弘前医学
Online ISSN : 2434-4656
Print ISSN : 0439-1721
59 巻 , 1 号
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原著
  • 胡 東良, 銭 愛東, 単 暁風, 成田 浩司, 差波 拓志, 長内 理大, 阿部 由紀子, 平賀 寛人, 工藤 幸清, 劉 勇, 中根 明 ...
    2007 年 59 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 2007年
    公開日: 2021/09/07
    ジャーナル フリー
     本研究では,日本と中国の食肉179検体,鶏卵35検体におけるの大腸菌,サルモネラ及び黄色ブドウ球菌の汚染状況を統一検査法により調査した.食肉検査結果により,日本において,大腸菌の検出率は 46.4%,サルモネラは 4.4%で,黄色ブドウ球菌は 36.2%であった.中国において,大腸菌の検出率は 37.9%,サルモネラは 5.5%で,黄色ブドウ球菌は 44.1%であった.大腸菌の検出率が日本の方 (46.4%) が中国 (37.9%) よりやや高く,これに対し,黄色ブドウ球菌は中国の方 (44.1%) が日本 (36.2%) よりやや高い結果が見られたが,いずれも有意差がなかった.汚染菌数について,10⁴ CFU/g を超えるのは,大腸菌では 4/69 (日本),4/145 (中国):黄色ブドウ球菌では 2/69 (日本) と 7/145 (中国) であった.これらの結果により,食肉の加工,保管,流通,販売において,徹底的な温度管理と衛生管理が必要であると考えられる.
  • 原田 研, 玉井 克人, 中野 創, 佐々木 千秋, 花田 勝美, 橋本 功, 澤村 大輔
    2007 年 59 巻 1 号 p. 7-14
    発行日: 2007年
    公開日: 2021/09/07
    ジャーナル フリー
     230-kD類天疱瘡抗原 (BPAG1) は類天疱瘡の自己抗原として知られ,増殖する基底細胞にのみに発現する.TGF-β はいろいろな標的細胞に多彩な効果を示す増殖因子であり,基底細胞にはその分化を誘導する.そのため,TGF-β は BPAG1 の発現を抑制すると予想されるが,過去の報告は逆にその発現を促進することを示している.本研究では,BPAG1 の発現に対する TGF-β の効果を明らかにするため,その効果を培養表皮細胞にて検討した.その結果,BPAG1 の遺伝子発現は,TGF-β1 1.0 ng/ml 以上の濃度で抑制された.さらに,cycloheximide の存在下で細胞を TGF-β1 処理すると抑制がみられなくなることから,TGF-β の効果には蛋白の新たな合成が必要であることが示された.さらに,TGF-β による BPAG1 調節の詳細なメカニズムを明らかにするため,BPAG1 promoter-CAT遺伝子を一過性に細胞に導入し,プロモーター活性に与える影響を検討した結果,カルシウムや IFN-γ の BPAG1発現抑制は転写レベルで起こっているが,TGF-β のそれは転写の抑制を介していなことが示された.これらの結果から,TGF-β は IFN-γ とは異なる分子メカニズムにより,BPAG1 の遺伝子発現を抑制することが示唆された.
  • 村井 孝弥, 玉井 克人, 中野 創, 花田 勝美, 橋本 功, 澤村 大輔
    2007 年 59 巻 1 号 p. 15-22
    発行日: 2007年
    公開日: 2021/09/07
    ジャーナル フリー
     栄養障害型表皮水疱症,dystrophic epidermolysis bullosa (DEB) は,VII型コラーゲンをコードする COL7A1遺伝子の変異で生ずる.本症は,臨床的に軽微な外傷による皮膚粘膜の水疱とその後の瘢痕や爪の変形を特徴とする.DEBは常染色体性優性 (DDEB) と常染色体性劣性 (RDEB) の両型がある.DDEB は通常 COL7A1 のコラーゲン領域のグリシン置換で起こり,一方 RDEB は早期終止コドン変異,ミスセンス変異,スプライス部位変異の組み合わせで生ずる.本研究では,全身の水疱と瘢痕形成を有し,RDEB のうちでもっとも重症である Hallopeau-Siemens型 (HS)-RDEB と診断した日本人少年を検索した.COL7A1遺伝子の解析では, 新規ミスセンス変異A80P と新規ノンセンス変異 Q1211X を検出した.一般に HS-RDEB は早期終止コドンの組み合わせで生ずるが,現在までに3例で HS-RDEB が早期終コドン変異とミスセンス変異の組み合わせで起こることが報告され,そのなかのひとつが S48P であった.今回の研究は,ミスセンス変異でも, VII型コラーゲンのアミノ末端でのプロリンヘの変異を誘導するものであれば, 最重症型である RDEB (HS-RDEB) も起こしうることを示唆していた.
