失語症研究
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13 巻 , 1 号
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カレントスピーチ
原著
  • 小池 澄子, 伊藤 直樹, 村上 宣人, 田中 千春, 横尾 智子, 佐光 一也, 溝測 雅広, 中島 信夫, 仁平 敦子
    1993 年 13 巻 1 号 p. 9-17
    発行日: 1993年
    公開日: 2006/06/14
    ジャーナル フリー
        左弓状束前方部を含む皮質下の脳梗塞で非流暢な伝導失語を呈した症例を報告した。
        54歳, 右利き女性。発語不能と右片麻痺を来し, 2ヵ月間の mutism の後, 偶発的発話から次第に発話量が増加し, 言語理解良好で, 非意図的発話では喚語困難, 錯語, 失文法を認めたが, プロソディ障害はなく比較的流暢だった。一方, 呼称, 復唱, 絵の説明, 漢字音読などの意図的発話では音韻性錯語, 新造語が多発し, 言い直しを伴い非流暢なジャルゴン様になった。WAB 失語症分類基準では Broca 失語または伝導失語に該当し, CTスキャン, MRI では, 左被殻, 外包, 前障, さらに前方の皮質下, 島上方で, 前方より後方に亘る上縦束の一部に梗塞巣を認め, 弓状束を含むと考えられた。本例は, 失文法, 重度の呼称障害などの随伴症状から, 失構音を伴わない Broca 失語がベースになり, 弓状束の損傷により音韻論的過程が障害を受けたため, 非流暢な伝導失語を呈したと考えられた。
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