我々は,過去に工場から発酵過程中の豆鼓(発酵した黒豆)を採取して,その中に存在する乳酸菌叢に関する調査を行った。今回の研究においては,市販の豆鼓31点中の乳酸菌叢の分布に関する調査を行った。その結果,23菌株の酸生産菌が市販の豆鼓から分離された。これらの分離菌株は,形態と16S rDNA RFLP の結果によって6つのグループ(A-F)に分類した。生理及び生化学試験によりホモ発酵型の乳酸菌が最も多く存在していることが分かった。また,
Enterococcus faeciunmの菌数が最も多かった結果は,発酵過程中の乳酸菌叢と同じ結果が得られた。今回の研究結果から,
Ent. faeciumは市販の豆鼓中に存在している乳酸菌であることが分かった。さらに分離した菌株の抗菌活性を測定したところ,2株の
Ent. faeciumが指示菌の
Lactobaeillus saket JCM 1157に対して抗菌活性を持っことが分かった。
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