  • 大黒 幾代, 大黒 浩, 中澤 満
    2007 年 59 巻 1 号 p. 23-32
    発行日: 2007年
    公開日: 2021/09/07
    ジャーナル フリー
    目的:正常眼圧緑内障患者におけるカシスアントシアニンの網膜血流に対する作用について検討する.
    対象と方法:対象は弘前大学医学部附属病院眼科緑内障外来に通院中の正常眼圧緑内障患者30名である.カシスアントシア ニン錠 (50 mg) を毎日1回,6ヶ月間内服してもらい,血圧,眼圧,血中エンドセリン-1濃度,視神経乳頭および乳頭周囲網膜の血流量,視野障害の程度について,内服期間前後で比較した.
    結果:カシスアントシアニン錠の内服により,視神経乳頭および乳頭周囲網膜の血流量は有意に増加したが (p < 0.05),血圧および眼圧には有意な差はみられなかった.また,内服期間後に視野障害の悪化した症例は1例もなかった.さらに,カシスアントシアニン錠の内服により血中エン ドセリン-1濃度は有意に増加 (p < 0.05) または正常化された.
    結論:今回の結果から,カシスアントシアニンの内服投与は正常眼圧緑内障患者にとって安全かつ神経保護治療の有力な選択肢に成り得る可能性が示唆される.
  • 間山 真美子, 玉井 克人, 深井 和吉, 中川 俊文, 原田 研, 中野 創, 花田 勝美, 橋本 功, 澤村 大輔
    2007 年 59 巻 1 号 p. 33-40
    発行日: 2007年
    公開日: 2021/09/07
    ジャーナル フリー
     栄養障害型表皮水疱症,Dystrophic epidermolysis bullosa (DEB) は,機械的刺激により水疱を生じる遺伝性皮膚疾患で,VII型コラーゲン遺伝子 (COL7A1) の変異が原因となる.栄養障害型表皮水疱症は,優性栄養障害型 dominant dystrophic EB (DDEB) と劣性栄養障害型 recessive dystrophic EB (RDEB) とに分けられる.ほとんどの DDEB は,グリシン置換変異 (GS) の dominant negative effect によって生じる.しかし,GS の中には,silent といって,COL7A1 他の変異と組み合わせられないと,病的意義をもたないものもある.COL7A1 における臨床症状と遺伝子型の関係を明らかにするため,DEB の優性変異型,単発型2家系について,COL7A1 gene の変異検索を行った.症例1に 8068del17ins2 を,症例2には G2395D と152delG の新規変異を同定した.症例1は DDEB であるが,GS ではなく insertion/deletion 変異によって発症し,症例2の GS は,DDEB ではなく,非コラーゲンアミノ酸領域 (NC-1) の早期終止コドン変異との組み合わせで RDEB を生じていた.本研究は DEB の新規変異を明らかにするとともに ,本症のおける臨床と遺伝子変異の理解をさらに深めた.
  • 吉川 和暁, 盛 和行, 工藤 誠治, 劉 星星, 米山 高弘, 橋本 安弘, 古家 琢也, 神村 典孝, 高橋 信好, 鈴木 唯司, 大山 ...
    2007 年 59 巻 1 号 p. 41-48
    発行日: 2007年
    公開日: 2021/09/07
    ジャーナル フリー
     表在性膀胱癌に対する Bacillus Calmette-Guérin (BCG) 膀胱注入療法の有効性は広く認められているが,生菌であるため副作用の頻度が高く,しばしば重篤な有害事象も認められる.本研究では BCG に含まれる効果的な成分を見いだすことを目的に BCG の菌体を分画し,その抗腫瘍効果を検討した.BCG (Tokyo 172 株) を超音波処理またはオートクレーブ処理後,遠心分離して上清と沈渣に分画し,ヒト膀胱癌細胞株 5637 と混合培養した.BCG生菌と超音波処理またはオートクレーブ処理上清画分は 5637細胞の増殖を抑制し,ギムザ染色及びフローサイトメトリー解析によりアポトーシスが検出された.これらの結果は,上清中の成分がアポトーシスを介して 5637細胞に細胞増殖抑制効果をもたらすことを示唆し,これらの画分を精製することにより,より効果的で副作用の少ない新しい抗腫瘍薬の創薬が期待される.
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