牛枝肉格付評価を用いて周年放牧肥育牛と慣行肥育牛の肉質を識別できるかどうかについて検討した.褐 毛和種去勢雄牛の周年放牧肥育牛14 頭(2 等級のみ)と慣行肥育牛計149 頭(2 等級:33 頭,3 等級:89 頭および 4 等級:27 頭)を用いて,牛枝肉格付評価における肉質等級について比較したところ,脂肪交雑等級などの9 項目において,周年放牧肥育牛と慣行肥育牛の各等級間に有意差(
P<0.05)が認められた.また,2 等級同士の比較でも,BMS No.,BCS No. およびBFS No. のいずれの項目においても周年放牧肥育牛と慣行肥育牛に有意差(
P<0.001)が認められ,判別分析による正答率は92.9%であった.これらのことから,生産基準や肉質評価基準などとともに,周年放牧肥育牛を評価する補助的な手段として,現行の牛枝肉格付評価を用いることは可能であることが示唆された.
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