土と微生物
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37 巻
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 森 隆
    原稿種別: 本文
    1991 年 37 巻 p. 1-8
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー
    セルロースはグルコースがβ-1,4結合した鎖状高分子で,それらが互いに水素結合し強固な結晶状の束となったものであり,酵素分解に対して極めて強い抵抗性を示す。現在までの所,単独で強い分解力を持った酵素は発見されていず,天然セルロースの分解にはエンド型,及びエキソ型セルラーゼ,β-glucosidase等の諸酵素の相乗作用が必須とされている。(C. thermocellumはそれらすべての酵素を含有した酵素複合体(セルロソーム,ポリセルロソーム)を生成する。これらの複合体並びに粘性物質によって菌体はセルロースへ吸着し,分解産物を無駄なく摂取している。さらに,酵素複合体のセルロースへの吸着を促進する物質(YAS)をも生成している。以上のように,C. thermocellumはセルロースを炭素源として生育するための極めて効率的な酵素系を形成している。
  • 矢部 希見子
    原稿種別: 本文
    1991 年 37 巻 p. 9-14
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー
  • 柘植 尚志
    原稿種別: 本文
    1991 年 37 巻 p. 15-25
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー
    現在までに,7種の、Alternaria属病原菌から,宿主植物にのみ毒性を示す宿主特異的毒素(HST)が検出されている。これら病原菌は,分生胞子などの形態的性状から本来腐生菌であるA. alternataと判定され,その病原型(pathotype)として位置付けられた。これらHSTのうち6例についてはすでに化学構造が決定され,極めて低濃度で宿主選択的な毒性を発揮することが示された。HSTは,菌の胞子発芽時すなわち植物体への侵入前にすでに生産・放出され,その作用によって,菌の感染を誘導することが明らかにされた。このようなHST機能の背景として,それぞれの宿主植物に対する作用機構が検討され,宿主細胞内の第一次作用器官が同定された。ナシ黒斑病菌(AK毒素生産菌)のRFLP分析による個体群中の変異菌系の検出とその地理的分布調査から,本菌個体群構造の解析にRFLPマーカーが有効であることが示された。ナシ黒斑病菌のAK毒素の生合成中間体が同定され,毒素生合成さらに毒素生産性失活現象の代謝レベルでの手がかりが得られた。HST生産性(病原性)遺伝子の単離を目的として,A. alternataにおける形質転換,変異相補による遺伝子単離などの遺伝子操作技術が確立された。
  • 田仲 可昌
    原稿種別: 本文
    1991 年 37 巻 p. 27-36
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー
    細胞性粘菌は土壌中に棲息し,土壌細菌などを餌として2分裂で分裂増殖するべん毛を持たないアメーバ状の単細胞性下等真核生物である。rRNAの配列などの研究から,生物進化のごく初期に分枝したと考えられている。餌がなくなると増殖することを止めて,形態形成を行ないつつ最終的に胞子と柄の細胞にのみ分化するので,生物の発生分化を研究するための良いモデル系となっている。また,最近では,細胞運動や細胞間認識の研究にも使われはじめている。ここでは,まず,この生物の代表種Dictyostelium discoideum(キイロタマホコリカビ)を中心に,無性生殖過程である子実体形成の過程について概説し,有性生殖過程であるマクロシスト形成過程についても述べた。ついで,発生分化を制御している個々の低分子性の因子について説明し,特に胞子発芽阻害因子であるディスカデニンの生合成経路の研究から,植物ホルモンの一種サイトカイニンの生合成経路が明らかになったことを強調した。最後にこの生物における遺伝子操作技術の現状やプラスミドについて簡単に述べた。
  • 矢木 修身, 内山 裕夫
    原稿種別: 本文
    1991 年 37 巻 p. 37-44
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー
    地下水汚染で問題となっているテトラクロロエチレン,トリクロロエチレン,ジクロロエチレン等の揮発性有機塩素化合物の土壌中での分解について検討を加えた。表層土壌はこれらの化合物に対し分解力を有し,嫌気性の高い蓮田土壌はこれらに対し特に強い分解力を有していた。嫌気条件下ではテトラクロロエチレンはトリクロロエチレン,ジクロロエチレンに分解された。一方,土壌中より好気的にトリクロロエチレンを分解する菌を分離した。本菌はメタン資化性菌であり,10ppmのトリクロロエチレンを良く分解すると同時に種々のクロロエチレン,クロロエタンを分解する能力を有していた。
  • 横山 正
    原稿種別: 本文
    1991 年 37 巻 p. 45-
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー
  • 浅沼 修一
    原稿種別: 本文
    1991 年 37 巻 p. 46-
    発行日: 1991/02/01
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー
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