NTT東日本首都圏健康管理センタにおいて従来より行われていた胃癌検診 (主体は40才以上の偶数年令間接胃レントゲン検査) に異時併用法として血清ペプシノゲン法を追加し, その有用性を検討した。対象社員は98年度, 99年度, 00年度に本センタの定期健康診断を受けた47才, 53才の7,557名 (男性6,787名, 女性770名)である。PGI≦50 (ng/ml) かつI/II≦3.0を要精検とし, 内視鏡検査をおこなった。発見胃癌数は13例で, 癌発見率は0.17%であった。一方, 同時期に施行された間接胃レントゲン検査件数は44, 338件で, 発見胃癌は37例であり, 癌発見率は0.08%であった。間接胃レントゲン検査に比較して血清ペプシノゲン法は高率に胃癌発見の契機となり, しかも前年にレントゲン検査でスクリーニングされている集団からも多くの胃癌が発見された。両検査を併用することにより, 互いの利点を生かし, 欠点を補い, 効率良く胃癌を発見可能にすると考えられた。
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