失語症研究
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20 巻 , 1 号
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会長講演
原著
  • 鈴木 美代子, 荒木 有三, 伊藤 泰広, 吉田 伸一, 中西 雅夫, 濱中 淑彦
    2000 年 20 巻 1 号 p. 4-10
    発行日: 2000年
    公開日: 2006/04/25
    ジャーナル フリー
    左頭頂・後頭葉皮質下出血により身体パラフレニア (somatoparaphrenia : SP) を呈した症例を報告した。78歳の右利き女性が頭痛,右片麻痺,嘔吐にて発症し,錯乱状態となった。定位脳内血腫除去術施行後,発話の回復に伴って右上肢を「おじいさんの手」と呼ぶ SP を認め,約7ヵ月間持続した。右大脳半球損傷の場合とは片麻痺,感覚障害,半側空間無視 (以下 USN) ,精神症状 (情動失禁,脱抑制,易疲労性,性格変化,見当識障害など) を伴っていた点で共通していたが,流暢性失語,構成失書,観念運動失行,手指構成障害,口部顔面失行を伴い色彩失認が疑われた点で異なっていた。左大脳半球損傷であっても,片麻痺や感覚障害に USN,精神症状などが関連して SP が生じうることを示唆する症例であると考えられた。
  • 森 加代子, 中村 光, 濱中 淑彦
    2000 年 20 巻 1 号 p. 11-19
    発行日: 2000年
    公開日: 2006/04/25
    ジャーナル フリー
        症例は単純ヘルペス脳炎後に重度の呼称障害を呈した56歳の流暢性失語の1例。この呼称障害は,発症3ヵ月後から行った一般的な言語訓練によってはほとんど改善されなかったが,発症7ヵ月後から,単語の主に語頭音文字の50音表における位置を記憶し,これを手がかりとして喚語する方法を本例みずからが考案した。
        われわれは,この訓練法の有効性を単一事例研究法を用いて検討した。その結果,本訓練法は有意に呼称を促進し,さらに仮名音読による訓練よりも訓練効果が高いことが示された。本訓練法において,50音系列を利用してその音韻を抽出することが,呼称のための自己産生的手がかりとして有効であったものと推測された。
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