日本消化器集団検診学会雑誌
Online ISSN : 2186-7321
Print ISSN : 1345-4110
ISSN-L : 1345-4110
39 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 従来法との比較
    野口 哲也, 今野 豊, 島田 剛延, 阿部 慎哉, 渋谷 大助
    2001 年 39 巻 1 号 p. 5-14
    発行日: 2001/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    高濃度バリウムを用いた二重造影を主体とした撮影法の有効性に関して数多くの報告がなされている。当センターにおいても, 高濃度バリウムを用いた新撮影法について, 検討を行い胃集検に導入可能と判断し平成10年度より, 採用した。平成8年度 (120W/V%200mlによる充盈法を含む従来法) と平成10年度 (180W/V%120ml新撮影法) の検診成績において, 平成10年度では早期癌率が上昇し, 特にM領域において顕著であった。示現率においても, 早期癌が向上し, 陥凹型, U, M領域において上昇していた。示現例における正診率では, 平成8年度に比較し, 大きな差は認められないが, 示現例における進行癌のU領域において, 正診率の低下を認め, いずれも前壁, 小弯病変が多く, 早期類似進行癌が半数を占めた。新撮影法では, バリウムの付着性が向上しており, その特徴をふまえた注意深い読影が重要と思われる。
  • 山田 弘徳, 小川 英風, 大塚 誉子, 高木 直行, 池延 東男, 丸山 雅一, 市川 平三郎
    2001 年 39 巻 1 号 p. 15-23
    発行日: 2001/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    1990~99年までに当施設で発見された大腸sm癌47例とsmと診断されたm癌4例の51例を対象とした。ルーチン注腸X緑検査 (BE)(37例) の癌存在診断能, 大腸内視鏡検査 (CF) と精密BE (41例) のm, smlとsm2, 3の深達度診断能を検討した。1) 見直しでルーチンBEの描出率は89.2%, 見落とし率8.1%, 感度81.1%であった。2) 深達度診断的中率はBE61.0%, CF61.0%で, 両者正53.7%, 両者誤31: 7%であった。3) 肉眼型別的中率では, 隆起型 (Is) でBE (70%) がCF (50%) より高く, 表面陥凹型 (IIc, IIc+IIa) で, CF (66.7%, 60%) がBE (33.3%, 40%) より高かった。表面隆起型 (IIa) では両者とも低かった (各々50%)。4) 部位別的中率では, 盲腸, 上行・下行結腸で両者とも高く (各々75%, 100%), 横行結腸で両者とも低かった (各々20%) 。S状結腸でBE50%, CF57.1%, 直腸ではBE69: 2%, CF61.5%であった。5) 大きさ別では, 10mm以下で両者とも低かった。6) 深達度診断誤りの理由は, BEでは側面変形の判断の誤り, 陥凹有無の判断の誤りなどで, CFでは病変口側の観察困難, 陥凹有無の判断の誤りなどであった。大腸sm癌におけるBEの深達度診断能はCFと同等であり, 診断能の向上には両者ともに不可欠で両者の併用が必要と考えられた。
  • 萩原 常夫, 倉石 政彦, 広瀬 朝子, 平野 邦弘
    2001 年 39 巻 1 号 p. 24-32
    発行日: 2001/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    いわゆる高濃度低粍性硫酸バリウム造影剤が, 胃ルーチン検査において著しい普及を見せている。多くの報告で肯定的に述べられているように, 従来品に比べて付着が良く, 造影画像のコントラストが高いからである。が, この種の製品を使いさえすれば自動的に成績が向上するわけではない。高濃度使用では胃粘液や気泡等の障害要因が多く, ローリングによって粘液を除去して初めて付着性を活かすことができる。低濃度で使えば一般的には付着性が低くなるが, 飲みやすいという利点があり, 移動性が高いのでローリングの技術が生きてくる。ローリングの重要性を認識し, それぞれの使用方法の利点と欠点をともに把握して検査に当たることで, 製品の性能を最大限に発揮することができる。
  • 北澤 幸夫
    2001 年 39 巻 1 号 p. 33-37
    発行日: 2001/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    郵送された便で免疫学的便潜血反応による大腸検診を29,950名に行い, 2回陽性 (±を含む) の場合, 平成9年度以後痔出血時, 便秘, 月経前後の採便かを調査し, それらが無ければ要精密, あれば3回目の検便を行い, 陽性は要精密, 陰性は要観察とした。精密検診の結果は進行癌25名, 早期癌35名, 大腸ポリープ255名, 正常141名であった。2回以上陽性で1回でも廾ならば, 殆どの進行癌, 早期癌の2/3, 大腸ポリープの1/2, 正常の1/3も診断した。他の陽性形式でも早期癌の1/3, 大腸ポリープの1/2が診断されるので要精密とする。しかし, ± ・±では早期癌の1例 (2.9%) が診断されたにすぎないので要精密としない。要精密率は激減し0.87%となったが, 大腸癌発見率 (0.15%) は8年度迄の0.22%間に有意差は無く, 全国集計の職域発見率より高い。また, 大腸癌の過去の検便成績は陽性率 (25.0%) が低く, 進行癌では初回受診 (63.6%) が多い。また, 別に75,094名について偽陰性率を調べたが, 受診群 (24,059名), 非受診群 (51,035名) とも大腸癌の診断率は同率 (0.04%) で, 1日法の偽陰性率は44.4%であった。
  • 奥嶋 一武, 芳野 純治, 乾 和郎, 三好 広尚, 中村 雄太, 中澤 三郎, 廣瀬 光彦, 岩間 浩美, 小島 洋彦, 山田 一成
    2001 年 39 巻 1 号 p. 38-43
    発行日: 2001/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    胆嚢癌および膵癌における超音波集検の意義について検討した。当科で経験した胆嚢癌50例中集検例は9例(18.0%), 非集検例は41例 (82.0%) であった。集検例はStage IV 22.2%, 切除率100%, 非集検例はStage IV31.7%, 除率80.1%であった。集検の胆嚢癌発見率は0.006% (4/70,726例) で, StageIが75.0%を占めた。当科で経験した膵癌72例中集検例は3例(4.2%), 非集検例は69例 (95.8%)であった。集検例はStage IV0%, 切除率100%, 非集検例はStage IV72.5%, 切除率40.6%であった。集検の膵癌発見率は0.006%(4/70,726例)で, 50.0%がStage Iであった。集検のUSで膵癌疑いの症例は2.1%(574/27,770例)で, このうち膵癌は0.35% (2/574例)であった。血清アミラーゼ異常値例は0.76%(210/27,770例)で, このなかに膵癌はなかった。集検は救命可能な胆嚢癌, 膵癌の発見に有意義である。しかし, 膵癌の偽陽性を減らすため超音波所見の判定基準について検討が必要である。
  • 古賀 充, 池田 敏, 岩崎 政明, 小野 良樹, 北川 晋二, 瀬川 昂生, 深尾 彰, 細井 董三, 宮川 国久, 吉川 邦生, 吉田 ...
    2001 年 39 巻 1 号 p. 44-63
    発行日: 2001/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 39 巻 1 号 p. 64-71
    発行日: 2001/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
feedback
Top