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失語症研究
Online ISSN : 1880-6716
Print ISSN : 0285-9513
ISSN-L : 0285-9513
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後続誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
22 巻 (2002)
4 号 p. 264-
3 号 p. 175-
2 号 p. 103-
1 号 p. 1-
21 巻 (2001)
4 号 p. 236-
3 号 p. 167-
2 号 p. 87-
1 号 p. 1-
20 巻 (2000)
4 号 p. 274-
3 号 p. 181-
2 号 p. 99-
1 号 p. 1-
19 巻 (1999)
4 号 p. 230-
3 号 p. 157-
2 号 p. 85-
1 号 p. 2-
18 巻 (1998)
4 号 p. 263-
3 号 p. 181-
2 号 p. 120-
1 号 p. 3-
17 巻 (1997)
4 号 p. 269-
3 号 p. 201-
2 号 p. 125-
1 号 p. 1-
16 巻 (1996)
4 号 p. 295-
3 号 p. 203-
2 号 p. 113-
1 号 p. 16-
15 巻 (1995)
4 号 p. 291-
3 号 p. 223-
2 号 p. 141-
1 号 p. 2-
14 巻 (1994)
4 号 p. 221-
3 号 p. 161-
2 号 p. 97-
1 号 p. 1-
13 巻 (1993)
4 号 p. 279-
3 号 p. 215-
2 号 p. 127-
1 号 p. 1-
12 巻 (1992)
4 号 p. 285-
3 号 p. 215-
2 号 p. 103-
1 号 p. 1-
11 巻 (1991)
4 号 p. 221-
3 号 p. 155-
2 号 p. 85-
1 号 p. 1-
10 巻 (1990)
4 号 p. 239-
3 号 p. 183-
2 号 p. 101-
1 号 p. 1-
9 巻 (1989)
4 号 p. 227-
3 号 p. 153-
2 号 p. 83-
1 号 p. 1-
8 巻 (1988)
4 号 p. 267-
3 号 p. 185-
2 号 p. 99-
1 号 p. 1-
7 巻 (1987)
4 号 p. 260-
3 号 p. 187-
2 号 p. 99-
1 号 p. 1-
6 巻 (1986)
3 号 p. 1117-
2 号 p. 1026-
1 号 p. 941-
5 巻 (1985)
3 号 p. 865-
2 号 p. 795-
1 号 p. 699-
4 巻 (1984)
2 号 p. 614-
1 号 p. 528-
3 巻 (1983)
2 号 p. 450-
1 号 p. 362-
2 巻 (1982)
2 号 p. 284-
1 号 p. 196-
1 巻 (1981)
2 号 p. 85-
1 号 p. 2-
18 巻, 3 号
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シンポジウム
「遠隔記憶」
山鳥 重
1998 年 18 巻 3 号 p. 181
発行日: 1998年
公開日: 2006/04/26
DOI
https://doi.org/10.2496/apr.18.181
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(177K)
エピソード記憶と意味記憶
小松 伸一
1998 年 18 巻 3 号 p. 182-188
発行日: 1998年
公開日: 2006/04/26
DOI
https://doi.org/10.2496/apr.18.182
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エピソード記憶と意味記憶間の区分に焦点を当て,記憶システムを区分する研究アプローチの意義を論じた。まず,記憶モデルの中での両記憶の位置づけを検討した。近年の記憶モデルにおいては,長期記憶は宣言記憶と手続き記憶に二分され,エピソード記憶と意味記憶は宣言記憶を下位区分する概念であるとみなされている。しかし,手続き記憶とエピソード記憶,意味記憶間の関係,さらに,潜在/顕在記憶の位置づけに関しては研究者間で食い違いが認められることを明らかにした。次に,エピソード記憶と意味記憶間の区分をめぐる論点について展望した。両記憶をシステムの相違とみなすか,あるいは,想起モードの相違とみなすかに関してはいまだに結論が出ていないこと,事象間の階層的包含関係を的確に表現する概念としてエピソード記憶ではなく自伝的記憶が用いられるようになったこと,エピソード記憶を経由しなくても意味記憶内での知識獲得が起こりうることを論じた。
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(1248K)
逆向健忘
池田 学
1998 年 18 巻 3 号 p. 189-195
発行日: 1998年
公開日: 2006/04/26
DOI
https://doi.org/10.2496/apr.18.189
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自験例の検討を通して,逆向健忘に関する以下の問題点に迫った。 (1) 逆向健忘は (前向健忘と) 独立して存在しうるか? 一過性全健忘例の回復過程で前向健忘のみが残存する時期があること,自験の孤立性逆向健忘2例と文献例での検討により逆向健忘と前向健忘とは独立して存在しうると考えられた。 (2) 逆向健忘は1種類か? という点に関して,自伝的記憶と社会的出来事の記憶という側面から検討を試みた。ピック病での検討から自伝的記憶障害と社会的出来事に関する逆向健忘とは独立して存在する可能性があることを指摘した。また,アルツハイマー病ではいずれの逆向健忘もみられたが,時間的勾配も両方に認められた。 (3) 逆向健忘の責任病巣について,健忘症例のみならず変性疾患の症例での検討も合わせて検討した。逆向健忘の責任病巣は側頭葉病変と関連する可能性が高いものの,なお症例の蓄積が必要と思われた。
