顕微鏡
Online ISSN : 2434-2386
Print ISSN : 1349-0958
54 巻 , 3 号
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特集:電子線照射下における材料挙動
  • 石丸 学
    2019 年 54 巻 3 号 p. 109
    発行日: 2019/12/30
    公開日: 2020/01/09
    ジャーナル 認証あり
  • 安田 和弘, 渡辺 恭志, Seo Pooreun, Bhuian AKM Islam Saiful, 松村 晶, Costantini J ...
    2019 年 54 巻 3 号 p. 110-115
    発行日: 2019/12/30
    公開日: 2020/01/09
    ジャーナル 認証あり

    九州大学の超高圧電子顕微鏡(最高加速電圧1250 kV)に付設したカソードルミネッセンス(CL)測定装置の概要を述べた.本装置は高エネルギー電子を照射しながら,すなわち試料中にフレンケル欠陥を導入しながら,CLスペクトルを「その場」で取得することが可能であり,像観察手法では不可能であった点欠陥の蓄積過程や価数に関する情報を取得することができる.本装置を用いて行ったα-Al2O3,9.5および18 mol% Y2O3を添加した立方晶安定化ジルコニア中の電子照射に伴うFセンターの蓄積過程,ならびにCLスペクトルの電子エネルギー依存性に関する著者らの最近の研究成果を紹介した.

  • 柴山 環樹, 渡辺 精一
    2019 年 54 巻 3 号 p. 116-121
    発行日: 2019/12/30
    公開日: 2020/01/09
    ジャーナル 認証あり

    北海道大学では,超高圧電子顕微鏡が有するポールピース回りの大きな空間と高い透過能や高エネルギー電子により原子の弾き出しが生じる特徴を積極的に利用して,金属の照射損傷の研究を推進してきた.その後,照射損傷の核変換によって生じる元素の中でも特にHeが欠陥形成や成長に及ぼす効果が長らく不明であったことからイオン加速器を連結してイオンとの重畳効果について研究が開始された.これまで進めてきた,高エネルギー電子とイオンの重畳効果に関する研究についてボイドに着目してレビューすると共に,レーザーを増設して高エネルギー電子とイオン及びレーザーの重畳効果をその場観察することが出来る複合量子ビーム超高圧電子顕微鏡を開発したので,その特徴を紹介する.更に,今後応用が期待される研究分野や研究の展開について論じる.

  • 阿部 弘亨, 叶野 翔, 楊 会龍, McGrady J.P., Oh S.R., 保田 英洋, 柴山 環樹
    2019 年 54 巻 3 号 p. 122-125
    発行日: 2019/12/30
    公開日: 2020/01/09
    ジャーナル 認証あり

    超高圧電子顕微鏡技術は,核融合炉材料や原子炉材料などの放射線照射環境にさらされる材料の健全性評価にとって重要な技術である.高温照射環境における構造材料として有望視される,焼き戻しマルテンサイト鋼(F82H鋼)および酸化物分散強化鋼(ODS鋼)を対象として,高温電子照射その場観察実験を行い,これらの材料強化因子である炭化物/酸化物の照射誘起型不安定化現象を明らかにした研究例を報告する.

  • 石丸 学, 仲村 龍介
    2019 年 54 巻 3 号 p. 126-130
    発行日: 2019/12/30
    公開日: 2020/01/09
    ジャーナル 認証あり

    材料が照射場に曝されると欠陥が導入され,欠陥蓄積に伴い構造変化が引き起こされる.照射環境下における材料の損傷過程は,「はじき出し効果」と「電子励起効果」によるものに大別される.電子線照射においては,加速電圧が高いときには前者が,低いときには後者が顕著になる.これらの効果は構造解析に対して負の影響を与えるため,電子顕微鏡観察に際しては極力避けるべきものである.一方,照射効果を利用することにより,通常の手法では実現することが難しい平衡状態から離れた材料の創製が可能である.本稿では,低エネルギー電子線照射によるアモルファスの結晶化を利用して,次世代フレキシブルディスプレイとしての応用が期待されている多結晶GeSn薄膜を,非熱的過程により作製した例を紹介する.

解説
  • 岩崎 憲治
    2019 年 54 巻 3 号 p. 131-137
    発行日: 2019/12/30
    公開日: 2020/01/09
    ジャーナル 認証あり

    結晶化を必要としない単粒子構造解析法は,創薬への利用が高く期待されており,日本医療研究開発機構における事業においてもクライオ電子顕微鏡利用法の目玉として展開されている.ツールという観点からは,結晶構造解析を適用できないターゲット分子の原子モデル構築に挑める手段としてその役割を担っている.しかし,その先にあるのはStructure-based drug designにより薬の設計をアシストするためのデータ提供だ.サイエンスとしては,華々しい成果をトップジャーナルに相次いで報告している一方で,創薬ではまだ期待の方が先行している状態であり,実績を出すためには秘匿性とも相まって時間がかかる.創薬に応用するためには,現在何が問題なのか.そもそも,創薬に構造解析がなぜ必要とされるのか.これらを例を挙げて解説する.

講座
  • 加藤 丈晴
    2019 年 54 巻 3 号 p. 138-143
    発行日: 2019/12/30
    公開日: 2020/01/09
    ジャーナル 認証あり

    集束イオンビーム(FIB)装置の基本構成と機能,FIB装置を用いた透過型電子顕微鏡用観察試料の薄片化を行う場合の前処理および試料加工を実施する際の基本的な操作とコツについて述べる.具体的には,対象試料への導電層のコーティング,試料の固定,試料表面への保護膜蒸着,FIBの加工条件,FIB薄片化領域の厚さ見積,均一厚さのための薄片試料加工,薄片試料が曲がる場合の回避方法,くさび形状加工方法,FIBダメージ層およびダメージ層の低減について記載する.さらに,FIB加工により薄片化したサンプルのTEM像もいくつか紹介する.今後,FIB装置に携わる技術者・研究者の参考になれば幸いである.

  • 笹野 泰之, 中村 恵, 逸見 晶子, 大方 広志, 真柳 みゆき
    2019 年 54 巻 3 号 p. 144-148
    発行日: 2019/12/30
    公開日: 2020/01/09
    ジャーナル 認証あり

    私たちは,歯と骨の発生と修復に伴う石灰化に関して,硬組織の構成元素の分布と濃度の動態を分析走査電子顕微鏡(SEM-EDX)で可視化し,研究を進めてきた.エナメル質と象牙質の発生過程に関する研究では,ラット切歯の萌出過程を利用し,石灰化の進行と成熟をSEM-EDXを用いてカルシウム,リンおよび炭素の分布と濃度を可視化して調べた.骨の発生過程については,胎生期および生後成長期のラットの下顎骨と頭蓋骨をSEM-EDXで同様に検討した.また,骨の修復過程については,ラット頭頂骨規格化骨欠損実験系で形成される修復骨の石灰化過程をマイクロCTとSEM-EDXを用いて解析した.構成元素の分布と濃度を可視化することで,硬組織の発生と修復に伴い,カルシウムとリンの分布が拡大し濃度が上昇する一方で,有機質の指標である炭素の濃度が低下することが示された.

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