日本消化器集団検診学会雑誌
Online ISSN : 2186-7321
Print ISSN : 1345-4110
ISSN-L : 1345-4110
40 巻, 1 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 伊藤 高広, 松尾 祥弘, 大石 元, 平井都 始子, 玉本 哲郎, 浅川 勇雄, 岩井 智郎, 松本 篤, 中西 攝子, 吉本 正伸, 高 ...
    2002 年40 巻1 号 p. 5-10
    発行日: 2002/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    間接X線胃集検の精密検査施設における一つのモデルケースとして, 当科では要精査例を管理し, 症例に応じて治療・経過観察を行う胃集検登録制度を1973年9月より採用し, 食道・胃同時精検により登録患者4648名中表在癌13例を含む食道癌15症例 (0.32%) を発見した。男女比は11:4, 平均年齢は69.8歳 (57-86歳), 平均観察期間は10年 (1年5カ月-26年7カ月) で, 重複癌は肺癌2例, 胃癌1例 (登録による胃癌発見後9年目に食道癌発見) であった。進行癌2例, 表在癌5例に手術, 他の表在癌8例中5例にEMR, 1例に放射線治療, 2例にEMRと放射線治療を併用した。EMRを施行した7例を含めて表在癌10例が2001年7月現在無再発生存中である。胃集検登録制度における食道・胃同時精検により, 飲酒・喫煙歴のない女性, 早期胃癌術後例を含めて高率に食道表在癌を発見でき, 多くの症例で低侵襲治療が可能であった。
  • 守田 万寿夫
    2002 年40 巻1 号 p. 11-19
    発行日: 2002/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    富山県内で実施される職域検診受診者を対象に, X線, PG同時併用による胃がん検診を実施した。X線は間接または直接造影法で実施した。PGはIRMA法にて測定し, スクリーニング基準をPGI≦70ng/mlかつPGI/PG II比≦3.0とした。X線またはPGで要精検とされた者全てに精検を勧奨した。対象者5,567名中過去3年間の胃がん検診受診割合は88.5%であった。要精検率はX線11.7%, PG23.6%, X線またはPG31.9%, 精検受診率はX線, PGともに要精検63.3%, X線のみ要精検55.4%, PGのみ要精検51.9%であった。発見胃がん症例数は10名であり, 3名はX線PGともに要精検, 7名はPGのみ要精検であった。早期がんは9名, 進行がんは1名であった。陽性反応適中度はX線0.8%, PG1.4%, 胃がん発見率はX線0.05%, PGO.18%であった。
  • 松本 純一, 荒井 泰道, 矢作 和也, 橋本 良明, 増田 淳
    2002 年40 巻1 号 p. 20-27
    発行日: 2002/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    外来, ドック, 集検等で発見され, 術前に血清ペプシノゲン (以下PG) 値を測定した胃癌100例を対象に, PG法陰性癌, 特にPG法陰性進行癌について特徴及び対策を検討した。対象は男性75例, 女性25例で, PG法陰性癌38例 (38%) うち早期癌22例, 進行癌16例, PG法陽性癌62例(62%)うち早期癌31例, 進行癌31例であった。PG法陰性進行癌の特徴は(1)陽性癌と比較してやや若年傾向,(2)女性の比率がやや高い,(3)C領域が少ない,(4)隆起型がない,(5)未分化癌の割合が高い,(6)Stage分類ではStage IbからIVbまで比較的均等に分布する等であった。組織学的にはpor 1, por 2は早期癌に比べ進行癌でPG法陽性率が増加し, 進行癌ではsig, mucがPG法陰性となる頻度が高かった。自覚症状有りは, 進行癌が早期癌に比べ明らかに頻度が高かったが, PG法陰性進行癌に特有の症状はない。受診方法ではドック・検診群が外来群よりPG法陽性率が高かった。PG法陰性進行癌をみおとさないための対策としては, 有症状者においてPG法のみでスクリーニングすべきでなく, 検診レベルよりも一般診療を受けるようすすめるべきであると考えられる。また胃癌検診のスクリーニングとしては何らかの方法でX線検査法との併用が必要と思われた。
  • 家守 光雄, 北川 晋二, 中村 裕一, 増田 信生, 高宮 紘士, 大串 秀明, 北野 亀三郎, 古賀 安彦, 高山 武彦, 田中 啓二, ...