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(1242K)
作話と遠隔記憶
兼本 浩祐, 名取 琢自, 松田 芳恵, 濱中 淑彦
1998 年 18 巻 3 号 p. 196-204
発行日: 1998年
公開日: 2006/04/26
DOI
https://doi.org/10.2496/apr.18.196
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作話の質問紙表と三宅式記銘力検査の有関連対を用いて,記銘力検査で出現した誤反応の種類と質問のカテゴリーの関連を検討した。その結果は以下のようであった。すなわち, (1) 記銘力検査の成績は作話の質問紙表の正解率とは相関するが作話発生率とは相関しなかった。 (2) 遠隔記憶に対する質問において生ずる作話は,三宅式記銘力検査のリスト外由来で刺激語と意味的に無関連な誤反応 (semantically unrelated : SUR) の保続と有意に相関した。 (3) SURおよびその保続は,記号素性錯語型の誤反応と有意に相関した。(4) 因子分析において,近時記憶,被暗示性の亢進,周囲の状況の把握力の保持という特徴を持つ因子が抽出され,この因子は痴呆を伴わない健忘症候群を呈する症例群において有意に得点が高かった。以上の結果および文献的考察より,作話には局所性解体としての健忘症候群と親和性を示し,近時記憶を中心として出現する当惑作話型の作話と,痴呆を含む均一性解体と親和性を示し,遠隔記憶に対しても出現する作話があり,後者は意味的枠組みの解体と密接な関連を有することが示唆された。
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(1688K)
遠隔記憶の神経心理学的評価
吉益 晴夫, 加藤 元一郎, 三村 將, 若松 直樹, 斎藤 文恵, 鹿島 晴雄, 浅井 昌弘
1998 年 18 巻 3 号 p. 205-214
発行日: 1998年
公開日: 2006/04/26
DOI
https://doi.org/10.2496/apr.18.205
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遠隔記憶障害を検出する場合,想起された内容の真実性,再学習の有無,興味や関心の個人差,時間的傾斜の検出の可否が問題となる。社会的なことがらを利用した遠隔記憶検査では興味や関心の個人差が,自伝的なことがらを利用した遠隔記憶検査では想起された内容の真実性が特に問題となる。また,比較的やさしい課題で健常群の天井効果を認める場合,または,比較的難しい課題で健忘群の床効果を認める場合には,時間的傾斜の有無に関して確実なことがいえなくなる。流暢性ベースの遠隔記憶検査は,単位時間内に知人の名前や体験した出来事をできるだけたくさん想起する課題であり,検査の構造上,天井効果が起こりえないために時間的傾斜の問題を考える場合には好都合である。また,内容の異なる遠隔記憶でも流暢性ベースで質問することにより,記憶以外の条件を等しくできる利点もある。コルサコフ症候群において,自伝的記憶流暢性検査の成績は,従来までの自伝的記憶検査の成績と有意な相関を認めており,遠隔記憶検査として有用性が高いと思われた。
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(1831K)
原著
伝導失語の改善過程
—発話における誤りの経時的変化を中心に—
大田 めぐみ, 小嶋 知幸, 加藤 正弘
1998 年 18 巻 3 号 p. 215-224
発行日: 1998年
公開日: 2006/04/26
DOI
https://doi.org/10.2496/apr.18.215
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伝導失語2例の改善過程について,1) 発話に現れる音韻の誤りの経時的変化,2) 聴覚言語性短期記憶 (以下 STM) 検査成績の経時的変化,の2点について観察し,得られた結果をもとに伝導失語の障害メカニズムについて考察を行うことを目的とした。その結果, (1) 呼称,漢字単語の音読,仮名単語の音読,単語の復唱の発話4モダリティーにおいて誤反応の減少に伴い,誤り内容は類推困難な反応や省略・付加の割合が減少し,部分正答,置換,転置が中心となった。また, (2) STM 検査成績は,時点を追うごとに成績が向上した。以上より伝導失語の経時的変化は発話4モダリティーに共通であり,音韻想起自体の障害から,音韻の選択・配列の障害を経て回復に至ると考えられた。また発話の改善と並行して STM 検査成績も上昇したことから,本症例の障害の根底には音韻の符号化 (選択・配列) 障害があり,現象面で STM の低下として観察された可能性があると考えた。
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(1616K)
マンブリングジャルゴンの一例
—モニタリング,構音・発声および人格という観点から—
伊澤 幸洋, 宇野 彰, 小嶋 知幸, 加藤 正弘
1998 年 18 巻 3 号 p. 225-233
発行日: 1998年
公開日: 2006/04/26
DOI
https://doi.org/10.2496/apr.18.225
