女性心身医学
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25 巻, 1 号
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巻頭言
原著
  • 魚谷 奈央, 岩井 香奈枝, 吉田 汐里, 森本 瑞希, 宮脇 尚志
    2020 年 25 巻 1 号 p. 11-18
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/02
    ジャーナル フリー

    【目的】我が国では,若年女性のやせの増加に伴い,全ての病型の摂食障害の有病率が増加傾向にある.ボディイメージの歪みは摂食障害に大きく関与するとされている.そこで本研究では,若年および中年女性のボディイメージの歪みとBMI·食事との関連を明らかにすることを目的とした.【方法】京都市内で働く女性111名(20~40歳)を対象とした.Japanese Body Silhouette Scale type-I(J-BSS-I)を用いてボディイメージを測定し,BMIとの関連およびボディイメージの歪みが大きい者の特徴を検討した.摂食態度調査にはEating Attitude Test 26(EAT-26),食事調査には簡易型自記式食事歴法質問票(brief-type self-administered diet history questionnaire:BDHQ)を用いた.【結果】ボディイメージの歪みとBMIは有意な負の相関が認められた(r=−0.400, P<0.001).BMIが20.7 kg/m2を下回るとボディイメージを過大評価していた(AUC=0.661, P=0.006).ボディイメージの歪み高値群は低値群と比べ,洋菓子類の摂取量で有意に高値,揚げ物の摂取量で有意に低値を示し,10代でのダイエット経験がある者の割合が有意に高値を示した.【結論】これらの特徴は,栄養指導においてボディイメージの歪みが大きい者や摂食障害傾向の者を見つけ出す参考となる可能性がある.

研究報告
  • 高橋 恵理子, 関口 由香, 根建 金男
    2020 年 25 巻 1 号 p. 19-25
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/02
    ジャーナル フリー
  • 野田 久美子, 野田 絵莉, 衛藤 遼太, 櫻井 秀彦, 三浦 淳
    2020 年 25 巻 1 号 p. 26-33
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/02
    ジャーナル フリー

    【背景・目的】トランス脂肪酸(TFA)は海外において様々な疾患との関係が示されている.TFAは主に菓子・ファストフード類に使用され,若年層で摂取が多いと予測されるが,彼らの健康への影響は不明である.本研究は若年層における身体症状の有無とTFA摂取量の関係を明らかにすることを目的として行った.【方法】北海道科学大学薬学部新入生(女子)93人を対象に過去1年間のTFAを含むと考えられる食品について摂取量および調査時点での身体症状(月経不順・月経痛・不眠・頭痛・アレルギー・にきび)に関してアンケート調査を行い,視力検査による視力の高低と共に身体疾患の有無によるTFA摂取量の差を比較した.同様に,TFA含有製品に含まれている飽和脂肪酸(SFA),総脂質,炭水化物の摂取量の差も比較した.【結果】回答内容に欠損のない81名において,身体症状の有無による年齢,身長,体重,BMIの平均値に差はなかった.月経痛あり群は月経痛なし群と比較してTFA,SFA,炭水化物,総脂質の摂取量は有意に高かった(TFA, 2.08±1.36 g vs. 1.39±0.99 g, P=0.037;SFA, 61.5±3.99 g vs. 43.2±31.1 g, P=0.048;炭水化物,347±235 g vs. 219±135 g, P=0.040;総脂質,190.1±111.7 g vs. 122.0±87.7 g, P=0.017).また,月経不順あり群は月経不順なし群と比較して総脂質摂取量に対するSFA摂取量の割合が高い傾向にあった(0.400±0.084 vs. 0.350±0.066, P=0.059).視力低下群では正常群と比較して総脂質摂取量に対するTFA摂取量の割合が高い傾向にあった(0.0113±0.0013 vs. 0.0107±0.0011, P=0.053).【考察】若年層においてはTFAの摂取が月経周辺症状や視力に影響している可能性がある.

症例報告
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