日本林学会誌
Online ISSN : 2185-8195
Print ISSN : 0021-485X
46 巻, 10 号
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  • ポプラさし木苗のカルシウム上昇におよぼす温度の影響について
    辰巳 修三
    1964 年46 巻10 号 p. 325-335
    発行日: 1964年
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    一般にカルシウム (Ca) は植物体内において蒸散流とともに上昇することが知られてきた。しかし木質部から樹皮部をとおって葉部におよぶCaの横移動にっいては蒸散流とともに当該部のmetabolic ac之ivitiesが多分に影響するように考えられる。
    本醗究は10°Cと30°Cにおけるポプラ中のCaの動きならびに分布について45Caをtracerとして, Caを各Fraction別に分劃定量することによって,その量的な変動を追究検討したものである。なお,別個に植物全体にっいての変動を調べ,この藤からも両温度による吸収量の差異を知るとともに,30°Cの実験においては前報8)における結果を追試することにした。 Caの分劃はポプラの各部におけるmetabolic activitiesの程度を判定する目的でおこなったものである。その結果,つぎのようなことがわかった。
    1. 30°Cにおいては10°Cの場合よりも45Ca施与後の短時日に,旺盛な45Caの吸収の起ることが認められた。これらの事実から本実験においては木質部→樹皮部→葉柄部→葉部の移動の場含に温度による影響の現われることが認められた。
    2. 10°Cの場合,葉部においてはCaの異化作用は活発におこなわれないで当部のmetabolic activitiesの低いことが認められた。
    3. 一般に植物に含まれるCaをFraction別にみるとH2O抽出部(F-I)が多量に現われるといわれているが,本実験では1 N NaCl抽出部(F-II)が多量に認められた。これは木本科植物における特色の一つとも考えられること以外に,吸収初期ではH2O抽出部よりもNaCl抽出部で多量に現われるのではないかと考えられる。
    4. 葉部においては他部に比較してF-IからF-IIへの変化がきわめて速やかである。また,これらのFractionは上葉部および尖端部で活発に変動した。したがってmetabolic activitlesの程度はF-I, F-IIからF-III, F-IVへの変動の推移状態を確かめることによって推定が可能なように思われる。
    5. 第I報と同様にCaがその最大集積葉を中心に集積する事実のあることを観察した。
    6. 葉柄部および樹皮部においては45Caはほとんど同じようなFractionに分布していた。そしてF-I, IIで全体の放射能の80%以上を占めており,その分化の程度は上方ほど旺盛であった。また,一般に30°Cの方がより活発な変化のおこなわれることを観察した。
  • 浅川 澄彦
    1964 年46 巻10 号 p. 336-338
    発行日: 1964年
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    チョウセンマツのダネは,普通数ヵ月のクミアワセ湿層処理をしなければ発芽しないが,このタネが発芽するまでの呼吸様式を,外種皮だけのぞいたタネについてしらべたほか,発芽初期の呼吸を,外種皮だけ,あるいは外種皮,内種皮とものぞいてしらべた。無処理のタネおよびみじかい期間,湿層処理したタネでは,内種皮までとりのぞくと,炭酸ガス放出量もいくらかふえるが,酸素の吸収量がいちじるしくふえる。すなわち,内種皮は,発芽初期の酸素吸収をいちじるしくさまたげているようである。クミァワセ湿層処理したタネでは,内種皮があっても,発芽にちかづくと酸素吸収量が炭酸ガス放出量をうわまわり,したがって,呼吸商は1より小さくなる。
  • 小林 享夫
    1964 年46 巻10 号 p. 339-343
    発行日: 1964年
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
  • 大隅 真一
    1964 年46 巻10 号 p. 344
    発行日: 1964年
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
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