実験社会心理学研究
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46 巻 , 1 号
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原著論文
  • 植村 善太郎
    46 巻 (2007) 1 号 p. 1-12
    公開日: 2007/09/05
    ジャーナル フリー
    新入成員が集団に参加する状況において,紹介者の存在が既存成員の新入成員を受け入れることに関する不安と新入成員に対する信頼に及ぼす効果を実験によって検討した(被験者:男性52名,女性56名,計108名)。1)集団内のサクラが新入成員を知っている事実だけを述べる条件(単純存在条件),2)サクラが新入成員を知っており,肯定的に紹介する条件(肯定的紹介条件),3)サクラが存在せず,誰も新入成員を知らない条件(紹介者なし条件)が設定された。集団による共同作業場面3セッション中の第2セッション終了後に,第3セッションからの中途参加者受け入れに対する態度が測定された。第3セッションは実際には行われなかった。全般的な結果は,1)単純存在条件および肯定的紹介条件では紹介者なし条件に比して,集団構造が動揺することに対する不安が低く,意図および能力に対する信頼が高かった。また,2)単純存在条件と肯定的紹介条件との間には大きな差異はなかった。これらの結果から,紹介者はただ存在するだけで,集団構造が動揺することに対する不安の低減,新入成員に対する信頼の向上に効果をもつことが示された。
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  • 相馬 敏彦, 浦 光博
    46 巻 (2007) 1 号 p. 13-25
    公開日: 2007/09/05
    ジャーナル フリー
    本研究において我々は,排他的なサポート関係に影響する要因について検討した。
     一般的信頼感(山岸,1998)と,進化論的な理論的枠組みとから,我々は次のように予測した。恋愛関係に所属する者は,個別的な信頼感の影響を統制しても,関係の外部からのサポート取得を抑制するだろう。また,これらの関連は,一般的信頼感の低い者に顕著に認められるだろう。
     以上の仮説を検証するために,我々は136人の大学生を対象とした調査を行った。仮説は支持された。一般的信頼感の高い者は,個別的な信頼感を発展させた恋愛関係であっても,その外部にサポート取得することができた。同様の結果は,個別的な信頼感の高い,もしくは低い異性との友人関係では認められなかった。これらの結果は,一般的信頼感の低い者が,恋愛関係に所属したときに,多様なソーシャル・サポート・ネットワークを形成することが困難であることを示唆する。最後に,所属する関係によって,資源交換のされやすさが異なる可能性について考察された。
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資料論文
  • 岡本 卓也
    46 巻 (2007) 1 号 p. 26-36
    公開日: 2007/09/05
    ジャーナル フリー
    本研究は既存集団のもとへ他の集団(参入集団)が参入した時,既存集団成員が内集団の影響力を過小評価することを確認し,この過小評価の発生量の規定要因として内集団アイデンティティ(内集団Id)と共通内集団アイデンティティ(共通集団Id)の効果を明らかにした。実験1では,実験参加者36名から12個の3人集団を構成し,半数を既存集団に,残りを参入集団に割り当てた。集団ごとにある課題について討議・決定させた後,既存-参入集団を組み合わせた6人集団(上位集団)を構成し,再度同一課題について意思決定を求めた。その結果,既存集団は参入集団に比べて再決定時の自分達の影響力を過小評価していた。実験2では参入集団をサクラが演じ,49名の参加者を全て既存集団とし内集団Id(高・低)と共通集団Id(形成・無し)を操作した。その結果内集団Id高群で影響力の過小評価が認められた。共通集団Idの高さは過小評価の発生には影響を与えず,相手集団との対立度を低く認知させた。両実験の結果に基づき,既存集団における影響力の過小評価および対立度の認知と集団Idとの関係について考察した。
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特集論文  主観性の社会心理学―内なる経験の積極的機能
原著論文
  • 伸隆 具志堅, かおり 唐沢
    46 巻 (2007) 1 号 p. 40-52
    公開日: 2007/09/05
    ジャーナル フリー
