日本林学会誌
Online ISSN : 2185-8195
Print ISSN : 0021-485X
54 巻, 9 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 松崎 清一
    1972 年54 巻9 号 p. 287-294
    発行日: 1972/09/25
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    アブラムシや病原菌の寄生,異常気象や機械的傷害など,環境要因に対する林木組織-主としてトドマツ樹皮-の反応について解剖観察を行なったところ,つぎのような反応が観察された。
    すなわち,樹皮部では, 1) 癒傷周皮 (wound periderm) の形成, 2) コルク形成層および維管束形成層の異常な活動や柔細胞自身の異常な自己増殖による柔細胞の顕著な発達, 3) 樹脂道内へのエピセリウム細胞の異常な発達, 4) 内樹皮外層部での油細胞や厚膜細胞の増加など,また材部では, 1) 傷害樹脂道や傷害輪の発達, 2) 放射柔細胞の異常肥大および仮道管の異常肥大や配列のみだれなど,多様な反応が観察された。そして,その反応はきわめて速やかに行なわれるものと思われた。
    これら林木組織の多様な反応は,生物的あるいは非生物的な要因それぞれに対して必ずしも特徴的なものでなく,とりあげた要因すべてに対してほぼ共通のもののように観察された。
  • 福本 安正
    1972 年54 巻9 号 p. 295-302
    発行日: 1972/09/25
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    新潟県の第三紀層地すべり地16地区に174孔のボーリング地下探査を行なった。それにより作成された土質柱状図から,土質累重パターンと各土質の深さを統計的にとりまとめた。それと共に,各土質のN値および,動・静弾性係数を岩石試験により求め,地すべり抑止杭の設計計算を行なうための因子を得た。
  • チェンソーの鋸断振動と作業の快適性について
    岩川 治
    1972 年54 巻9 号 p. 303-310
    発行日: 1972/09/25
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    本論文は,チェンソー作業によってもたらされる機械振動要因をとりあげ,エンジン回転数をもとにした振動の大きさ,鋸断効率と振動の関係,およびそれら各条件下でみられる人体の生理的反応の関係を系統的に調べ,チェンソー作業の人間工学的考察を試みたものである。
    調査の結果,つぎのことが得られた。
    (1) 鋸断作業時,チェンソーのブレードに直角方向(上下方向),ハンドルバー上での振動加速度は,エンジンの回転数にほぼ比例して大きくなる(図-2, 3)。 回転数に対する測定条件は,スロツトルを全開(エネルギーを一定)にして鋸の丸太への圧着力を変えることにより,各段階の所定鋸断回転数を調整した。 (2) チェンソーの鋸断速度cm2/secと回転数の関係からは,ある回転数領域で,鋸断速度がもっとも大きくなり,回転数に対して凸型のカーブを示す。
    (3) チェンソーの使い方 (rpm) に基づく振動加速度の大きさと,その条件下での心拍数(生理的人体反応)との関係から,心拍数は回転数が小さい領域にあるほど,逆に大きくなる傾向がある。以上のことから,人間工学的につぎの見解が要約される。
    1) チェンソーの経済的な効率のよい使い方は回転数の側から規制できる。また,その場合,機械の側の振動から見るかぎり,一般に (1) により振動条件はあまり悪くない。 2) しかし,鋸断中の機械振動の大きさと生理的反応は比例的でなく,工学的に機械振動を減少させる努力だけでは,おそらく十分な人間工学的解決にはならない。 3) 心拍数の増加をおさえる方向(作業の快適性)に作業の重点を移していく立場をとるとき,ある程度経済性がおさえられることになり,両者のバランスが必要となる。
  • 安藤 正武
    1972 年54 巻9 号 p. 311-314
    発行日: 1972/09/25
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    1) シイタケ子実体は一定の菌糸生長期間を経た後は10~15°Cの変温処理により発生し,菌糸生長期間の受光を必要とし,暗黒では発生しない。
    2) ジャガイモせん汁液体培地,合成液体培地いずれでもよく発生する。
    3) 菌糸生長のおう盛な状態のときによりよく発生し,あまり培養期間が長くなるとかえって発生は減少する。
    4) 菌糸の生長は窒素源の多い方が良好であるが,原基および子実体(生長した)は培地の窒素源があまり多いと(窒素含有量0.6 g/l), かえって発生が少ない。
  • 森岡 昇
    1972 年54 巻9 号 p. 315-318
    発行日: 1972/09/25
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
  • 小林 一三
    1972 年54 巻9 号 p. 319-322
    発行日: 1972/09/25
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
  • 林木生理研究の方向
    畑野 健一
    1972 年54 巻9 号 p. 323-325
    発行日: 1972/09/25
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
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