由地崩壊に関する崩壊面積率を,水文統計で用いられる超過確率雨量の概念を用いて検討した。まず初めに,対数確率紙上にプロットされた日雨量に関するデータに対して,豪雨時の日雨量が相当する超過確率
Wを求め,その値と崩壊面積率
saとの関係を対数確率紙上にプロットしてみた。その結果,多雨地帯,非多雨地帯に関係なく,
sa-
W図上で地質の相違を区分することが可能であった。次に,超過確率50% に相当する目雨量
R50% を用いることによって,豪雨時の日雨量
Rとの比
R/
R50%(=
X) を求めた。この比
Xも,雨量の地域的偏在性の影響を除いたものであり,雨量相当(外)力を示している。この
Xと先の
saをプロットすると
sa=
aXmの開係が認められた。ベキ数
mは,中古生層・第三紀層地帯で3/2, 風化花崗岩地帯で2であった。以上の
Xと
saとの理論的関係をワイプル分布を用いて調べ,
Xのある範囲で上式が成立することを示した。
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