日本林学会誌
Online ISSN : 2185-8195
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57 巻, 6 号
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  • 竹谷 昭彦, 奥田 素男, 細田 隆治
    1975 年57 巻6 号 p. 169-175
    発行日: 1975/06/25
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    マツの激害型枯損の発生環境を温量で区分することを試みた。地区の温量を代表する指数として, 1年間の中で月の平均気温が15°Cを超える月の平均気温から15°Cを差し引いた残差を累積して得た殖を用いた(MB指数)。これを関東以西32都府県下950気温観測点の5年間 (1961~1965) の資料について算出し,つぎに各地におけるマツの枯損の発生量を参考にして激害型枯損のほとんどみられない地域を40MB以下,激害までにいたらない地域を40~45MB, 激害地となりうる地域を45MB以上として区分した。この結果, 40MB以上の地帯の地理的分布は主として海岸線に沿い,河川に沿って内陸に入りくんでいる。また,内陸部では盆地など夏期の温度が上昇する地域が含まれる。そして,地域によって違うが,ほぼ標高200mまでに分布することが明らかになった。また,これをマツーマツノマダラカミキリーマツノザイセンチュウ三者の関係(図-2) が成立するための温量を既報のデータから検討した結果,おおざっぱであるが,40MB付近の温量がマツの激害型枯損発生の限界温量であると推察できた。
  • 倉永 善太郎
    1975 年57 巻6 号 p. 176-183
    発行日: 1975/06/25
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    九州地方のマツカレハ個体数変動について,金峰山と大浦の2試験地で, 1956年より8世代にわたる調査結果に基づぎ,その要因の解析をおこなった。1)金峰山では1957年と1963年,大浦では1958年と1963年に突発的に大発生が起こり,いずれも1世代で終息して,大発生の前に漸進的な密度の高まりはなかった。2)全期間を通じて生命表を作り,VARLEYとGRADWELLのグラフ法により個体数変動要因の解析をおこなった。金峰山では全ステージについて調査がでぎた1957年から1962年まで6世代のうち,はじめの4世代までは卵期から越冬前幼虫期の死亡が,また,あとの2世代では雌成虫の中で繁殖雌数が占める割合が総死亡の変動主要因となった。大浦では世代ごとに異なった要因で変動がおこり,変動主要因は明らかでなかった。3)金峰山のデータから,回帰法によって越冬前幼虫密度から次世代の卵粒数を推定する式を導き出した。この式からの推定値ば,第3世代から第5世代までの適合はきわめてよかったが,第8世代(大発生)の予測はできなかった。このモデルを大浦にあてはめると適合はきわめて悪く,両試験地間では個体数変動要因にかなりの違いがあると推定された。4)この調査は8世代の長期におよび,その期間の初期と終期では林相や林内生物相などの環境変化も大きく,このような林分での少数要因による個体数変動の説明はむずかしいと思われる。
  • 小林 享夫, 佐々木 克彦, 真宮 靖治
    1975 年57 巻6 号 p. 184-193
    発行日: 1975/06/25
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    マツ健全木の幹からPestalotia, Papularia, Trichodermaが,枝からPestatotiaRhizosphaeraが,健全苗木の茎枝からRhizosphaera, Pestalotia, Cladosporiumが検出され,材中における糸状菌の潜在が示唆された。線虫の加害によりマツが異常.枯死を起こすと樹体内の糸状菌相は急激に変化し,枝幹上部にはCevatacystis, Daplodia, Macrophomaが,幹下部の辺材部にはVerticicladiellaが優占し,細菌も一時的に異常に増加する。健全木の糸状菌の中ではPestalotiaRhiaosphaeraが線虫増殖に好適でマツ樹体内で線虫の食餌の一つとして役立ちうることが示された。マツが異常を起こしてのちの材中での線虫の増殖にはCeratocystisDipdodiaが好適である。Ceratosystisは線虫とマツノマダラカミキジ両者の共存関係にもう一つ加わり三者で共存関係を形成することが示唆された。晩秋から早春に異常桔死を起こすマツからはマツノザイセソチュウは検出されず,材中から糸状菌Amylostereumが優占的に検出され,キバチ類との関連性やマツへの加害性など,線虫によらない枯損原因の一つとして検討の必要性が示された。
  • 横山 敏孝, 金子 富吉, 伊藤 昌司
    1975 年57 巻6 号 p. 194-196
    発行日: 1975/06/25
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    In the seed orchard of Japanese larch, the female strobili were subjected to natural pollination for a day when the maximum pollen dispersion was recorded. In those strobili, 98-100% of ovules were pollinated and the average number of pollen grains in an ovule was 5. 9. Pollen grains drifting toward the female strobili were estimated to be 930-1, 670per cm2 per day using samplers with a globular collecting surface, which were set on the branches near the female strobili.
  • 岸 善一
    1975 年57 巻6 号 p. 197-200
    発行日: 1975/06/25
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
  • 森 巌夫
    1975 年57 巻6 号 p. 201-203
    発行日: 1975/06/25
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
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