芸術科学会論文誌
Online ISSN : 1347-2267
ISSN-L : 1347-2267
9 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
第25回NICOGRAPH論文コンテスト発表論文特集
  • 高橋 淳也, 照井 良平
    2010 年 9 巻 3 号 p. 85-92
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
    本論文では,色がもたらす感情効果を利用し,閲覧者に意図した感情を想起させる映像作品の制作手法の指針を与える.感情効果として”癒し”という印象に着目し,“癒し”の感情効果をもたらす色の調査を実施し,“癒し”の効果を持つ,映像作成をおこなった.映像作品を被験者に提示することにより,”癒し”の感情効果をもたらす色を用いた映像作品からも,“癒し”を感じるという結果が得られた.以上のような“癒し”を感じさせる映像作品は,病院の待合室のBGVとして,また,アロマ・セラビーなどの広告としての応用が考えられる.
  • 阿部 雅樹, 渡辺 大地
    2010 年 9 巻 3 号 p. 93-101
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
    電子付録
    近年、アクションや格闘を主題としたアニメーションやビデオゲーム等の創作コンテンツ上では、エネルギーの塊が強く発光、形状変形を伴いながら特定の目標地点へ移動するといった現象を攻撃方法の1つや特殊効果として用いる事が多い。本研究は、3次元のビデオゲーム等のインタラクティブな創作コンテンツ内における新たなエネルギー波表現方法を提案する。本手法はボリュームレンダリング手法の1つであるレイキャスティング法と基本的な概念は同様である。線積分式となる関数を用いてエネルギー波の3次元分布状況を規定することで、ボリュームデータ生成処理を省くことを可能とした。更に積分計算にGPGPUを使用することで、描画処理速度の向上を図った。このことにより、エネルギー波の光の強さを正確に表現しつつ、エネルギー波の形状変形をリアルタイムで実現した。
  • 望月 茂徳, 蔡 東生, 浅井 信吉, 王 雲, 福本 麻子
    2010 年 9 巻 3 号 p. 102-110
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
    UNESCO世界遺産にも登録されている龍安寺石庭は, 15個の石が無名の設計者により一見してランダムに配置されているが,石もしくは石群の配置は基本的に手前からみて奥が鈍角をなす不等辺三角形をなし,基本的に,三石もしくは三石群がそれより大きい一石群をなし,不等辺鈍角三角形が3回再帰的に繰り返される構造になっている.本論文ではまず, それぞれの石もしくは石群のサイズは1/f揺らぎもしくはZipfの法則に従っていることを算出した. さらに, より詳細な配置分析としてアイ・トラッキング実験を行い,石(もしくは石群)から石(もしくは石群)への視線の遷移をリンクとして計測した. 計測したデータよりホットスポット(視線注視分布)図の作成および視線の"PageRank"の算出によって, 視線軌跡ではわかりづらかった, 石庭鑑賞上の視線の乱れが起こる例外的石配置ルール出現箇所において, 視覚的不協和が使われている可能性が高いことを示した.
一般論文
  • 勝本 雄一朗, 瓜生 大輔, 徳久 悟, 奥出 直人, 稲蔭 正彦
    2010 年 9 巻 3 号 p. 111-118
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
    本論文は,ユビキタスコンピューティング環境下におけるインタラクティブなコンテンツを制作するための設計手法として,ユビキタスコンテンツ設計手法を提案する.本手法はデザイン思考によって発見したIdeationをもとに,開発支援環境xtelを用いたPrototypingを通じて,コンテンツの企画・設計・開発を行う.従来手法と比較して,本手法はPrototypingの段階でインタラクションを含むコンセプトの検討を行うことができる.そのため限られた時間内においても効率的にPrototypingを行うことができ,制作者に魅力的なコンテンツの創造を促すことができる.本論文では,本手法のケーススタディとして雨刀を取り挙げ,本手法の有用性を議論する.雨刀とは振ると刀の音がするビニール傘状の遊具である.
  • 甲田 春樹, 金谷 一朗, 佐藤 宏介
    2010 年 9 巻 3 号 p. 119-129
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
    電子付録
    近年のグラフィック演算性能の向上に伴い,グラフィックデザインのみでなく動画コンテンツの個人レベルでの創作が可能となり,今後,専門知識を持たない一般ユーザが容易にアニメーション作成可能なインタフェースへの需要が高まると考えられる.しかし,従来のアニメーション制作環境におけるGUI(Graphical User Interface) では,操作別の構造をしており,学習コストや効率性の観点から問題である.また,アニメーション制作の根幹となるモーションの入力では,キーフレーム補間法が多く採られており,速度変化を伴うモーションを扱うには試行錯誤の調整作業が要求される.本論文に於いては,モーションの入力にドローイング動作の身体性を利用した速度入力を可能とするインタフェースを提案する.提案インタフェースにおいては,オブジェクトの配置された仮想空間とは別に,ペンタブレット等の入力面に固着するパラメータ平面を設定する.パラメータ平面の軸には並進や回転などのモーションの制御変数が割り当てられており,ユーザはスタイラスペンを用いたドローイングにより制御変数の時間変化を試行錯誤的に設計する事が可能である.また,主に初心者を対象とした被験者実験から実装システムの操作の簡便性を確認した他に,ドローイングの揺れに関して,フーリエ成分のフィルタリングによりモーションの印象を左右する周波数パラメータを得た.
  • タヌイジャヤ シンダルタ, 大野 義夫
    2010 年 9 巻 3 号 p. 130-139
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
    Researchers have been constantly developing new methods for generating realistic human motion. A common and popular approach is to use motion capture data or mocap data. However, this approach produces a mountain of data and there is an increasing necessity for quick and efficient mocap data search methods. For text documents, search results are usually returned in the form of a list of documents' titles. This allows users to quickly browse the search results and easily find the documents that they are looking for. Applying this method to mocap data requires the extraction of keyposes since displaying every frame will only present excessive and unnecessary information. The authors of this paper propose a simple and efficient method to automatically extract keyposes of mocap data. The proposed method requires only O(kn) operations. Thus, users can vary the search parameters and results will be presented interactively. Our results show that the proposed approach is applicable to mocap data of complex motions and motions composing of many motion segments.
  • ソソラバラム バトゥチメグ, 藤本 忠博, 千葉 則茂
    2010 年 9 巻 3 号 p. 140-153
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
    本論文では,ポイントベースレンダリングにとって重要であるレンダリングのパフォーマンスと品質を改善する新しいアルゴリズムを提案する.提案する手法では,ポイントの数を減らすことによりレンダリングパフォーマンス,また,異なったサイズのポイントを用いることによりレンダリングの品質も改善することが可能である.具体的には,バイラテラルフィルターを用いて,特徴点を保持しながらポイントの数を減らす.この手法により,ポイントの大きさとポイントの分布が自動的にバランスをとるためレンダリングの品質が改善される.また,レベル・オブ・ディテールによる異なる詳細度レベルに対応するモデルの生成も可能である.最後に,いくつかの実験例により本手法の有効性を示す.
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