家族性大腸腺腫症は,常染色体優性遺伝を示す遺伝性腫瘍性疾患であり,主たる原因遺伝子は第5 染色体上の
APC 遺伝子である.本症にみられるポリープは癌化が高率であり生涯癌化率は95 %を越える.しかし,ポリープ数,癌化年齢,進行度などの表現型は一定ではなく,ある程度,遺伝子型の違いに対応することが明らかになりつつある.そして,遺伝子型は,術式の選択,手術時期の選択にも有用であるとの推測がなされている.遺伝子診断を目的に東北家族性腫瘍研究会に登録された家族性大腸腺腫症45 家系の検討を行った.
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