メラノコルチン1受容体(MC1R)作動薬は、メラニン形成の促進や炎症および線維化を抑制することが期待される。実際に合成ペプチドであるafamelanotideが、皮下インプラント製剤として赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)に対して欧米で承認されている。筆者らは患者さんの利便性を大きく改善する経口剤を目指し、強力なアゴニスト活性と薬物動態および安全性を両立する化合物の創出に挑戦した。多くの試行錯誤の結果、「カルボン酸の導入」「ピロリジン環へのF原子導入」「イミダゾールアミドから三級アミドへの変換」のブレイクスルーを経て
MT-7117を見出した。本剤は2024年4月現在、EPPおよびX連鎖性プロトポルフィリン症(XLP)に対して国際共同第3相臨床試験を、全身性強皮症(SSc)では第2相臨床試験を実施中である。
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