芸術科学会論文誌
Online ISSN : 1347-2267
ISSN-L : 1347-2267
1 巻, 1 号
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「第17回NICOGRAPH投稿論文特集」論文
  • 緒方 正人, 村木 茂, マ クワンリュー, 梶原 景範, 劉 学振, 越塚 健児
    2002 年 1 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2002年
    公開日: 2008/07/30
    ジャーナル フリー
    科学技術上の諸問題を計算機を用いて解き,結果を直感的に把握したいとの要求,あるいは高度医療におけるMRI,CT, 超音波診断装置などのデータの表示,などから大容量の3次元情報を可視化する高速かつ安価なボリュームレンダリングシステムが必要とされている.ボリュームの可視化は, 処理するデータ量が膨大であることから,高速表示には,高価なスーパコンピュータや専用ハードウエアが用いられている.本論文は,市販のPC を複数用いて構成する低価格な高速ボリュームレンダリングシステムを提案し, その性能評価を示す.このシステムの高速化は,提案の空間分割シアーワープ法(Spatially Partitioned Shear-Warp Method)法により達成する.
  • 張 暁華, 中西 良成, 小林 希一, 三ッ峰 秀樹, 齋藤 豪
    2002 年 1 巻 1 号 p. 8-14
    発行日: 2002年
    公開日: 2008/07/30
    ジャーナル フリー
    カメラの実写映像に基づいた立体物の電子映像部品化を目的として、被写体の表面反射パラメータ、すなわち、拡散反射および鏡面反射パラメータを良好かつ安定に求める方法を開発した。これまでは反射パラメータを求めるに当って、先ず、拡散反射成分と鏡面反射成分を分離してから求めていたが、この場合、被写体が複雑なテクスチャを持つ場合、あるいは、鏡面反射成分が多い場合には分離が良好に行えず、パラメータの取得が困難であった。本方法は、従来の方法と異なり、光源および被写体の色信号を予め知ること無しに、パラメータフィッティング法を用いて一挙に反射パラメータを求めることを特長としている。また、求めた反射パラメータを用いることにより、従来困難であった被写体に対しても拡散反射成分と鏡面反射成分を良好に分離することが可能である。論文では、反射パラメータの取得法の詳細、実験結果、考察等について述べる。
  • 長谷川 誠, 林 正樹
    2002 年 1 巻 1 号 p. 15-21
    発行日: 2002年
    公開日: 2008/07/30
    ジャーナル フリー
    近年、様々な情報伝達メディアの急速な普及に伴い、テレビ番組に関連するコンテンツも多様化し、複数のメディアを通じて楽しむ視聴形態が促進しているため、ひとつのコンテンツからマルチメディアアウトプットを自動的に作る、メディア間相互変換の研究が重要になってきている。本研究では、このメディア間自動変換のひとつとして、テレビ番組台本をマンガという印刷物に変換して提供するアプリケーションについて検討を行った。今回、マンガ生成を行うテレビ番組台本として、テレビ番組記述言語TVML(TV program Making Language)により制作されたものを対象とし、そこから得た情報を解析することで、マンガに使うコマ画像の選定・データ化、マンガを作る際に必要な情報の抽出、マンガ特有の視覚効果であるフキダシなどの生成を行い、それらを組み合わせてマンガ画像を出力するアルゴリズムを提案し、それに基づいてマンガ自動生成システムを構築した。本研究により、マンガ自動生成システム構築へ向けての見通しが得られた。提案したシステムは、テレビ放送のもとになる番組台本を解析することで、マンガという文字と絵によるメディアに変換する試みであり、これにより、テレビ番組のコンテンツをマンガに変換し、自由に携帯し、時間や場所に拘束されずに楽しむという新しい視聴形態を提供する可能性を開くことができた。
  • 齋藤 豪, 井元 崇之, 中嶋 正之
    2002 年 1 巻 1 号 p. 22-29
    発行日: 2002年
    公開日: 2008/07/30
    ジャーナル フリー
    仮想世界内で自律的に行動できるキャラクタのアニメーションを生成するために、一連の動作すべてを事前に決定しておくことはできない。そこで、キャラクタの様々な状態をノードとし、動作の断片をリンクとするモーショングラフを定義し、任意の次の状態が指示された場合に、自動的にパスを決定して一連の動作を生成する手法を提案する。 さらに重み付きパス探索の手法を用いることにより柔軟なアニメーション生成を可能にする。
  • 曽我 麻佐子, 海野 敏, 安田 孝美
    2002 年 1 巻 1 号 p. 30-38
    発行日: 2002年
    公開日: 2008/07/30
    ジャーナル フリー
    プロ・ダンサーの実演から採取したモーション•キャプチャ•データを利用して,クラシック•バレエの振付をWeb上で対話的に創作し,3次元CGアニメーションでシミュレーションできるシステムを開発した.ユーザにはバレエ教師を想定し,利用目的には,基本ステップの組み合わせをレッスン用に短時間で多数創作することを想定した.基本ステップのアニメーション情報はVRMLで記述し,Javaアプレットで実装したGUIによりWebにおける逐次的な振付の編集・再生を可能にした.システムには振付を支援する機能として,基本ステップのプレビュー機能,速度変更機能,編集機能を実装し,アニメーション出力を制御する機能として,人体モデルの選択,背景の選択,ユニゾンのシミュレーションができるようにした.バレエ教師などによってシステムの評価を行ったところ,実際に使うことのできるレッスン用の振付が本システムで創作できることを確認した.同時に,実用的なシステムとして公開するために改良すべき点が明らかになった.
