妊娠末期の乳牛を用いて,飼料の主たるデンプン源を圧ぺんトウモロコシまたは破砕玄米とする発
酵TMR を給与し,分娩前の飼料摂取量および消化率ならびに分娩後の泌乳成績に及ぼす影響を検討した.分娩前
のTMR 摂取量には,両区で有意な差は認められなかった.分娩前の乾物(DM), 粗タンパク質(CP),粗脂肪(EE),
中性デタージェント繊維(NDFom)および酸性デタージェント繊維(ADFom)消化率には両区で有意な差は認
められなかった.玄米区における非繊維性炭水化物(NFC)消化率はトウモロコシ区と比較し,有意に(P<0.05)
高かった.分娩3 週間後の乳量ならびに乳タンパク質率,乳脂肪率および乳糖率には,両区で有意な差は認められ
なかった.以上より,分娩前飼料において圧ぺんトウモロコシを破砕玄米で代替しても分娩前の摂取量や分娩後の
泌乳性に明らかな影響を及ぼさないと考えられた.
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