家族性腫瘍
Online ISSN : 2189-6674
Print ISSN : 1346-1052
10 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
特集:遺伝性腫瘍の遺伝子診断:研究から診療への課題
  • 菅野 康吉
    2010 年10 巻2 号 p. 53-
    発行日: 2010年
    公開日: 2018/12/11
    ジャーナル オープンアクセス
  • 菅野 康吉
    2010 年10 巻2 号 p. 54-58
    発行日: 2010年
    公開日: 2018/12/11
    ジャーナル オープンアクセス
  • 脇屋 滋子, 内野 眞也, 渡邊 陽子, 伊藤 亜希子, 首藤 茂, 野口 志郎
    2010 年10 巻2 号 p. 59-64
    発行日: 2010年
    公開日: 2018/12/11
    ジャーナル オープンアクセス
    当野口病院では1994 年より甲状腺髄様癌患者におけるRET遺伝子診断を導入し,2009 年までに発端者と血縁者を併せて213 例にRET遺伝子診断を実施した.RET遺伝子診断は甲状腺髄様癌の診断・治療方針の決定において欠かせない検査法であることは多くの論文において実証されてきた.しかし,これまで本邦において保険収載へのアプローチはなされないままであった.そこで今回我々は,「甲状腺髄様癌におけるRET 遺伝子診断」を新規技術の先進医療として厚生労働省へ申請を行い,2008 年8 月末に承認され,運用を開始した.今後は,データの蓄積をはかり,厚生労働省への報告を行って保険収載を実現させていきたい.
  • 牛尼 美年子, 菅野 康吉, 鈴木 茂伸, 坂本 裕美, 吉田 輝彦
    2010 年10 巻2 号 p. 65-70
    発行日: 2010年
    公開日: 2018/12/11
    ジャーナル オープンアクセス
    小児悪性腫瘍の網膜芽細胞腫には両眼性と片眼性があり,生殖細胞系列の遺伝学的検査として染色体検査あるいはFISH 検査が保険適応となっている.国立がん研究センター中央病院には全国の約半数の患者が受診することより遺伝子診断の必要性が高く,1998 年に遺伝相談外来が開設されてから,発端者88 症例,血縁者74 例についてRB1遺伝子の解析を実施した.1)genomic DNA のdHPLC およびdirect sequencing,2)RT-PCR 産物のdirect sequencing,3)MLPA,4)FISH を組み合わせた結果,発端者の変異検出率は,家族歴陽性網膜芽細胞腫あるいは両眼発症例では93 %(60 症例中56 例),散発性の片眼性症例では11 %(28 症例中3 例)であった.従来のFISH 検査に各種遺伝子検査を組み合わせることにより遺伝子検査の感度が大きく改善され,家族歴のない片眼性発症例のリスク評価や,遺伝性網膜芽細胞腫のキャリアの診断などが可能となることから,早期診断・早期治療による患者および血縁者のQOL 向上への貢献が期待され,先進医療として申請した.
総説
  • 佐谷 秀行
    2010 年10 巻2 号 p. 71-74
    発行日: 2010年
    公開日: 2018/12/11
    ジャーナル オープンアクセス
    上皮性癌細胞の浸潤,転移は細胞が原発巣の母集団から離れ,周囲組織へ浸潤することから始まる.この過程には,上皮細胞がその上皮としての性質を喪失し,間葉系細胞のように振る舞うこと,いわゆる上皮間葉転換(epithelial-to-mesenchymal transition: EMT)と呼ばれる現象が生じていることが明らかになってきた.EMT は癌細胞そのもののシグナルの変化のみならず,周囲の環境変化によって誘導され,浸潤・転移を引き起こすメカニズムに対する考え方が大きく変化してきている.また,肺線維症・肝硬変・腎線維症・網膜増殖性疾患など各種臓器の線維化の発症にもEMT が関与していることが知られている.さらに,家族性腫瘍疾患の一つである神経線維腫症1 型における多発性神経線維腫の形成にも,EMT が関わっていることがわかってきた.EMT を抑制する薬剤は,さまざまな難治性疾患の新たな治療戦略として有望である.
解説
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