    本研究は,情動的メッセージと反すう思考による説得プロセスを検証した。大学生277名が情動的なエピソードによって死刑制度の必要性を訴える情動的メッセージ,あるいは客観的な報告によってこれを訴える客観的メッセージを提示された。その後,実験参加者は態度評定に先立って,死刑制度に対する考えを記述するか(反すう思考群),死刑制度と無関連な事柄について記述するか(反すう妨害群),あるいは直ちに態度評定を行った(直後評定群)。その結果,死刑制度に関する反すう思考は,情動的メッセージ群においてのみ,態度変化を促進した。さらに,パス解析によると,情動的メッセージ群では情動的な思考によって態度変化が媒介されていたのに対し,客観的メッセージ群では認知的な思考によって媒介されていた。情動的メッセージの内容に関する反すう思考が態度変化を促進するメカニズムが議論された。
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  • 遠藤 由美
    46 巻 (2007) 1 号 p. 53-62
    公開日: 2007/09/05
    ジャーナル フリー
    人はしばしば,自己の主観的な状態が他者に対して露わになったと信じる傾向があり,これは透明性錯覚として知られている。本研究では,自己紹介場面での緊張においてこの透明性錯覚が重要な役割を果たし,また感じている緊張の関数として透明性推測が作り出される,という仮説を検討した。人前で話す時に緊張を強く感じる人は,そうでない人に比べて,聴衆に対してその緊張が明らかなものとして伝わったと信じる程度が強かった(研究1)。対人不安特性の強い人においても同様のことが示唆された(研究2)。研究3では,これらの結果を再現し,さらに動機的説明ではうまく行かないことを立証した。最後にこれらの結果に対して,透明性錯覚と係留・調整リューリスティックスの観点から議論が加えられた。
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  • 工藤 恵理子
    46 巻 (2007) 1 号 p. 63-77
    公開日: 2007/09/05
    ジャーナル フリー
    本研究は人々が自分の好みや判断が他者に見透かされる程度を過大視する傾向(透明性の錯覚)が未知の他者が相手の場合よりも,友人が相手の時により顕著になることを示した。研究1では,被験者間デザインを用いて友人間と未知者間の透明性の錯覚の程度を比較した。友人間での方が錯覚量が大きいことが示された。研究2では,社会的規範により友人間での透明性の錯覚が増大しているという代替説明を検討した。友人間の透明性の錯覚は,実験参加者が正確な推測に動機づけられている場合でも低減せず,社会的規範の代替説明は棄却された。他者の選好や判断を見透かすことのできる程度に関する錯覚についても検討がされ,友人間での方がこの錯覚も大きくなることが示されたが,未知の他者の選好や判断を見透かすことのできる程度についての錯覚は正確な予測が動機づけられた場合増大した。これらの錯覚をもたらすメカニズムについて考察がなされた。
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  • 鎌田 晶子
    46 巻 (2007) 1 号 p. 78-89
    公開日: 2007/09/05
    ジャーナル フリー
    「透明性の錯覚」(Gilovich, Savitsky, & Medvec, 1998)とは,自分の内的状態が他者に実際以上に明らかになっていると過大評価する傾向である。本研究では,行為者がひとつだけ味の異なる飲み物を観察者に言い当てられないように飲むというGilovich et al.(1998; Study 2)の手続きに基づいて3つの実験を行った。研究1a(n=45)では,Gilovichらの追試を行い,日本の大学生においても行為者の透明性の錯覚が同様に認められることを確認した。研究1b(n=46)では,同様の課題で1対1の対面条件を設定し実験を行ったが,透明性の錯覚は消滅せず,研究1aの結果が実験上のアーチファクトではないことを明らかにした。研究2(n=116)では,係留点が透明性の錯覚に与える影響について検討するため,行為者の主観的な衝撃度を操作した。その結果,衝撃の強さが行為者の透明性の錯覚量に影響を与える傾向が示された。これは,透明性の錯覚の発生メカニズムとして係留・調整効果を支持するものであった。行為者―観察者の対人相互作用における主観性や認知的バイアスについて考察した。
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