失語症研究
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9 巻 , 2 号
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シンポジウム座長記
シンポジウム
原著
  • 安田 清, 小野 美栄
    1989 年 9 巻 2 号 p. 112-117
    発行日: 1989年
    公開日: 2006/11/10
    ジャーナル フリー
        全失語を含む5例の重度失語症者について,一般名詞と地名及び人名の聴理解と読解を検討した.結果は,全失語においては一般名詞よりも,地名の聴理解が良好だとする Wapnerら (1979) と同様であった.それに加えて,新たに地名以上に人名が,また聴理解よりも読解のほうがより良好な傾向を認めた.
        以上の原因については,地名及び人名は固有名詞であるため,意味の介在度が一般名詞に比較して少なく,そのため意味の理解障害の強い重度失語往者にとって,一般名詞よりも容易に理解されたと考察した.
  • —吃音症状の脳損傷に伴う変化に関する検討—
    五十嵐 明美, 山本 清二, 杉浦 正司, 小島 義次, 植村 研一
    1989 年 9 巻 2 号 p. 118-126
    発行日: 1989年
    公開日: 2006/11/10
    ジャーナル フリー
         吃音の既往を持つ,右利き男性2症例に失語の発症をみた.症例1はウエルニッケ失語で,聴覚理解力の著名な低下と病識が欠如した際,一時的に吃音の消失をみたが,失語の改善に伴い吃音が再現した.症例2はブローカ失語の発症で,聴覚理解良好,病識もあって吃音は不変であった.
        この2症例を検討した結果,吃音の現象に聴覚理解力と病識がことばの表出の monitoring system として関係しており,これらの相互関係が吃音を生じる一定の条件を形成していると考えた.
        従来より唱えられている大脳半球優位性の未確立による半球間競合という大脳半球優位支配説のみでは説明不十分であることが,示唆された.
  • 久保田 功, 太田 文彦
    1989 年 9 巻 2 号 p. 127-133
    発行日: 1989年
    公開日: 2006/11/10
    ジャーナル フリー
         失語症患者16名に対して,合成音声による言語刺激を呈示速度の条件を変えて聴取させ,その理解の難易について比較した.
        その結果,刺激呈示速度の遅い方 (毎秒2.4音節) が速い方 (毎秒4.6音節) よりも聴取成績は良好となリ,従来の研究により得られている結果や,臨床的に観察される事実と一致する知見が得られた.また,刺激呈示時間を変化させる方法として,刺激音の間に無音時間を挿入する方法と,刺激音の母音を延長する方法を用いたが,両条件のうち後者の方が前者よりも失語症患者の聴覚的理解に良い影響を及ぼすということがわかった.失語症患者の聴覚的理解を支える時間要因の中で,語音の母音継続時間や無音時間の挿入といった要因もまた,何等かの意味ある役割を但っているのではないかということが結果から考えられる.
失語症全国実態調査報告
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