    2002 年40 巻1 号 p. 28-35
    発行日: 2002/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    福岡市医師会大腸がん検診において, 平成7年度から11年度の5年間に発見された大腸ポリープ症例2,622例に対してアンケート調査を行い, 検診発見腺腫の取り扱いについて検討した。大きさ5mm以下の微小病変は, 担癌率が0.9%と低く, sm癌の割合も0.2%と少なかったため, sm浸潤が疑われる表面陥凹型以外は摘除の対象外であると考えられた。しかし実際の臨床の場では5mm以下の病変も少なからず摘除されており, さらなる啓蒙が必要である。大きさ6~10mmの病変では, 担癌率は6.8%と明らかに上昇し, sm浸潤率も高かった。摘除を考慮した方がよいが, 比較的径が小さく, 生検で異型度の低いものは経過観察にまわすのも一つの選択肢であろう。大きさが10mmを超えると担癌率, sm浸潤率ともに一層高くなり, sm癌が早期癌の半数以上を占めていた。摘除をはじめ何らかの適切な治療を講じるべきである。検診発見腺腫のサーベイランスは, 見逃し例を含めて初回のサーベイランスで発見される癌が少なくないことから, 必ず1回は行うこと, できれば初回精検から1年後には行うことが望ましいと考えられた。
  • 東海・北陸地域におけるアンケート調査より
    西川 孝, 川地 俊明, 吉村 平, 岡村 正造, 曽根 康博, 秋山 俊夫
    2002 年40 巻1 号 p. 36-42
    発行日: 2002/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    我々が東海・北陸地域で行った間接胃集検に関するアンケートの結果、バリウム濃度は75施設中42.5%の施設が181%w/v以上の高濃度バリウムを使用していた。読影医の89名中51.7%は高濃度バリウムが良いとしており, 使用バリウム量は150cc以上が50%であった。撮影フィルム枚数は63.8%の施設が本学会勧告の7枚法を採択しており, 読影医も51.1%が最低7枚は必要と回答していた。充盈像に関する設問では, 技師で38.3%, 読影医で55.1%が立位・腹臥位の両充盈像を必要としており, 充盈像を不要した回答は技師19.1%, 読影医9.0%であった。有所見時の追加撮影は,技師・読影医ともに97.8%が必要としていた。所見レポートの作成・提出を行っている施設は31.9%であるのに対し, 85.6%の読影医が所見レポートの提出を望んでいた。技師がフィルム読影検討会や症例検討会に出席している施設は全体の51.1%であった。今回得られた結果は全国の平均的な傾向を示しているものと推察される。
  • 羽生 大記, 水間 美宏
    2002 年40 巻1 号 p. 43-48
    発行日: 2002/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    平成12年6月本学会近畿支部超音波部会が発足した。現時点で会員数は個人会員171名, 施設会員8施設で, 個人会員の内訳は臨床検査技師126名, 放射線技師16名, 医師29名である。会員数の府県格差が大きく (大阪が多い), 今後の課題である。活動の中心は, 年1回の学術集会と研修会である。これまでに, 学術集会2回, 研修会1回を開催した。いずれもの多くの参加者があり, 順調な滑り出しと考えている。今後とも会員のニーズに応えた企画で定着を図りたい。当支部の現状を調査する目的で腹部超音波検診に携わっている施設にアンケート調査を実施した。結果として, 超音波の手技, 精度管理, 技師教育などに関して施設問での差異が大きいことが分かり, 地域全体としてのレベルアップに当部会が果たすべき役割が大きいことが確認された。また, 超音波スクリーナー資格制度への期待も大きく当部会も積極的に貢献して行きたいと考えている。
  • 松永 哲夫, 村 俊成, 磨伊 正義
    2002 年40 巻1 号 p. 49-56
    発行日: 2002/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    間接胃集検の癌発見率向上のため, 当協会では平成11年度より高濃度低粘性バリウムの使用, および撮影方法を変更し検診を行ってきた。従来のゾル製剤を使用した平成6年度から平成10年度までの5年間の検診結果と比較検討した。
    撮影法は, 平成10年度以前は, 130w/v%, 200mlのゾル製剤, A-1変法による7枚法 (1. 腹臥位前壁レリーフ, 2. 腹臥位充盈, 3. 背臥位二重造影第一斜位, 4. 背臥位二重造影正面, 5. 半立位背臥位第二斜位, 6. 立位充盈第一斜位, 7. 立位充盈正面)で, 右側臥位より仰臥位の体位変換とした (従来法)。平成11年度は, 200w/v%, 150mlの高濃度低粘性バリウムを使用し, 前壁レリーフ像を前壁二重造影像に変更し, 背臥位第二斜位二重造影像を追加した8枚法とした(新撮影法)。要精検率は, 従来法が13.2%, 新撮影法が11.9%と若干低下したが有意差はなかった。癌発見率はともに0.09%であったが, 早期癌比率は従来法の63.7%に対し86.4%と上昇した。また胃ポリープの発見率が, 従来法0.78%に対し新撮影法1.06%と向上した。また, 腹臥位二重造影像は, レリーフ像と比較し前壁の描出に優れており, 背臥位二重造影第二斜位は体上部小弯の描出に優れ, 早期癌症例の発見があった。高濃度バリウムの使用による癌発見率の上昇はみられなかった。しかし, 早期癌比率, 胃ポリープの発見率の上昇は, 検診精度の向上につながるものと考えられた。
  • 2002 年40 巻1 号 p. 57-76
    発行日: 2002/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
  • 2002 年40 巻1 号 p. 77-83
    発行日: 2002/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
  • 2002 年40 巻1 号 p. 84-93
    発行日: 2002/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
feedback
Top