日本水文科学会誌
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49 巻, 3 号
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総説
  • 飯田 真一, 玉井 幸治, 野口 正二, 小林 政広
    2019 年 49 巻 3 号 p. 135-159
    発行日: 2019/12/25
    公開日: 2020/01/06
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    森林状態と流出の関係,森林斜面における地中水の移動ならびに林分蒸散量の評価を目的として国内で行われた研究例を概観した。具体的には,森林の蒸発散現象と流出遅延現象が流出に及ぼす影響(Ⅱ章),土層中の選択的な流れ(例えば,パイプ流)の役割やホートン型地表流の寄与(Ⅲ章),樹液流速測定法の問題点と林分蒸散量の評価(Ⅳ章)について俯瞰した。また,各章において今後の課題と展望を検討した。森林の蒸発散量評価の検証データとして,また地球温暖化による影響を検討するために,流出量の長期継続データが必要である(Ⅱ章)。気候変動によって頻発する猛烈な降雨や無降雨期間の増加が地中水の移動に与える影響の評価が求められる(Ⅲ章)。林分蒸散量の評価については広葉樹林の計測事例が少なく,また他の手法による蒸発散量との比較が不足しており,樹液流速測定法の検定と併せて取り組む必要がある(Ⅳ章)。

企画「日本水文科学会について語る」
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