失語症研究
Online ISSN : 1880-6716
Print ISSN : 0285-9513
ISSN-L : 0285-9513
11 巻 , 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
シンポジウム座長記
シンポジウム
特別講演
原著
  • 兼本 浩祐, 上村 悦子, 扇谷 明, 河合 逸雄
    1991 年 11 巻 2 号 p. 124-130
    発行日: 1991年
    公開日: 2006/11/10
    ジャーナル フリー
    強直間代発作後に失語症状を示した症例を報告し,経過によって産出される錯語の様態が変遷する経過を,以前の同様の報告と対比しつつ検討した。その結果,以前の報告と同様,錯語の変遷は,再帰性発話様錯語産出→音素性錯語→保続反応,の順に推移することが確認され,更に,提示された単語リストに含まれない再帰性発話様の無間連語性錯語の産出は,提示された刺激語のリストに属する単語の保続と比較して,言語解体のより深い段階で出現することが示唆された。また,幾つかの無関連語性錯語の間には,音韻的関連が認められた。
  • 前島 伸一郎, 駒井 則彦, 重野 幸次, 中井 國雄, 土肥 信之
    1991 年 11 巻 2 号 p. 131-139
    発行日: 1991年
    公開日: 2006/11/10
    ジャーナル フリー
    視覚性運動失調20例の臨床症候と経時的変化ならびに神経放射学的所見を検討し, 重症度と責任病巣について考察した。初診時随伴した神経心理学的症状は, 半側空間無視3例, 精神性注視麻痺2例, 視覚性注意障害1例, 構成障害16例, 着衣失行2例, Gerstmann 症候群6例であった。重症例では周辺視野内対象物の把握障害(ataxie optique : AO) のほか, 発症早期に注視下対象物の把握障害(optische Ataxie : OA) を伴っていた。病巣と反対側手の AO の多くは, 数週から数か月の間に病巣と反対側の周辺視野の AO へと変化した。発症早期より病巣と反対側の周辺視野の AO のみを呈する例もあった。 OA の出現には病巣の大きさが関与し, AO の責任病巣としては, 従来言われてきた頭頂後頭葉白質, 特に上頭頂小葉近傍での障害が重要であるように思われた。把握手と反対側の周辺視野におかれた対象物を捕える場合は脳梁への関与も示唆された。
  • 能登谷 晶子, 手取屋 浩美, 鈴木 重忠, 藤井 博之, 古川 仭
    1991 年 11 巻 2 号 p. 140-146
    発行日: 1991年
    公開日: 2006/11/10
    ジャーナル フリー
        軽度の感覚失語と漢字に強い失読失書を呈した1症例の発症1か月から1年6か月までの経過と,既報告例との比較検討を行った。
        症例は74歳の男性で,初期には中等度の失語に漢字に強い失読失書を示した。その後,軽度の失語と漢字の失読失書となり,仮名はごく軽度の失読のみを残した。左側頭葉後下部を中心とした損傷による失読失書の報告例の中で,経過を追ったものは本例を加えて13例であった。 13例の初期における特徴をまとめると,4つのタイプに分かれた。その経過からは,仮名の失読失書の予後が比較的良好であるのに比し,漢字の失読失書は残存する傾向を示した。本例とわれわれが先に報告した類似の症例の,漢字の画数別音読の誤り傾向からは,左側頭葉後下部型の漢字の失読失書は,形態類似読みを特徴とする純粋失読型と,漢字の部分読みを特徴とする同時失認型に二分されると考えた。
feedback
Top