近年の携帯電話端末は,多機能化,意匠に凝ったもの等が登場し,本来の通話機能以外の尺度で差別化が図られている.特に日本の端末は,これら要求される機能,意匠を満たしながら半年の短いサイクルで新機種を市場に投入しなければならず,また競合他社となる開発メーカーも多いことからその設計・開発業務が益々高度化・複雑化し,その開発コストも1社で負担する限界にきている.そこで本研究は,これら高度化・複雑化・高コスト化する端末の設計・開発業務の効率化を図ることを目的とし,特にこれまで研究対象として扱われてこなかった上流設計の効率化を対象として研究を行った.研究は,通信キャリア,端末メーカーへのインタビュー調査・アンケート調査を元に問題分析を行い,得られた知見より効率化を検討している.
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