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Brown (1979) ,Kertesz (1982) が報告したマンブリングジャルゴンに該当する特異な発話症状を呈した失語症例を経験した。症例は,発症当時 63歳の右利き女性である。本研究では発話行動のモニタリング機能,発声の意図的な運動制御という運動的な側面,コミュニケーション行動に影響を及ぼす人格的側面の以上3点を中心に本症例の発話障害の機序について検討した。その結果,聴覚的理解は良好であり本症例におけるジャルゴン症状は聴覚的フィードバックによる従来のモニタリング障害説では説明困難と考えられた。本症例におけるジャルゴン症状は,人格的側面からは,事物に対する固執傾向,焦燥感,落ち着きのない態度が結果としてジャルゴンを形成する一要因となっていると考えられた。発話機能面からは,本症例に特有の構音 (発声) 運動の抑止困難が中心的な要因になっていると考えられた。また,以上の2要因に加えて統語・意味・音韻など各水準における内言語障害の複合的要因も関与していると推測された。
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(1521K)
失語症グループ訓練における心理・社会的側面の評価の試み
—長期経過を通して—
中村 やす, 野副 めぐみ, 小林 久子, 中尾 貴美子
1998 年 18 巻 3 号 p. 234-242
発行日: 1998年
公開日: 2006/04/26
DOI
https://doi.org/10.2496/apr.18.234
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10年あまりの長期訓練経験に基づき独自に心理・社会的側面の評価表を作成し,信頼性を検討した。グループ訓練に参加している慢性期失語症者17名についてその評価表を用いて評価を行った。同評価表は参加態度,対人意識,情緒,自己認知,障害の受容に関する5大項目と15の下位項目から成る。グループ参加年数と良好項目数の割合との関係および評価プロフィールの分析を行った。結果として, (1) 失語症者の自己評価の低下や自己開示への抵抗,障害へのこだわり,頑固さなどの心理・社会的側面の問題が明らかに示された。 (2) これらの問題は特に重度者およびグループ参加年数2年未満の対象者で顕著であり,参加年数の経過とともに軽減する傾向が認められた。 (3) また評価表にはグループ内での個人の心理・社会的側面の状態や変化をとらえやすくなる,スタッフ間で視点の共有が可能となる,グループ訓練の効果を示す1つの指標と成りうる,などの有用性があると考えられた。
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(1611K)
失語症例の音の分離能力(クリック音融合閾)と聴覚的言語理解の関係について
遠藤 邦彦, 阿部 晶子, 柳 治雄, 林 和子, 井佐原 均, 杉下 守弘
1998 年 18 巻 3 号 p. 243-253
発行日: 1998年
公開日: 2006/04/26
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https://doi.org/10.2496/apr.18.243
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失語症 31例の音の分離能力をクリック音融合閾 (CFT) 検査で測定し,聴覚的言語理解の重症度と比較した。統制群は右半球損傷 (RHL) 15例,健常者 13名であった。失語症例の CFT 検査の成績は健常者より有意に低下していたが,RHL とは差がなかった。失語症例では CFT と,聴覚的言語理解の重症度 (ARS) の間に相関がなかった。左の内側膝状体から聴放線起始部の損傷,および左の横側頭回やこれに隣接する第一側頭回の上下に広い損傷では両耳同時呈示と右耳単独呈示で CFT の障害を生じていた。一方,左の聴放線終末部の損傷,および左の横側頭回や隣接する第一側頭回の部分的損傷では右耳単独呈示でのみ CFT の障害を生じる可能性が示唆された。失語症例の単語の聴覚的理解力は聴覚野,聴覚連合野の音の分離と,Wernicke領野の語音認知の両方に依存するが,後者の影響が著しく大きいと推察された。もう1つの音の分離能力の検査法とされているクリック音計数検査の成績は,むしろ前頭葉損傷例で低下していた。
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(2143K)
右手を患側とする両手間の抗争および超皮質性運動性失語を特徴とする症候群の存在について—左内頸動脈閉塞の一例—
石原 健司, 真木 寿之, 市原 礼子
1998 年 18 巻 3 号 p. 254-259
発行日: 1998年
公開日: 2006/04/26
DOI
https://doi.org/10.2496/apr.18.254
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症例は 55歳,右利き,男性。緘黙および右下肢脱力にて発症。慢性期の言語療法を目的として当科に入院した。右手を患側とする両手間の抗争,右手の病的把握現象および超皮質性運動性失語を認めた。MRI では左帯状回前部深部白質および脳梁全域に,非連続的な斑状の病巣を,脳血管撮影では左内頸動脈の閉塞および右内頸動脈から前交通動脈を,脳底動脈から左後交通動脈をそれぞれ介した側副血行路を認めた。SPECT では左内頸動脈領域の血流低下を認めた。本例と同様の症候および臨床経過を示す症例は,ほかに4例が報告されている。いずれも右利き者における左前大脳動脈領域の梗塞によるものであり,臨床経過が酷似していることから,右手を患側とする両手間の抗争および超皮質性運動性失語を特徴とする1つの症候群としてとらえることが可能と考えられた。
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