家族性腫瘍
Online ISSN : 2189-6674
Print ISSN : 1346-1052
13 巻, 2 号
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原著
  • 稲見 薫, 武田 祐子
    2013 年13 巻2 号 p. 39-43
    発行日: 2013年
    公開日: 2018/12/15
    ジャーナル オープンアクセス
    家族性大腸腺腫症患者6 人を対象に就学・就労・結婚・挙児というライフイベントにおける体験を調査した.その結果,治療開始による学生生活への影響,職業の選択・就職活動・出世や部署異動の際の就労への影響,パートナーとの関係で疾患が与える影響への懸念が示された.挙児希望に対する直接的影響はみられなかったが,子どもの成長とともに遺伝に対する心配は強くなっていた.ライフイベントは家系員の罹患経過および自身の身体状況とともに疾患の受け止めに影響しており,医療者は積極的にその体験に目を向け,ともに対応策を検討していく必要性があると思われる.
特集:遺伝性乳がん卵巣がんの現状−問題点と展望
  • 三木 義男
    2013 年13 巻2 号 p. 44-
    発行日: 2013年
    公開日: 2018/12/15
    ジャーナル オープンアクセス
  • 山内 英子
    2013 年13 巻2 号 p. 45-48
    発行日: 2013年
    公開日: 2018/12/15
    ジャーナル オープンアクセス
  • 白山 裕子, 松元 隆, 増田 春菜, 大住 省三
    2013 年13 巻2 号 p. 49-51
    発行日: 2013年
    公開日: 2018/12/15
    ジャーナル オープンアクセス
    遺伝性乳がん・卵巣がん(HBOC)の原因遺伝子はBRCA1BRCA2 であり,病的変異を有すると乳がんに罹患する頻度は50 〜80 %,卵巣がんは10 〜40 %とされている.今回,乳がん罹患後に卵巣がん・腹膜がんを発症した7 症例の臨床的事項を検討し,HBOC が疑われる症例におけるサーベイランスについて考察した.乳がん発症から卵巣がん・腹膜がん・卵管がん発症までの期間は4 〜14 年であった.また診断時の臨床進行期はIIIc 期5 例,IV 期2 例と全例進行がんであり,卵巣がん・腹膜がんが発見された契機は,自覚症状なくフォローアップの画像診断であったのが2 例,腹部症状の出現であったのが5 例であった.HBOC が疑われる症例においてCT 等の画像診断を用いたサーベイランスだけでは卵巣がん・腹膜がんの早期発見はやはり困難と思われた.乳がん発症から卵巣がん・腹膜がん発症までの期間が長いことから,詳細な家族歴聴取を再度行うことで改めてリスクの高い患者,家族のピックアップに役立つと考えられた.
  • 新井 正美, 岩瀬 春子, 岩瀬 拓士, 古田 玲子, 本山 悌一, 石川 雄一, 芦原 有美, 喜多 瑞穂, 滝澤 憲, 竹島 信宏
    2013 年13 巻2 号 p. 52-58
    発行日: 2013年
    公開日: 2018/12/15
    ジャーナル オープンアクセス
    BRCA1 あるいはBRCA2 に病的変異を有する遺伝性乳癌卵巣癌 (HBOC)では,乳癌および卵巣癌の生涯罹患リスクがそれぞれ45 〜65%,11 〜39 %と高いため,これらの癌への対策が必要である.わが国では,これまでほとんどのHBOC 症例に対して計画的なサーベイランスが行われてきた.一方,海外ではこのほかにリスク低減のための予防的外科治療も実施されている.リスク低減卵巣卵管切除術(RRSO)は卵巣癌のみならず,乳癌の発症予防効果も認められている.さらに総死亡率の低下も報告されていることから,わが国でも選択肢の一つとして実施可能な体制を整備することが望まれる.今回,当院でRRSO を実施するに当たり,院内ワーキンググループでの検討から,長期生命予後および有害事象の有無を評価する臨床試験として実施することで,施設内倫理審査委員会で承認を受け体制を整えた.今後,RRSO の先進医療の申請を検討している.
  • 戸崎 光宏
    2013 年13 巻2 号 p. 59-62
    発行日: 2013年
    公開日: 2018/12/15
    ジャーナル オープンアクセス
    日本での遺伝性乳がん・卵巣がんに関する調査は,欧米やアジアの中でもすでに大幅な後れをとっている.しかし,海外でのデータを詳細に検証することで,遅れてスタートすることが効率の面からは逆に利点と捉えることもできる.そして,解決すべき問題がピンポイントに見えてきていることも事実である.欧米ではハイリスク症例に対してすいでにMRI スクリーニングが推奨されている.日本においてもBRCA1 およびBRCA2 変異陽性症例(ハイリスク症例)に対するMRI スクリーニングの有用性の検証が必須であることを認識した上で,MRI 以外の新たな画像診断技術を付加することの可能性を検討する必要がある.さらに,MRI ガイド下生検や乳房MRI の読影方法の教育も急務である.
解説
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