女性心身医学
Online ISSN : 2189-7980
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27 巻, 3 号
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巻頭言
特集 第50回日本女性心身医学会学術集会・第34回日本女性心身医学会研修会
第50回日本女性心身医学会学術集会
第34回日本女性心身医学会研修会
第50回日本女性心身医学会学術集会
原著
  • 中島 紀江, 楢木 ゆうか, 立石 礼望, 藤田 香奈恵, 松本 美晴, 松尾 和枝, 小崎 智照, 橋口 暢子
    2023 年 27 巻 3 号 p. 295-304
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/07
    ジャーナル フリー

    本研究は,成人女性を対象に,月経周期の各期(卵胞期・黄体期・月経期)の違いにおける下肢のむくみの発生について明らかにすることを目的とした.8名の成人女性を対象に,座位姿勢負荷を行い,その前後に下腿体積,下腿周囲径,下肢・下腿インピーダンス値を測定し,下腿のむくみ感などの主観申告を評価した.座位姿勢負荷にかかわらず,下腿体積は卵胞期より月経期が有意に大きく(p<0.05),下腿周囲径(膝蓋骨中心10 cm下方部位)は卵胞期より黄体期が有意に大きかった(p<0.05).下肢インピーダンス値(20 kHz, 100 kHz)は,卵胞期より黄体期(20 kHz:p<0.05, 100 kHz:p<0.05)および月経期(20 kHz:p<0.01, 100 kHz:p<0.05)が有意に低値であった.下腿のだるさ感,重たさも卵胞期より黄体期,月経期で自覚が強い傾向を示した.以上のことより,黄体期および月経期は卵胞期より下肢に水分が貯留し,形態的に増大すること,また主観的にも下肢のむくみ感が高まることが示され,成人女性の下肢のむくみに月経周期の違いが関連するということが明らかとなった.

  • 甲斐村 美智子, 羽田野 花美, 末永 芳子
    2023 年 27 巻 3 号 p. 305-312
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/07
    ジャーナル フリー

    【目的】看護師における月経随伴症状が労働生産性およびQOLに及ぼす影響について検討する.【方法】2018年11月~2019年3月,A市の6つの医療機関の看護師1,050名を対象に無記名自記式質問票を配付し,郵送法により回収した.調査内容は,属性,月経痛,月経随伴症状,月経周辺期の労働生産性およびQOL等であった.【結果】質問票の回収数は505部(回収率48.1%),有効回答数は484部(有効回答率46.1%)であった.本対象者において,月経周期が不規則な者は135名(28.2%),月経痛に伴う鎮痛剤服用者は338名(70.4%)であった.月経周辺期には469名(98.9%)が何らかの症状を有し,労働パフォーマンスおよびQOLが低下する者はそれぞれ433名(90.2%),453名(94.8%)であった.労働パフォーマンスおよびQOLが普段の半分以下に低下する者はそれぞれ142名(29.6%),209名(43.7%)であり,月経随伴症状が重症になるほどこれらは有意に低下した(ともにp<0.001).【結論】月経随伴症状は,看護師の仕事における労働生産性と日常生活におけるQOLを低下させていた.安全管理の面から,月経周辺期は労働生産性が低下することを職場全体に周知することが必要だと考える.

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