本研究は,0〜3歳の乳幼児をもつ夫婦の家族機能の現状と家族機能からみえる母親,父親への子育て支援の今後のあり方について検討することを目的とした.乳幼児をもつ夫婦363組に質問調査紙726票を配付,246名の回答が有り,分析対象は,夫婦ともに回答のあった母親60名(31.74±3.92歳),父親60名(33.03±4.40歳)とした.方法は,家族機能測定尺度,自尊感情尺度を測定用具として,解析はt検定と相関係数の結果,家族機能の凝集性は,母親39.45±6.52,父親38.28±6.48で,有意差はなく,適応性は,母親30.13±6.32,父親28.50±5.49で,有意差はなかった.家族機能尺度と自尊感情尺度の関連では,母親は,凝集性と適応性に有意な相関がみられ,母親は常に家族の絆と家族の危機への対応能力が同じ方向性へ変化をしていると考えられた.一方,父親は,凝集性と自尊感情に有意な相関がみられ,家族の絆が自分自身の評価を高めることに影響を与えていると考えられた.
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