家族性腫瘍
Online ISSN : 2189-6674
Print ISSN : 1346-1052
18 巻, 2 号
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特集:遺伝性腫瘍診療を支えるFCC 人材の現状と課題
症例報告
  • 清水口 涼子, 藤原 崇, 堀口 慎一郎, 小泉 浩一, 門馬 久美子, 荒川 丈夫, 藤原 純子, 大西 知子, 田畑 拓久, 柴田 理美 ...
    2018 年 18 巻 2 号 p. 37-41
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
    ジャーナル オープンアクセス
    症例は28 歳の男性で,13 歳時にPeutz-Jeghers 症候群(PJS)と診断され,以降定期的に消化管のサーベイランスを行ってきた.内視鏡検査で①前庭部小彎に約30㎜大の0-I 型病変,②胃体下部大彎に約25㎜大の0-Ⅰ型病変を認めた.両病変ともに狭帯域光併用拡大内視鏡観察や生検で悪性所見を認めなかったが,増大傾向にあることから,内視鏡的粘膜下層剥離術により一括切除した.病理組織学的検査では,病変①の表面は過誤腫成分のみであったが,内部は過誤腫成分に腺癌の成分が混在していた.また,病変②の表面は過誤腫成分と腺癌の成分が混在していた.以上より,両病変ともPeutz-Jeghers ポリープ(PJ ポリープ)に発生した腺癌と診断した.PJS の胃のPJ ポリープに発生する胃癌は,生検で癌の診断が困難な場合があるため,増大傾向で特に腫瘍径が20㎜を超える場合には,内視鏡的切除を考慮するべきと考える.
解説
  • 中田 はる佳, 高島 響子, 吉田 幸恵, 永井 亜貴子, 平沢 晃
    2018 年 18 巻 2 号 p. 42-47
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
    ジャーナル オープンアクセス
    日本の状況に合わせた遺伝情報を含めた医療情報の利活用を支える法的・社会的基盤を整備するためには,まず医療情報の利活用先進国における,それらに関連する政策動向を明らかにすることが重要である.本研究では,がんゲノム医療との関連を見据えつつ,医療情報の利活用が進むフィンランドを参考として,日本で検討すべき課題を抽出し,今後の方針を検討することを目的として現地調査を行った.中でも,ゲノム法や社会健康情報の二次利用に関する法制定準備,FinnGen プロジェクトなどが注目すべき事項であった.日本への示唆として,既存の研究基盤の再活用,医療情報の二次利用を適正化するためのバイオバンク同意の積極的な活用と法的裏付けの検討,医療と研究の試料・情報を結び付けるID 制度の仕組みなどが挙げられた.今後,がんゲノム医療の実装が進められている米国の状況なども調査し,日本のがんゲノム医療に資する法的・社会的基盤を検討していく必要がある.
編集後記
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