  • 美馬 義亮, 木村 健一, 柳 英克
    2002 年 1 巻 1 号 p. 39-45
    発行日: 2002年
    公開日: 2008/07/30
    ジャーナル フリー
    電子付録
    人間が図柄の構想を行い、コンピュータ上でそれらを表現するというスタイルのツールは広く用いられているが、コンピュータが図柄を生成する作業に関わるようなシステムは少数である。ThinkingSketch は、創造性をもった図柄生成に関する発想を対話的に支援することを目的とする。本システム上では。1)既存の絵画や写真などから生成されたカラーパレットを参考にして、作品の中で色彩を割り当てる。(=色のトレース)、 2)既存の絵画や写真の表現を下地にしてなぞる作業を通じてオリジナルな図形プリミティブを作成する。(=形のトレース)、 3)画面の中に 乱数によるプリミティブを配置する。4)パラメータと生成ルールにより多数の絵画を生成し、構図の構築、評価を繰り返し行う。このような検討作業を通じ、生成ルールやプリミティブのチューニングを行い、望ましいパターンの生成確率を上げる。ユーザはこの過程の中で自己の好む絵画スタイルの存在を意識し、それらを吟味することが容易になる。加えて、このような枠組みは熟練者への表現における生産性向上の支援にも利用可能であることを報告する。
  • 村上 存, 臼井 恵
    2002 年 1 巻 1 号 p. 46-53
    発行日: 2002年
    公開日: 2008/07/30
    ジャーナル フリー
    導電性弾性材料の塊を構造体かつ3 次元変形センサとする入力装置を用いた,直観的3 次元形状操作インタフェースDO-IT (Deformable Object as Input Tool) を提案する.電気抵抗値を測定するための端子対を格子状に導電性弾性材料の塊に接続し,弾性体に加えられた曲げ,ねじり,押し込みなどの3 次元的変形を,各部の電気抵抗値の変化により測定し,その変形をコンピュータ内の形状モデルに適用する.各端子対における抵抗値の変化パターンと入力装置の変形の関係をニューラルネットワークを用いて学習すると同時に,学習の過程において重要度の低い端子対を検出し除去することによって,適切な端子対の数および配置を半自動的に決定する.これらの学習,最適化によって,プログラムをほとんど書き換えることなく,目的や応用に応じたさまざまな形状の弾性体入力装置や変形の種類に対応することが可能となる.弾性体による変形入力に加えて,実際の応用のために必要となる,さまざまなモード切替,調整などの操作を行なうためのスイッチ,ボタン,ボリュームを統合した,直観的3 次元形状操作のための入力ツールを製作した.提案したインタフェースをコンピュータ・システムとして実装し,実際に操作を行なうとともに,従来のマウスと複数投影図を用いた形状操作方式との定量的比較を行ない,研究の有効性,可能性を検証した.
  • 寺沢 幹雄, 小高 金次, 佐藤 創, 和田 重久, 外山 武徳
    2002 年 1 巻 1 号 p. 54-63
    発行日: 2002年
    公開日: 2008/07/30
    ジャーナル フリー
    本論文では,実時間視点モーフィングを用いたWeb用立体表示であるWeb2.5Dを実現するための実証実験的電子商品カタログシステム実現手法を述べ,データ自動生成法を提案する.実時間視点モーフィングは未校正カメラで撮影された2視点画像から2次元処理により中間視点画像を実時間で生成する手法であり,本システムでは複数画像に対応することで対象物体の全周表示を可能とした.自動抽出した特徴点に対して,データ作成者が入力した8組以上の対応点から得られるエピポーラ制約に基づいて面情報が自動生成される.オクルージョンにより対応点の自動決定が困難な場合には,レイヤ構造をサポートした専用エディタで修正する.本手法はバナー広告や画面背景にも適用できるため,通信販売,製品説明,電子会議など多くの応用に有効である.静止画像以外の転送データ量は数十キロバイト程度であるため,電話帯域のインターネットでも実用的に利用できる.
一般論文
  • 原田 雅樹, 木本 伊彦, 藤井 俊彰, 谷本 正幸
    2002 年 1 巻 1 号 p. 64-73
    発行日: 2002年
    公開日: 2008/07/30
    ジャーナル フリー
    フラクタル画像符号化の高速化を実現するために,以下の二つの手法を提案する.第一の手法では,スケーリングパラメータの計算回数を削減させるために,一つのレンジブロック内の最大振幅と一つのドメインブロック内の最大振幅との比(以下ここではこれを最大振幅比と呼ぶ)を用いる.符号として選択されるドメインブロックにおける最大振幅比はスケーリングパラメータ付近の値をとるため,ある閾値を超える大きな最大振幅比を持つ場合にはスケーリングパラメータの計算を行わない.第二の手法では,スケーリングパラメータそのものの計算量を削減させるために,一つのレンジブロック内の輝度偏差と一つのドメインブロック内の輝度偏差との比(以下ここではこれを偏差比と呼ぶ)を用いる.偏差とスケーリングパラメータとの間には相関があるため,計算量の少ない偏差比に定数をかけてスケーリングパラメータを近似的に求める.
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