MEDCHEM NEWS
Online ISSN : 2432-8626
Print ISSN : 2432-8618
ISSN-L : 2432-8618
25 巻 , 3 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
巻頭言
創薬最前線
  • 髙子 徹
    2015 年 25 巻 3 号 p. 118-123
    発行日: 2015/08/01
    公開日: 2018/11/01
    ジャーナル フリー

    創薬支援ネットワークは、基礎研究から医薬品の実用化までを切れ目なく支援するためのオールジャパンの創薬支援体制として構築され、創薬支援戦略室はその本部機能を担う。創薬戦略室のすべての取り組みは新たに設立された日本医療研究開発機構(AMED)の創薬支援戦略部に引き継がれた。このうち創薬ブースターは創薬支援ネットワークの中核事業であり、研究戦略の策定、技術支援、知財管理の実施、企業導出に関する助言など、医薬品としての実用化を総合的に支援する創薬総合支援事業である。この事業の大きな特徴は当部の創薬コーディネーターがPI(Principal investigator)とともにco-leaderとしてプロジェクトを運営することにあり、これまでに30以上の創薬シーズをプロジェクトとして採択した。今年度は新たな取り組みとして、アカデミアの革新的創薬シーズと企業の持つユニークな化合物および先進的スクリーニング技術とを橋渡しする官民連携事業を開始する。

WINDOW
  • 本田 孝雄
    2015 年 25 巻 3 号 p. 124-127
    発行日: 2015/08/01
    公開日: 2018/11/01
    ジャーナル フリー

    各国のレギュレーション厳格化、ポストゲノム時代の新規分子ターゲット枯渇化、創薬コスト上昇、創薬確率低下、等の外部環境変化に加えて、弊社では2000年以降、プロザック、ジプレキサ、サインバルタ等のうつ、統合失調症を対象とした大型製品の特許切れという深刻な事態が立て続けに起こった。全社員が知恵を絞って戦略、戦術を練り、研究開発を進めると共に、外部コンサルタントのアドバイスも活用し、早々に自前主義を変更し、自社の目指す方向性を外部に開示することによって、世界中の優れた研究者の知識と技術を共有することを可能にする、「オープンイノベーション・パートナーシップ」を他社に先駆けて実施してきた。これらの活動の中で、本稿では1.グローバル・エクスターナルR&Dの役割、2.オープンイノベーション創薬による早期化合物スクリーニング、について記載する。

ESSAY
  • 春田 純一
    2015 年 25 巻 3 号 p. 128-131
    発行日: 2015/08/01
    公開日: 2018/11/01
    ジャーナル フリー

    JTオリジナル新薬、抗HIV薬elvitegravirと抗腫瘍薬trametinibの開発ストーリーをエピソードを交えながら紹介する。創薬には化学、生物、医学、物理(分析機器の発展)等の最先端のサイエンスが必須であることは論を待たない。創薬には時間がかかり、数々の困難に出会い、それらを解決して次へと進め、そしてほんの一握りのプロジェクトが成功する。そんな長くて遠い創薬の道を乗り切るには理論だけではどうにもならない時がある。その時、理論以外の「何か」が必要である。それを浮き彫りにしたい。

DISCOVERY
第32回メディシナル・ケミストリーシンポジウム優秀賞受賞
  • 北島 満里子, 寺田 祐子, 渡辺 達夫, 堀江 俊治, 高山 廣光
    2015 年 25 巻 3 号 p. 132-137
    発行日: 2015/08/01
    公開日: 2018/11/01
    ジャーナル フリー

    温度感受性TRPチャネルは、痛み受容などに関与する。我々は、アフリカ民間伝承薬のキョウチクトウ科Voacanga africanaに含有されるiboga型インドールアルカロイドvoacangineがTRPV1、TRPM8チャネルアンタゴニスト活性を有し、初めての化学アゴニスト選択的TRPM8アンタゴニストであることを見出した。そこで、voacangine関連アルカロイドの全合成研究を行い、新規アルカロイドの全合成を達成した。また、構造活性相関の結果から、catharanthineとdihydrocatharantineが強力なTRPM8アンタゴニストであり、TRPM8化学アゴニスト選択的阻害にはiboga型と同様の絶対配置のisoquinuclidine環の構造が重要であることが示唆された。

