弘前医学
Online ISSN : 2434-4656
Print ISSN : 0439-1721
58 巻 , 1-4 号
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原著
  • 齋藤 久美子, 福田 寿生, 木田 和幸, 野田 美保子, 西沢 義子, 對馬 栄輝, 朝日 茂樹, 坂野 晶司, 田鎖 良樹, 三田 禮造
    2007 年 58 巻 1-4 号 p. 1-10
    発行日: 2007年
    公開日: 2021/09/14
    ジャーナル フリー
     この研究の目的は,北東北地方の一都市における 65歳以上の地域住民の活動的平均余命を,機能回復率を考慮し,3年後の日常生活動作 (Activities of Daily Living) の変化をもとに明らかにする事である.調査方法は Andrei Rogers らの方法に従い,ADL の自立の有無を問う質問項目を含む質問紙調査を2回行った.対象の ADL の年齢別移行確率をもとに生命表を作成し,平均余命と活動的平均余命を求めた.1回目の調査時の自立者の平均余命は,65歳の男性 18.7年,女性 23.5年であった.活動的平均余命は,ADL の機能回復率を考慮すると 65歳の男性 17.2年,女性 20.7年であった.それぞれの平均余命と活動的平均余命の差を要介護期間とすると,65歳の男性 1.5年,女性 2.8年であった.平均余命,活動的平均余命を他市の報告と比較すると,H 市は,平均余命,活動的平均余命共に長く,要介護期間はそれに比較して長くはないと言える.
  • 北澤 淳一, 高橋 良博, 立花 直樹, 伊藤 悦朗
    2007 年 58 巻 1-4 号 p. 11-16
    発行日: 2007年
    公開日: 2021/09/14
    ジャーナル フリー
     特発性血小板減少性紫斑病 (ITP) の原因は不明であるが,その治療方法はほぼ確立されている.しかし,時に治療に難渋する難治性 ITP も見られる.疫学調査と診療支援などを目的として,2002年7月に青森県小児 ITP 研究会を組織した.疫学的調査の結果を報告する.2001年1月から 2004年末までに合計 46例の登録があった.発症年齢は5歳0ヶ月以下が 76%を占めた.発症時血小板数は,10,000/μl 未満の症例が 54.3%,10,000-20,000/μl の症例が 23.9%,20,000/μl 以上の症例は 21.8%であった.初期治療は,10,000/μl 未満の症例で 25例中免疫グロブリン大量静注療法 (IVIG) 24例,20,000/μl 以上の症例は 10例中無治療9例,10,000/μl 以上,20,000/μl 未満の症例では 11例中無治療4例,IVIG 4例,ステロイド投与3例であった.80%は,6ヶ月以内に軽快する急性型であった.
  • 田茂 和歌子, 今泉 忠淳, 吉田 秀見, 森 文秋, 福田 幾夫, 若林 孝一, 佐藤 敬
    2007 年 58 巻 1-4 号 p. 17-24
    発行日: 2007年
    公開日: 2021/09/14
    ジャーナル フリー
     シンフィリン-1 は,パーキンソン病におけるレヴィー小体の主要成分である α-シヌクレインの結合タンパク質として最初に発見され,シナプス終末やレヴィー小体中に存在する.われわれは血管内皮細胞において α—シヌクレインが発現していることを明らかにしたが,本研究では,内皮細胞におけるシンフィリン-1の発現について検討を行った.その結果ヒト剖検脳の血管壁,特に内皮細胞においてシンフィリン-1が免疫組織学的に検出された.また,培養ヒト臍帯静脈内皮細胞においてシンフィリン-1の mRNA とタンパク質の発現が,それぞれ reverse-transcription polymerase-chain reaction とウェスタン・ブロッティングにより確認された.シンフィリン-1は血管内皮細胞において恒常的に発現しており,血管においてなんらかの生理機能を有するものと考えられた.
  • 小山内 隆生, 加藤 拓彦, 和田 一丸
    2007 年 58 巻 1-4 号 p. 25-34
    発行日: 2007年
    公開日: 2021/09/14
    ジャーナル フリー
     作業療法を行っている統合失調症者 84例を対象として,対象者の退院に関する意識と作業療法に関する意識を調査した.退院に関する意識では対象者の 60例 (71%) が退院を希望しており,そのうち 36例 (60%) が退院に関する不安を抱えていた.その内容は,退院後の収入に関する不安,退院後の日常生活 (家事を含む) についての不安が多く,これらの不安解消のためには,職業と密接に関連した課題および家事を含む日常生活の課題を作業療法に取り入れる必要性が示唆された.作業療法に関する意識では 71例 (85%) が効果があると回答していたことから,作業療法は,退院を希望する者にとって退院後の生活の訓練の一環として認識され,退院を希望しない者にとっては気分転換や楽しみなど病棟生活のリズム形成の方法として認識されていると考えられた.また,リハビリテーションを促進するためには,統合失調症患者の理解度や対人関係の特徴を考慮した作業指導の必要性が示唆された.
  • Kazi N Hasan, 庄司 優, 杉本 一博, 蔦谷 昭司, 保嶋 実
    2007 年 58 巻 1-4 号 p. 35-52
    発行日: 2007年
    公開日: 2021/09/14
    ジャーナル フリー
     アルギニンバゾプレシン (AVP) は下垂体から分泌されるペプチドホルモンで,V1a受容体 (V1aR) を介して心血管系の制御,グリコーゲン分解,血小板凝集に重要な役割を果たしている.本研究では,V1aR の新たな4個の一塩基多型 (-6951G/A, -4112A/T, -3860T/C, -242C/T) と高血圧症,2型糖尿病と血糖レベル,AVPに対する血小板凝集反応との関連を検討した.対象は,青森県内の高血圧症 365例と健常対照者 255例,2型糖尿病 186例と非糖尿病対照者 188例,健常若年成人 33例である.層別化解析により4多型のうち -6951G/A多型と非肥満者における高血圧との連関が認められた.多変量解析では -6951G/A多型は非肥満者高血圧の独立した危険因子であることが示唆され,高血圧との関連の強いハプロタイプが存在した.2型糖尿病に対しても -6951G/A多型は多変量解析上独立した危険因子と認められ,また,関連の強い2種のハプロタイプ結合が存在した.さらに,健常若年成人における -6951G/A多型の変異型では,野生型のホモよりヘモグロビンA1c が高値であった.一方,AVP による血小板凝集反応の個体差と4個の一塩基多型とのあいだには関連性が認められなかった.以上の結果から,V1aR-6951G/A多型の変異型では,非肥満者高血圧および2型糖尿病の疾患感受性が高い可能性が示唆された.しかし,検討したこれらの V1a受容体遺伝子多型は血小板凝集反応性の遺伝子マーカーにはなりにくいと考えられた.
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