土と微生物
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77 巻, 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 金澤 晋二郎, 横山 和平
    2023 年 77 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2023/04/30
    公開日: 2023/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • 豊田 剛己
    2023 年 77 巻 1 号 p. 6-7
    発行日: 2023/04/30
    公開日: 2023/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • 新宮原 諒, 中島 泰弘, 和穎 朗太
    2023 年 77 巻 1 号 p. 8-17
    発行日: 2023/04/30
    公開日: 2023/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
    N2O 還元は,土壌をはじめとする環境中においてN2O を消費し,温室効果を緩和する代謝過程として重要である。 N2O 還元は脱窒の最終過程として理解されてきた一方で,新たな窒素代謝経路やN2O 還元機能遺伝子の新たな系統分類群(nosZ クレードII)の発見により,N2O 還元を含む窒素循環の描像は変わりつつある。本稿は,既報のレビューに より,土壌試料における総N2O 還元速度の定量手法を相互比較し,N2O 還元を含む窒素代謝経路のフレームワークの 中で整理することを試みた。
  • 伊藤 虹児, 和穎 朗太
    2023 年 77 巻 1 号 p. 18-28
    発行日: 2023/04/30
    公開日: 2023/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
    地球上で屈指の微生物多様性を有する土壌では,土壌微生物群集が物質循環(生物地球化学的サイクル)を駆動し,その活動が植物への養分供給や気候調節といった生態系サービスを可能にしている。これを保全し,精緻に制御・予測するためには,土壌環境と微生物群集を併せた理解が不可欠である。しかしながら,バルク土壌を均質とみなした従来のアプローチでは土壌が本質的に内包する不均質性を見落とす可能性がある。そこで本稿では,先ず土壌環境中の不均質性の源である3 つの重要な要素;固相成分(母材,有機物,有機無機複合体),団粒構造と階層性,土壌孔隙を概説する。次に,これらの要素が生み出す不均質性と土壌細菌群集構造の関係性,また生態学的フレームワークを基にした土壌細菌群集の生態に関する研究例について紹介する。複雑な微生物群集構造と微生物ハビタットとしての微視的土壌環境を高解像度に解析できるようになった現在,土壌の微生物生態および微生物の駆動する陸域の物質循環の理解を格段に深化するチャンスが訪れており,将来的に土壌プロセスの理解の精緻な予測および持続的農業を支える土壌管理への基礎になることが期待できる。
  • 野見山 孝司
    2023 年 77 巻 1 号 p. 29-33
    発行日: 2023/04/30
    公開日: 2023/04/30
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    南九州,沖縄地域での被害発生が地域産業に大きな影響を与えているサツマイモ基腐病の防除を目的として,苗床での土壌還元消毒技術を開発した。基腐病に対する土壌還元消毒試験を実施するに当たり,まず,環境マーカーとして利用できる硝酸塩利用能欠損変異株(nit 変異株)を野生株から作出し,生育や病原性の諸性質を調べ,野生株と同等の菌株を選抜した。また,土壌還元消毒による効果を判定するため,基腐病菌nit 変異株を土壌中から検出できる選択培地として,SPDA 培地に塩素酸カリウム,クロラムフェニコール,PCNB を添加したSPDCA-CP 培地を作製した。室内試験によりnit 変異株を接種した汚染土壌に米ぬかを混和して還元処理し,SPDCA-CP 培地を用いた希釈平板法により消毒効果を評価することで,圃場で土壌還元消毒を実施する際の処理の目安を地温30°C 以上で3 週間とした。宮崎県内の現地苗床において米ぬかを用いた土壌還元消毒の実証試験を行い,汚染苗床での消毒終了後に育苗試験により消毒効果を評価したところ,基腐病の症状は確認されず,土壌還元消毒による防除が有効であることを明らかにした。苗床での土壌還元消毒は化学農薬を用いない環境保全型の土壌消毒技術として今後活用できる。
  • 大久保 智司, 青木 裕一
    2023 年 77 巻 1 号 p. 34-39
    発行日: 2023/04/30
    公開日: 2023/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
    本論文では2021 年11 月より開始した市民参加型の研究プロジェクト「地球冷却微生物を探せ」(https://dsoil.jp/soil-ina-bottle/)を紹介する。近年,研究者と市民が協調して科学研究に取り組む「市民科学」が,立場や背景知識の垣根を超えて社会を共創するための取り組みとして着目され,国内でも急速に普及し始めている。主要な温室効果ガスの1 つである一酸化二窒素(N2O)は農地土壌から多く発生するが,本プロジェクトではそれを削減するため高いN2O 消去能力をもった微生物(= 地球冷却微生物)を見つけ出すことを目的とした。具体的には参加者の身近にある土壌と空気を使って実験をしてもらい,試料を研究機関に集約してN2O 濃度や土壌微生物叢を分析する。得られたデータを手がかりに土壌の中から地球冷却微生物を見つけ出し,N2O 削減のための微生物資材開発を目指す。これまでに日本全国から多数の試料が集まり,それらの土のN2O の放出・吸収速度を測定・比較した。また,土の中に存在する微生物の種類や多様性につ いても明らかになってきたのでデータの解析を進めている。
  • 森本 晶, 伊勢 裕太, 大友 量, 高田 裕介
    2023 年 77 巻 1 号 p. 40-46
    発行日: 2023/04/30
    公開日: 2023/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
    土壌DNA に基づく土壌微生物の解析において,試料間のDNA 抽出効率のばらつきは重要な問題である。本研究では,実用的な土壌DNA 抽出効率の評価法を提示することを目的とした。土壌侵食により不均一な作土が分布する傾斜畑から採取した3 種の黒ボク土試料(H, M, L)についてDNA 抽出条件を最適化するとともに,DNA 抽出効率を評価するために予め土壌に添加したλDNA の回収量をリアルタイムPCRで測定した。市販キットとスキムミルクを組み合わせた条件では3 試料のうち試料L からのDNA 抽出が困難であったが,スキムミルクに替えてカゼインNa を用いることで3 種の試料全てについてDNA 抽出が可能になった。試料H,M,LのDNA 抽出効率はスキムミルク添加条件でそれぞれ30.3%,21.1%,0.001% だったのに対し,カゼインNa 添加条件で29.6%,28.2%,22.6% であった。後者の条件における抽出効率に基づいて補正した土壌DNA 抽出量はそれぞれ24.2,14.7,1.8 μg/乾土だった。本研究で示した方法は,特にDNA抽出効率が異なる土壌における微生物の量的な解析の精度改善に役立つと期待される。
  • 2023 年 77 巻 1 号 p. 47-50
    発行日: 2023/04/30
    公開日: 2023/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
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