  • 岩田 昌門
    2015 年 25 巻 3 号 p. 138-143
    発行日: 2015/08/01
    公開日: 2018/11/01
    ジャーナル フリー

    スピロノラクトン(SPI)に代表されるミネラロコルチコイド(MR)拮抗薬は、高血圧や心不全の治療に用いられている。しかしNa+−K+交換系の阻害によりカリウムの尿中排泄が減少することで高カリウム血症のリスクが高まるため、慎重に使用しなければならない。我々はMR拮抗作用に炭酸脱水酵素(CA)阻害を付与することで、カリウムの尿中排泄が促進され高カリウム血症のリスクが低減されると考えた。検討の結果、MR拮抗作用とCA阻害作用を併せもつビフェニル誘導体を見出した。構造最適化を経て得られた化合物を高血圧自然発症ラットに2週間反復経口投与したところ、SPIと同様に収縮期血圧および心臓重量の増加を有意に低下させた。さらに、SPIで見られた血清中カリウム濃度の上昇が、本化合物では見られなかった。

  • 小久保 雅也
    2015 年 25 巻 3 号 p. 144-149
    発行日: 2015/08/01
    公開日: 2018/11/01
    ジャーナル フリー

    Gタンパク共役型受容体であるムスカリン受容体(mAChR)はアセチルコリンを生体内リガンドとし、様々な疾患との関連が報告されている。一方、M5はその発現量が少なく、その機能は未だ不明な点が多い。著者らは、M5の機能解析を低分子化合物で行うことを目的に、選択的M5アロステリックモジュレーターの探索研究を行った。360,000化合物のHTSを実施した結果、M5選択的な阻害薬、活性化薬ヒットを見出した。誘導体合成をパラレル合成の手法を用いて行い、阻害薬ヒットからは受容体選択性、中枢移行性があり、良好なPKプロファイルを示すM5ネガティブアロステリックモジュレーター(NAM)を、活性化薬ヒットから中程度の選択性、中枢移行性を有するM5ポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)を見出した。

  • 高見 京子, 高 直樹, 松下 正行, 海老池 啓達, 中西 義人
    2015 年 25 巻 3 号 p. 150-157
    発行日: 2015/08/01
    公開日: 2018/11/01
    ジャーナル フリー

    Fibroblast Growth Factor Receptor(FGFR、線維芽細胞増殖因子受容体)は受容体型チロシンキナーゼの一種である。近年、癌細胞でのFGFR遺伝子変異・過剰発現・転座変異などが報告され、これらの変異が癌細胞増殖に関与することが示唆されている。我々はFGFR選択的阻害剤が有効な抗がん剤になりうると考えて開発研究に着手した。自社化合物ライブラリーのハイスループットスクリーニングにより得られたアミノピラゾール骨格を持つヒット化合物の構造最適化を、FGFR1のATP結合部位における結合様式の3Dモデル解析を参考に行った。キナーゼ阻害選択性や抗腫瘍効果の優れた、新規FGFR選択的阻害剤(CH5183284/Debio 1347)を見出した。

 
Coffee Break
REPORT
  • 宮田 直樹
    2015 年 25 巻 3 号 p. 161-164
    発行日: 2015/08/01
    公開日: 2018/11/01
    ジャーナル フリー

    医薬化学部会は、創薬にかかわる社会活動や教育活動に今まで以上に積極的に貢献していくことを目的とし、平成24年度から「創薬人育成事業」を開始した。本事業は、法人部会員として部会活動にご支援をいただいている製薬企業のご協力のもとで実施している。製薬企業で創薬の研究開発を行っている専門家が全国各地の大学に出向き、創薬に携わることを目指す学生を対象に、実例を交えて創薬現場の知識や経験を講義する。企業人が直接学生に話しかけることで、教科書では伝わらない創薬の重要性と魅力を学生に伝え、学生の創薬マインドを育むことを期待している。本事業は、平成27年度に4年目に入った。本報告では、平成26年度末に実施したアンケート調査の結果とともに3年間の事業実績を報告する。

BOOKS紹介
記事
 
feedback
Top