調査で,多臓器不全と敗血症の予後が悪く,今後の検討課題として注目された。
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